tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

異常な豪雨は、今後常態化する様相

2018年07月10日 11時28分24秒 | 環境
異常な豪雨は、今後常態化する様相
 西日本大水害には、お見舞いの気持ちを表す言葉もありません。月並みですが、心からのお見舞いとお悔やみを申し上げます。

 世界中で、豪雨、異常旱魃など、異常気象が激しくなっているようですが、世界が協力して対応策を考えようというパリ協定から、世界のリーダー、覇権国であるアメリカが離脱すなど、国際関係も異常になっています。世界も日本も問題ばかりです。

 極東のモンスーン地帯に位置し、美しい四季を愛でてきた日本ですが、この所、自然は必ずしも優しくなくなってきています。
 例えて言えば、主要都市の下水道は1時間50㎜迄の雨を想定しているとのことですが、最近では1時間100㎜という気象庁の発表を頻繁に聞くようになった気がしています。

 「台風直撃ではないので、まさかこんなことになるとは予想していなかった」という被災の方の言葉がありましたが、線状降水帯などという聞き馴れない言葉が解説され、同じ所に長時間豪雨が続く状態が多くなったようです。
 河川、橋梁から、道路、鉄道、さらには住宅地の配置まで、従来の常識では対応できないような現実を見せつけられるのが現実です。

 南海トラフなどに関わる地震の問題はつとに取り上げられていますが、いつ来るか解らない地震と違い、豪雨の問題は毎年起きている様な気がします。

 恐らく、従来の常識の範囲を超える総合的社会インフラの整備が既に必要になっているのはないでしょうか。
 早急な整備が必要とされる強固な社会インフラが、現実にはなかなか進まず、災害の激化につながる面もあるのでしょう。

 確か安倍政権は以前、インフラの本格整備を政策の軸の一つに挙げていたと記憶します。しかし、現実は、財政赤字の累積で、財政のプライマリー・バランス回復の公約も遅れに遅れ、2025年の回復もこんなという試算が出ています。
 高齢化対策、子育て政策に追われて、インフラ迄はカネが回らないのでしょうか。

 国会は、安倍総理が「李下に冠を正した」ことからその言い訳に1年以上を費やし、インフラ整備などの本格論議は聞かれません。
 災害地見舞いも大事ですが、政府にはインフラ整備で災害に先手を打つ役割が要請されているのではないでしょうか。

 気候変動の影響に関わる本格的なインフラ整備には巨額なカネがかかるでしょう。政府は本気になって、国民と話し合い、日本経済と財政構造、インフラ整備のコスト負担をどうするかといった問題にも確り取り組んでいなければならなかったのです。

 新たな国土造りの必要は焦眉の問題ではないでしょうか。アベノミクスは何か変な方向に迷い込んでしまっているような気がしています。