tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

第三次改造内閣は経済中心?

2017年08月05日 20時45分35秒 | 経済
第三次改造内閣は経済中心?
 内閣支持率が30%台に落ちた前内閣に代わって、今回の改造改革は、安定感を高める布陣だと言われているようです。

 安倍総理は、まず優先すべきは経済の立て直しといったようですが、その割には閣僚の中に「経済優先」をけん引するような強力な顔ぶれが見えないような気がします。
 しかし顔ぶれはそれぞれに経験豊富な人たちのようにお見受けしますから、知恵者が出てきて、色褪せたアベノミクスを新鮮な色に塗り替えてくれることを望むところです。

 経済最優先は、国民にとってもありがたいことですが、安倍総理の発言の中でやはり気になることが1つあります。
 それは「デフレ脱出を目指す」という言葉がいつも入っていることです。実は日本経済はもうデフレではないのです。経済への基本認識が誤っていては政策効果も期待できません。

 今の世界経済の中では、デフレになるのは、自国の物価水準が外国より高い場合です。現状の日本経済では円レート110円がらみでは、日本の物価は、諸外国に比べて高くありません。日本への買い物旅行、爆買いも起こります。

 こうした国際経済の中では、一国だけがインフレを起こそうとしても、それは不可能で無駄な事です。日本より伝統的にずっとインフレの起きやすいアメリカですら、2%インフレは容易ではないのです。 
 金融を緩めればインフレが起きるなどは今は通用しない経済政策で、起きるのは部分的なバブル現象といった歪んだ副作用ぐらいでしょう。

 実は、安倍総理は2016年8月の時も、当時の再改造内閣の発足にあたり、経済最優先、政府・日銀一体となってデフレ脱却に取り組むと、全く同じこといています。
 しかしその後一年たってどうなったかといいますと、アベノミクスは次第に色あせ、経済回復は、日銀の異次元金融緩和頼りの様相です。

 しかし日銀のインフレ目標2%は先延ばし、経済成長率の改善は見られず、相変わらず消費は伸びず、一方で金融緩和の行き過ぎによる副作用、株価維持や、マンション価格高騰などといったバブル現象が見られるなどの意見が聞かれます。

 経済最優先といくら繰り返しても、実体経済には、捗々しい動きはほとんど見られないのが現状です。
 このブログでは、その中でも、時に統計数字の中で読み取れる、 経済健全性の動きをその都度取り上げ(直近のもの7/28)、経済活性化へのヒントを提供しているつもりですが、現実は一進一退です。

 経済不振の主要な原因は民間消費の不振であることは明らかですが、アベノミクスのではその原因が奈辺にあるかは、ほとんど見落とされているようです。
 今回の第三次改造内閣が、 問題の本質に的確に気付き、何とか真面目で勤勉に働く日本人がその結果を享受できるような政策をとって欲しいと思います。まさか第三次が大惨事にはならないと思いますが、安倍内閣支持率急降下の後です、的確な舵取りを願いしたいと思います。