tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済の現状は堅調推移

2017年08月08日 10時58分27秒 | 経済
日本経済の現状は堅調推移
 政治の混乱は相変わらずの状況ですが、有難いことに日本経済は何とか堅調を維持しているようです。
 昨日、内閣府から「景気動向指数」(7月調査、6月現在)が発表され、前月には同じ6月現在の日銀「短期経済観測」が発表されています。
 そしてどちらで見ても、このところの日本経済の動きは比較的堅調のようです。

 昨日内閣府発表の「景気動向指数」では、景気の先行きのヒントになる先行指数は106.3で、前月比1.6上昇、現状を示す一致指数は117.2で前月比1.4の上昇、実績を確かめる形の遅行指標は118.1で前月比1.7の上昇となっています。
 先行指数と一致指数は11か月連続の上昇、遅行指数は7か月連続の上昇という事になっています。

 この所、為替の変動もあまり大きくなく、企業の財務体質も落ち着き、生産体制についての方針や計画などにも積極的な機運が出てきている様子がうかがえます。

 ただ、中身を見てみますと、鉱工業用生産財の出荷、耐久消費財の出荷などの寄与が大きくて、卸売業販売額は多少のマイナス寄与、小売業販売額は寄与ゼロで、生産は堅調ですが、消費の方は未だ盛り上がりを見せず、その分輸出が増えて貿易収支が改善といった状況でしょうか。

 日銀の「短観」でも、これは四半期調査ですが、6月のDI(良いとの回答の%から悪いの回答の%を引いたもの)は、大企業で、製造業で17、非製造業で、23と、「良い」の回答がこのところずっと多数で、全産業全規模でも12で、3月時点よりも良いの方が差し引き2ポイントの増加と堅調です。

 景気動向指数では卸・小売部門が低調、「短観」では非製造業が好調なのは、サービス業が入るか入らないかの違いでしょう。

 見えてくるのは、この所の景気の堅調は、最近日本の得意とする素材・生産財関係や、いわゆる「車載」関連の生産・出荷が景気の柱になっているらしいという事、サービス業は堅調の所も多いようですが、モノの販売の方は、相変わらず不振という日本経済の姿ではないでしょうか。

 改造内閣の「経済中心」が問われる問題は、矢張り消費不振への対策という事になるようです。