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海外の都市の紹介、 その77の1 『キンデルダイク』

2010年05月30日 | 海外の都市の紹介
今回は『キンデルダイク』の紹介です。
風車で有名なオランダには、現在1000基程の風車が残されていますが、そのほとんどが1基又は数基単位で各地に点在しています。
キンデルダイクはオランダでは一番風車がまとまって残されていて、19基の風車が並んでいます。

右奥の船の形をした建物は造船所のようです。
実は、江戸幕府の船として初めて太平洋を往復した蒸気船、『咸臨丸(かんりんまる)』が造船されたのが、ここキンデルダイクです。



1853年、浦賀沖に来航したペリーの黒船に肝をつぶした幕府は、勝海舟の提言を受け入れ、長崎に海軍伝習所を創設し、その練習艦としてオランダに軍艦2隻を発注しました。
1855年、先に届いた1隻(観光丸)はオランダ領インドネシアにあった中古船でしたが、後1857年8月に届いたもう1隻は、ここキンデルダイクの造船所で建造されました。

咸臨丸のオランダ名は『ヤパン号(Japan)』です。
日本では、江戸幕府の船として初めて太平洋を往復した蒸気船です。
勝海舟や福沢諭吉ら、その後の日本を決定付ける第一級の人物を多く乗せてアメリカに渡ったのです。



キンデルダイクの風車網は、ロッテルダムから約15km離れたところにあります。



オランダに風車が伝わったのは10世紀で、十字軍によって中東より伝わったそうです。
実は、風車は製粉用としてイスラム圏で誕生しました。



15世紀のオランダは干拓工事が盛んで、その際、堤防で仕切った陸側の水を汲み出すために風車が活躍しました。
風車の数も増え、穀物を挽いたり、油を絞ったり、木材の加工にまで使われ、オランダ人には欠かせないものになっていきます。



このキンデルダイクは18世紀前半の風車が19基も残り、湿原と運河と伴にオランダらしい風景が広がる場所です。



ここの風車網は、オランダ国内で現存する風車群の最大規模のものです。



これほどの風車が残されている場所はほかには無く、もっと驚いたことに、この多くが現在も立派に現役で働いているということです。



また、オランダの観光地の中で最もよく知られた場所のひとつであり、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。



続く...........................................................................。