![Photo Photo](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/b5/a1c17612ffafce1e073d3a449adf70d6.jpg)
All Photos by Chishima,J.
(編隊を組んで飛翔するマガン 2008年5月 北海道十勝郡浦幌町)
5月1日、海岸近くでの用事に託け、少しだけ早く家を出た。そろそろ渡りのシギ・チドリが舞い降りているのではないかとの目論見と共に。午前8時、晴れ渡って暑くなりそうな内陸部とは異なり、靄が掛かって涼しそうな海岸に到達せんとした時、やや高空に無数の豆粒がV字型の編隊を作って飛んでいるのを認めた。「マガンだっ!」。慌てて路傍に車を停め、飛び出す。「カハン、カハハン」。数多の甲高い声が、唖然として立ち尽くす私の耳元に降り注ぐ。「元気でな。9月にまた会おうな。」。届くはずもないエールを送りつつ目頭を熱くする男を尻目に、300羽強の編隊は一路東の空に溶けていった。
一路東へ!(マガン)
2008年5月 北海道十勝郡浦幌町
![Photo_2 Photo_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/fc/3e4e6e4a20c4a267cc774a339e982bdd.jpg)
結局その後一時間ほどの間に、周辺では数十から数百のマガンの群れが幾つも幾つも、遠く近く、また低く高く、V字や鍵型の編隊を組みながら、東を目指して飛び去って行った。4月から5月という暦の変わり目、数日ぶりの好天、程好く強い南寄りの風…、そうした要素が丁度、ガンたちに都合良く重なったのだろう。2ヶ月近くに渡って中継地の十勝平野に滞在したマガンは、この朝概ね去ったように感じた。
高空を飛ぶマガンの群れ
2008年5月 北海道十勝郡浦幌町
数十年前まで子供達に「鍵になれ、竿になれ」と謳われた雁行も、今では限られた場所でしか見られなくなってしまった。
![Photo_3 Photo_3](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/1b/bf577e8a036019f1df081dcba44bc231.jpg)
4月下旬の晴れた日に、縁あって知床半島の沖で船に乗った時、海上を飛翔する本種の群れを二つ見かけた。いずれも40~60羽程の規模で、一つは高空をV字に、もう一つは海上すれすれを一列になって北東に向かっていた。朝早く十勝を飛び立ったマガンも、上手いこと風に乗って早々と知床や根室の先まで達せば、そこから海上に出て一気にオホーツク海や千島列島を北上し、遥かなる極北の繁殖地を目指すのだろうか。そんな身震いするような想像を搔き立てられた朝だった。
海上を渡るマガン
2008年4月 北海道知床半島羅臼沖
小さいが、画面の中央を一列になって飛んでゆく。背後は国後島。
![Photo_4 Photo_4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/91/5a349a1e1610fbddf77c0c1bcd982bdf.jpg)
マガン
2007年4月 北海道広尾郡大樹町
全国的な個体数の回復と同期して、十勝地方でも渡来数は大幅に増加した(「増えたマガン」の記事参照)。
![Photo_5 Photo_5](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/18/64ea83123eefd1aa3630ddc98d285003.jpg)
ガンたちの北帰行を見送った後、ノビタキの爽やかな囀りが心地良い海岸で、遅い朝の光に射られた3羽のチュウシャクシギに出会う。
チュウシャクシギ
2008年5月 北海道中川郡豊頃町
![Photo_6 Photo_6](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/98/8fd4af4f292212d623c8137ce0b06144.jpg)
(2008年5月10日 千嶋 淳)
「ミユビシギの種類」画像から入り込みました。十勝地内では、今頃が目頭を熱くする時期だったんですね。わたしのところでは(石川県河北潟)今年マガンは40羽、ヒシクイは5羽確認しました。2月20日以降は確認がとれず、北へ移動したのだと涙しました。コハクチョウは300羽程がこの地で越冬します。こちらは2月29日に2羽確認を最後に北へ全員移動したのだと思います。これまた一人思いっきり泣きました^^;泣ける気持ちが良くわかり、コメントさせて頂きました。今後とも、宜しくです。