tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人口減少と日本経済、視点を変えよう

2018年07月25日 15時07分50秒 | 経済
人口減少と日本経済、視点を変えよう
 これから日本の人口は減少していく。人口減少が続く国の経済は低迷するもの、当然これからもの日本経済は、人口減少に制約されて成長は難しくなるというのが多くの専門家の解説です。
 
 人口減少の予測(社会保障・人口問題研究所)を見ますと日本の人口は現在(2015年)の1.27億人から50年後の2065年には、0.88億人(69%)になってしまう(中位推計)という事で、「3割も人口が減るのに、経済成長しろといったって無理だよ」というようなことになるのでしょう。

 しかし、そんなことは全くないのです。大体豊かさというものは一人当たりの問題で、ヨーロッパの主要国は人口は大体何千万人といった規模ですが、日本より豊かで、社会保障も行き届いた国は沢山あります。

 地球は有限です。国土を拡大しなけれ、ばとか人口が増えなければ、というのは「量」の時代の考え方で、今は「質」の時代なのです。
 それによく考えてみれば、50年間に人口が3割減るというのは平均的には1年に人口が、0.993%になる、つまり0.007%減るだけということです。

 日本経済は、政府経済見通しによれば今年度1.8%の実質経済成長ですが、人口が減ると1人当たりではその分豊かさが増えるという事にもなります。
 いまの日本経済は、将来不安による消費不振で毎年低成長に甘んじていますが、日本経済の将来見通しが明るくなれば、2~3%の成長は十分可能でしょう。
 人口減少を越えて、プラスの経済成長を達成するのが当たり前にもなれるでしょう。

 人口減少、少子高齢化、社会保障負担増で先行き真っ暗というのが政府の見方のようで、だから『1億層活躍プラン』だといっているようですが、政府がそんなことを言わなくても、日本人は精一杯活躍しています。

高齢者の就業率は先進国の中では抜群に高いですし、すでに人口は2010年をピークに減りはじめ、高齢化はますます深刻と言われますが、「労働力調査」で見ますと、労働力人口は、2010年の6298万人から2017年には6530万人に232万人、3.7%も増加しています。

 経済活動が活発になり、元気な高齢者が増えれば、労働力率の高まりで、人口減少の就業人口への影響は、より軽減されるでしょう。
 要は高齢者を含めて、人々がより豊かで快適な生活を、好みのワークライフ・バランスの中で楽しめればよいわけで、そのためには、その時点、時点のGDPの国民の将来不安を消し去るような配分が実現されればいいのです。日本は世界でも豊かな国ですからそれは可能でしょう。

 残念ながら、この所はどうやら格差社会化が進みつつあることで、また、高齢化の中で財政は大幅赤字のまま、増税は選挙にマイナスと放置、財政政策が取れないので金融政策任せで、何時まで続くゼロ金利、これでは折角の貯金もゼロ金利で生きてきません。

 インフラの劣化、自然災害の増加のなかで、何故かギャンブル産業重視、国民には副業、兼業、二重就業で稼げというのでは、国民の将来不安は消えません。

 折角の経済成長、豊かさの増加を、より多くの国民が望むように配分することで、将来不安の払拭が出来れば、日本経済も日本社会ももっと良くなるはずです。人心も明るく前向きになるでしょう。政府への信頼も上がりましょう。
 今は何か迷路にはまり込んでいるように思います。