先週は、札幌の鈴木さんから、酒の肴をいろいろ送っていただき、きのうはまた、九州の森本くんから、九州の食品いろいろが届いた。みやげや老舗の名品ではなく、近所のスーパーで買って、日常的に食べている物だ、という。それがうれしい。
森本くんの送ってくれたなかに「マルタイ ラーメン」が 入っていた。 これが好きなんだ。東京では、西友やヨーカ堂やダイエーなど、たいがいのスーパーで普通に売っている。安い、簡単。味、シンプル、うまい。わが常備品だった。
だが、北海道・帯広にもどって、わたしのいくスーパーで見かけたことがない。寂しい思いをしていた。すこし前に酔ったとき、深夜、インターネットで発注するところだったが、「東京のスーパーで買うより、ちょっと、高いな」と、冷静になってやめた。
「マルタイ ラーメン」が、東京のスーパーで普通に売っているのは、九州出身が多いこともあるだろうが、この即席ラーメンの味に、ある普遍性があるからではないだろうか? と思ったりするのだが‥‥‥‥。逆に、北海道限定発売の即席めん類は、東京でみつけるのに苦労する。なぜか?
突然、ホンコン焼きそばが食べたくなって、地下鉄・東西線に乗り、大手町でおりる。東京駅八重洲口に、北海道物産の店がある。そこでは、札幌・ベル食品の缶入りラーメンスープや、札幌・菊水の生麺も買える。
ここで買ってきた、ホンコン焼きそばや、マルちゃんのダブル・ラーメンを作って食べても、なぜか、北海道で食べていた、あの味ではなくて、いつも失望したものだ。なぜだろう?
そうして、失望して‥‥‥‥しかしまた、数か月すぎると、酔って真夜中に、「ホンコン焼きそばが、食べたいな」とか「マルちゃんのダブル・ラーメン・しょうゆ、が食べたいな」と思って、翌日午後、地下鉄・東西線にのる。
そして、 「こんなもんだったろうかな? 」‥‥‥‥と、作っては、失望した。『ふるさとの訛り なつかし』なんだな‥‥‥‥と。
(およそ、インスタント食品だ。だが、期待する、わたしの貧困なる味覚は、昭和の20年代30年代、貧困なる幼少時代の、いつも飢えていた貧困なるココロからくるのだ。インスタント・ラーメン‥‥‥うまい、じゃないかい!)。
※ "ホンコン焼きそば" は、エスビー食品。北海道のほかは、東北の一部の地域限定発売の、味付き乾燥めんの焼きそば。東京でも、九州でも買えない。 "マルちゃんのダブル・ラーメン"は、東洋水産。北海道だけの商品。