tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカの将来を憂う

2018年07月24日 13時21分20秒 | 国際関係
アメリカの将来を憂う
  国連を含め、世界のより良い明日を目指して、かつてのアメリカ主導で作られた多くの組織を蔑ろにし、自らの思い込みだけに忠実に行動しているように見えるのが、現在のトランプさんのアメリカです。

 国連決議については、自分に都合のいいもの(北朝鮮制裁)は世界中に遵守を強制し、自分に都合悪いもの(エルサレム問題)は無視するといったことが罷り通るものでしょうか。
 国連組織の良心ともいうべきユネスコから脱退、GATT以来の歴史をもつWTOについては脱退や解体をほのめかすなど、その他パリ協定、TPPなどより良い明日へ向けての多国間協定の場は性に合わぬと二国間のディールに走るアメリカです。

 前回触れました強いドルを堅持するG20でのムニューシンさんの意見と、ドル安が貿易赤字削減に有利とするトランプさんのツイッターの食い違い、金融システムの正常化を目指すFRBの金利引き上げ政策にドル高につながり迷惑とツイートするトランプさん。

 プーチンさんとサシで会談し、ロシア疑惑などはなかったと2人の意見が一致しても、多くの状況証拠から一斉に問題視するアメリカのマスコミ、今後もこうした状況が続き、さらにエスカレートするようなことになれば、アメリカは一体どうなるのでしょうか、というより世界は一体どう行動すればいいのでしょうかという問題が、早晩深刻化する事になるのではないでしょうか。

 トランプさんは「2国間交渉に持ち込めば、アメリカの力で何とでもなる」とお考えかもしれませんが、「はいはい」と言う事を聞くのは日本ぐらいで、 日本の失敗の歴史をつぶさに見ている中国などは、礼儀正しくきっちり対抗するでしょう。

 もともと第二次大戦の戦勝国をリードして国連を組織したのも、ブレトンウッズ体制、GATT、IMF体制を主導したのもアメリカです。

 しかし覇権国としてカネを使い過ぎ、赤字国に転落し、 ブレトンウッズ体制のベースであった固定相場制を放擲、変動相場制にし、その後ドル切り下げ、マネー資本主義、金融工学で資金繰りをつけて来たものの、サブプライム・リーマンショックで挫折、今度は貿易戦争と古代に戻るようなことになってしまったという事でしょうか。

 さらに使っているメディアはツイッター、46時中、勝手に発信できますが、あんな短文で、他人の理解を得るのは 常人の表現力では不可能です。詰まる所は悪口雑言や脅しの類になって、互いに傷つけ合い、社会・世界の混乱の源を作るのではないでしょうか。

 アメリカが100%変わってしまったとは思っていませんが、何らかの形で、早くアメリカの良心を取り戻して世界に見せてほしいと思うばかりです。