桜の開花がニュースにある。ここ北海道東部は、とうぶん桜は咲かない。くやしいから、いっそのこと机の上は夏にした。ひまわりだ。
『ひまわり』は、わたしがレコード屋になってすぐに封切りになった映画だ。サントラ盤がよく売れた。帯広駅前で、小さいレコード店を開店したばかりで、知名度もなく苦しんでいるとき、じつにありがたいLPレコードだった。
ひまわり、というタイトルと少しちがって、戦争に翻弄された女と男の、切なくも悲しい話だ。イタリアの名優ふたり、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニは、もちろんみごとだ。だが、『戦争と平和』のナターシャ役で世界を魅了した、ロシアの女優、リュドミラ・サベーリエワの哀しくも切ない美しさは、この映画が成功した大きな要素でもあるだろう。 ロシア映画『戦争と平和』、ナターシャ。
『ひまわり』、映像も、じつにすばらしい。(撮影は、イタリアのジュゼッペ・ロトゥンノ) そして、音楽だ。ヘンリー・マンシーニだ。 映画『ひまわり』 のテーマ http://www.youtube.com/watch?v=VX0u0K3qt6Y
http://www.youtube.com/watch?v=GOQAuujuCxs もちろんここは戦場だったから、イタリア人やドイツ人やロシア人の、何千という兵士たちが肥料となって、美しいひまわりが咲く、というわけだ。
ヘンリー・マンシーニの音楽は、『ティファニーで朝食を』のオープニングで、わたしは少年時代、ひどく感動した。映画というものの、美しいはじまりは、このシーンにつきるだろ。 『ティファニーで朝食を』オープニング http://www.youtube.com/watch?v=1JfS90u-1g8
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