tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「トランプ不況」の襲来:真夏の夜の夢?

2018年07月05日 14時34分43秒 | 経済
「トランプ不況」の襲来:真夏の夜の夢?
 トランプ大統領のアメリカが今やっていることは何でしょうか。恐らく北朝鮮の非核化が最重要の課題という事でしょう。

 当面のトランプさんとって最も必要なのは、11月の中間選挙で、圧倒的なトランプ支持を取り付けることでしょう。それには北朝鮮の非核化を確実のものにして、ノーベル平和賞候補などとはやされなければなりません。

 しかし、状況は決して順調ではありません。米朝トップ会談では金正恩さんの方が上手で、トランプさんは騙されたといった見方もあるようです。
 そんなことも意識したのでしょうか、トランプさんは、「私でなければ戦争になっていた」などと言っているようです。戦争にならなかっただけでも成功だというのでしょうか。

 改めてアメリカは北朝鮮に最大限の圧力をかける気でしょうか、そしてそれは可能でしょうか。
 アメリカが世界の十分な支持を得ていればそれも可能かもしれませんが、最大限の圧力を無条件で支持しているのは日本と、他には・・・・・。

 北朝鮮以外の問題では、アメリカは世界の反発を買っています。もともと「アメリカ・ファースト」ですから、他国に迷惑をかけることは前提なのでしょう。今日時点で焦眉の問題は関税引き上げ合戦の貿易戦争でしょうか。
 その後には決定的ともいえそうなWTO脱退論議が控えています。

 もともとトランプさんの経済政策は 矛盾だらけで、これまでのアメリカ中心に組み上げられてきた「自由化を進めることが世界経済の発展に貢献する」という思想から、「当面のアメリカの損得を中心に考える」という超近視眼的損得勘定に堕して、「それは少し長い目で見ればアメリカにとって大きな損ですよ」と言っても、「今損しているのは我慢できない」という事のようです。

 北朝鮮問題で成功すればすべて巧く行くと思っているのかもしれませんが、経済合理性を欠いた政策は、次第にアメリカの経済力を弱めるでしょう。それは急速に進む可能性すらあります。関税引き上げ合戦は当然世界経済にとっても大きな混乱要因で、トランプさんの言う「ポジティブ」ではなく「ネガティブ」な影響を齎す事になるでしょう。

 株式市場などはすでに先読みをして、至る所で結構な下げを演じています。
将来、「あの時はトランプさんの登場で、世界経済が混乱して酷かった」「あれはまさにトランプ不況だったよ」など言われることのないように願いたいものです。