tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

窮鼠・北朝鮮の選択は?

2017年08月30日 09時49分59秒 | 国際関係
窮鼠・北朝鮮の選択は?
 北朝鮮が、また、弾道ミサイルを発射しました。
 北朝鮮がどの程度デスパレートになっていのか解りませんが、アメリカ主導で、日本も安全保障理事会の大勢も、一層の圧力強化に走るのでしょう。

 太平洋戦争突入前、日本も同じ経験をしています。当時の列強の圧力に抗して国際連盟を脱退。そして行き着く先は、自身の戦闘能力を過信した太平洋戦争突入でした。
 今考えてみれば、世界のパワーバランスについての情報も理解も全く不足していたという事でしょう。
 
 しかし今は、「核戦力の行使の結末」は、誰にも予測出る「核抑止力」の時代です。そのうえ、情報は国境を越えて、瞬時に世界中に行き渡る情報化時代です。
 北朝鮮もそれなりのIT技術は持っているでしょう。嘗ての自己の戦力を過信した日本とは違った時代に住んでします。

 それだけに、今の北朝鮮の方が、当時の日本より、よほど抑制的なのかもしれません。国連は脱退しませんし、ミサイルの打ち方も、それなりに考えているように見えます。

 3000キロ以上の高度に打ち上げて、日本海に落下させる「ロフテッド軌道」なども、日本の排他的経済水域を考慮、「寸止め」を少しづつ進めて脅すという事でしょうか。

 今回は、その一線を越えて、日本上空を通過させる軌道を取りましたが、地図上の見方にもよりますが、北海道と本州の間をすり抜け、何かがあっても、出来るだけ地上にかからないルートを選んだという事ではないでしょうか。

 これからも圧力強化が進むだけ、北朝鮮の反応は、過激なものになりそうです。かつて日本は、圧力一辺倒に耐えかね、最終的に暴発した経験を持ちます。その日本人として、どう考えるべきなのでしょうか。

 勿論北朝鮮の真意は解りません。国営放送は戦前の日本のNHKよりも激越と思われるような口調ですが、これも、かつての日本と同じ国民意識の鼓舞のためで、本当の所はそれなりの分別(戦えば破滅の認識)を持っているのかもしれません。

 こうした事態への対応の仕方では、「相手の暴発も視野に入れながら、相手が膝を屈するまで圧力をかける」という方法と、「相手の暴発の抑止を主眼に硬軟両様の対応を使いわける」の2つがあるのでしょう。

 アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本・・・、それぞれに思惑を持っての圧力強化でしょうが、なんといっても、人類の今日の知恵が、思わざる惨禍を齎すことのないように発揮されることを願うばかりです。