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海外の都市の紹介、 その76の4 『ザーンダム』

2010年05月27日 | 海外の都市の紹介
オランダと言うと、ほとんどの人が風車、チーズ、木靴などを思い浮かべると思います。
これらのオランダ名物はオランダの地形と歴史に関係があります。
オランダの3分の1は干拓地で、遠浅の海や干潟、水深の浅い湖沼やその浅瀬を干上がらせて農地として開拓してきました。
結果、オランダの国土の70%が海水面下と言われています。
『神は世界を作ったが、オランダはオランダ人が創った』とオランダ人は胸を張って言います。
もともと陸地ではなかったので、地面は平坦なため運河の水が流れていかないと溜まるばかりなので、運河を階段状にして、そこで風力を使い排水をすることで、水流をつくるようにしたそうです。
海面より運河の水面が低いところから、どうやって海に出るかが問題になります。
そこでオランダにある数え切れないほどの水門の説明を簡単にします。

基本的には、水門は2つあり、運河側と海側に分かれます。
内陸側の運河より大きな船が運河側の水門から水門間に入ってきます。



当然、このときの水門間内の水面は運河の水面と同じです。



写真だと分かりにくいのですが、このときの海側の水門は閉じられていて、運河側の水面が開いている間は水門間内の水面は、海面よりまだ低い位置にあります。



船が完全に水門間内に入ると、運河側の水門が閉じられます。
この後、海側の水門が開けられ水門内に海水が流れ込み海面と同じ高さになります。



運河側の水門に移動して反対側からの写真です。
船が海側の水門より海へ出ていきます。



この写真でわかるように、運河側の水門の手前は海水面に比べると低くなっているのがわかります。
簡単な原理のようですが、昔は人力で水門の開閉をするための高度な技術があったようです。



冒頭に説明しましたが、オランダの運河は水流を確保するため風車などを利用して階段状になっているため、運河間の移動や海へ出るとき、このような水門を利用して移動します。

この写真の水門は昔の水門のようです。



風車や水門で水量調節をしながら、オランダは陸地を広げてきました。
その治水技術は国を広げるだけでなく、国を守ることにも使われたそうです。
外敵がオランダを攻めてきたら、水門等を開け、わざと洪水を起し敵の侵入を防いだことから、それが水の防衛線、『洪水線』とも呼ばれています。



運河沿いの寺院は、何百年も水路を通過する船を見守ってきたのでしょう。



それではザーンダムより