tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2017年4~6月GDP順調な伸び

2017年08月14日 14時56分33秒 | 経済
2017年4~6月GDP順調な伸び
 政治の混乱や、また最近は国際情勢も不安定なことで、先行きは予断を許しませんが、実体経済に影響するような不測の事態が起こらないことを切に希望しています。

 といいますのも。この所日本経済はようやく、何とか身支度を整えて、少しづつ安定成長の方向に向けて動き始めていると思えるからです。
 この動きを我が国の政治家や、わざわざ事を起こしたいと思っているのではないと勘繰りたくなるような国際情勢のプレーヤー達が、邪魔しないことを願います。

 今日、内閣府からこの4~6月のGDPの速報値が発表になりました。マスコミは「4~6月の実質GDP 、前期比年率4.0%の成長」と報じていますが、これは前1~3月期に比べて1.0%の伸びが1年間(4四半期)続いたと仮定した、いわゆる瞬間風速です。

 いつもこのブログで見ていますように前の年の4~6月期に比べてどのぐらい伸びたかという数字、対前年同期比でみると、実質成長率は2.0%です。

 昨年の4~6月期から順に四半期の実質GDPの対前年同期比成長率を追ってみますと、
2016年4~6月期0.9%から順に、1.1%、1.7%、1.5%、2.0%という事で、トレンドとして実質成長率は高まる傾向が窺えます。

 特に今回特筆すべきは実質家計消費の増加がみられることで、先ほどの四半期の実質成長率に対応する実質の家計最終消費支出の対前年同期の伸びを見ますと、
2016年4~6月期 0.3%から順に0.3%、0.9%、1.0%、1.8%という事で、今年の4~6月期の対前年同期比は実質1.8%の伸びという、このところないような高さです。

 家計調査の平均消費性向などから見ても、何となく消費が伸び悩みから多少の積極性に転じて来たかのような兆しを感じていましたが、何か、これまでの異常な節約指向から、何とか脱出してきそうな感じが見られます。

 民間住宅も一部、バブルの余波もあるのでしょうか対前年同期比実質5.6%の伸び、民間企業設備も、実質5.8%の伸びと順調で、内需中心の成長といった様相です。

 支えているのは堅調な労働需給、正規労働を望みながら非正規に甘んじる、いわゆる不本意非正規も漸減の動きも見られる中で、最も遅れていた個人消費の回復の動きが出てきたとすれば、日本経済の安定成長への可能性は大きくなるはずです。

 民間企業の粘り強い頑張りの中で、そうした気配が見えるだけに、経済外的条件が経済の足を引っ張らないように、切に願うところです。