トランプさんの相互関税の発動が90日延期されました。延期された理由は、発動された途端に株価や債券価格が暴落したことでしょう。
ここまで酷い事になるとはトランプさんも予想しなかったのでしょうか。半日ちょっとで、90日の延期を決めるというのは、当然「読みが浅かった」という事でしょうが、まずいことになった時はすぐに決断して対策をとる人だという事が解ったという事でしょう。
しかし延ばすだけで辞めるわけではありません。自説は最後まで押し通そうとするのでしょう。
そして多分今度は、為替レートとの組み合わせを考えるでしょう。すでに、相互関税の検討中も為替レートの活用にも触れていました。
基本的には関税10%引き上げも、ドルの10%切り下げも、効果は似たようなものですが、アメリカは為替操作は怪しからんと言っていますし、ドルを切り下げるのはアメリカの沽券に関わるという事でしょう。
しかし、為替レートが金利政策で動くことは変え意見敵も知っているはずですから、為替操作は、政策金利の変更という形でしょう。
具体的には、アメリカの消費者物価指数が安定してきていますからFRBが政策金利を下げると言えば、ドル安です。
日本との貿易赤字が増えたのは、アメリカがインフレで金利を上げたのも原因です。日本は金利を上げませんから、それで大幅に円安が進んで、それに、マネーゲームが絡んだからです。結果は下のグラフです。
勿論これは日本のせいではなくアメリカの金利引き上げのせいです。アメリカの財務長官のベッセントさんは、日本が円安の行き過ぎをとめるために為替介入をするのは結構だと為替介入にも容認姿勢です。
その上に、日本経済は強く、インフレ気味でもあるから、今後金利を引き上げることも考えられ、その場合は円高になるだろうと、日本の進む方向を示唆するような発言もしています。
大変率直で結構ですが、これは多分、日本にはこれから金利引き上げをきちんとやって円高に持っていくようにしてほしいという要請と受け取るのが妥当なのでしょう。
では、そうした要請に日本はどう対応するかです。日本としては、日本経済の合理的で健全な進路を見定めながら、その範囲内で、金利の正常化(引き上げ)、円高の実現を適時、適切な範囲で進め、アメリカに貸しを作るぐらいの対応をすべきでしょう。
どこまでの円高が容認の範囲かという事は、その時点での判断によるでしょうが、上のグラフから見れば110円でも日本は頑張れるようです。
円高は輸入部門を潤し、物価を下げる効果がありますから、それを国民に解るように説明し、適切な対応策を取り、活用することが大事でしょう。
勿論、生産性を上げて、円高の負担の吸収を産業界に要請することも必要でしょう。その努力の成果は統計上では実質経済成長率に現れます。
勿論その先には1ドル=100円も視野に入り、戦争をしない安全な 国である「日本」の通貨が基軸通貨に最適,などという議論の可能性も出て来そうです。そろそろ日本も少し頑張ってみましょう。