tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ドイツでも極右が台頭か

2017年08月28日 22時11分19秒 | 政治
ドイツでも極右が台頭か
 トランプさんのアメリカ・ファーストは、どうもそのまま突っ走ることは難しくなったように思いますが、こうした自国中心の動きはあちこちで起きているようです。

 小池都知事の「都民ファーストは」、議会や行政に「勝手な振る舞いはやめて都民の事をまず第一に考えましょう」という「ファースト」ですからこれは、民主主義の在り方から言えば、当り前のことですが、「アメリカ・ファースト」は「自国優先」という事ですから地球全体の事より「アメリカ・ファースト」という事で、意味合いは大分違います。

 とくに、今、こうした「自国ファースト」の動きは一つの流行になっているのでしょうか。「 分裂の原理、統合の原理」でも書きましたが戦後ほぼ一貫して統合の方向に動いてきた地球社会が、アメリカの動きに触発された面も無いではないかもしれませんが、この所分裂の方向への動きが、あちこちで見られます。

 地域統合の最も進んだ例とも考えられるEUにおいても、イギリスの離脱、フランスのルペン氏の大統領選出馬、そして最近良く報道される「ドイツのためのもう一つの選択(AfD)」の台頭です。

 考えてみれば、こうしたうごきの背景には、大きく2つの要因が考えられます。1つは、経済問題、そしてもう一つは移民・難民の問題です。

 今回取り上げたドイツの「ドイツのためのもう一つの選択(AfD)の場合も、結成はドイツがギリシャの経済危機を救済した時という事です。多分「まじめに働かずに贅沢しているギリシャを何でドイツが助けなければならないのか」という事なのでしょう。

 アメリカが「メキシコやカナダのために損している」というトランプの発想と同系統のものです。アメリカは覇権国、基軸通貨国、ドイツは今やEUの盟主でEU最高の経済力を持っています。

 実は、アメリカは基軸通貨国のために、万年赤字を垂れ流しても、やっていける面を持ち、ドイツはユーロの中にギリシャなどを抱えるからマルク高で困ることはない、といった面もあるのですが、その辺りには気が付いていないでの主張が基本の動きでしょう。
 こちらの方は、感情論を排し、合理的に考えれば、結論は出る問題のように思います。

 もう1つの面は、移民・難民の問題です。これは、世界の中には、国として十分ガバナンスを維持できない国があり、そうしたガバナンス確立が必要な国に、ガバナンスを持たせるための方法がないことからくるものです。

 本来なら、国連が上部組織ですから、安保理などで、そうした問題にしっかりと取り組み、地球市民の安定した生活を実現する方法を考えるべきでしょうが、未だ超大国も含め地球市民はそこまで進歩していません。
 それどころか、内戦の片方に加担し、紛争の激化をもたらす始末です。

 これは地球市民が、国連という地球市民のための組織を使って、いつかは実現しなければならない問題ですが、現状では全く望み薄です。

 誰でも、故国が平和で、経済発展していれば、故国で暮らしたいと思うのが人情でしょう。だからこそ、気の毒な移民・難民を保護するという国連の活動が必要なのですが、まさに冗談で言われるような「中国で内紛が起き、日本に難民が1億人ぐらい来たらどうする?」といった問題には、答えを出すことは困難でしょう。

 基本は国のガバナンスをいかなる形で確保するかで、これが「自国ファースト」に陥らない、共生・共存により進歩を目指す「統合の論理」の進捗に必須の重要課題なのでしょう。