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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

借入額の増減により,利息制限法第1条第1項所定の区分が変更となった場合の制限利率

2010-04-22 02:19:30 | 消費者問題
平成22年4月20日最高裁第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80121&hanreiKbn=01


「継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合には,各借入れの時点における従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項にいう「元本」の額に当たると解するのが相当であり,同契約における利息の約定は,その利息が上記の「元本」の額に応じて定まる同項所定の制限を超えるときは,その超過部分が無効となる。この場合,従前の借入金残元本の額は,有効に存在する利息の約定を前提に算定すべきことは明らかであって,弁済金のうち制限超過部分があるときは,これを上記基本契約に基づく借入金債務の元本に充当して計算することになる。
 そして,上記取引の過程で,ある借入れがされたことによって従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項所定の各区分における上限額を超えることになったとき,すなわち,上記の合計額が10万円未満から10万円以上に,あるいは100万円未満から100万円以上に増加したときは,上記取引に適用される制限利率が変更され,新たな制限を超える利息の約定が無効となるが,ある借入れの時点で上記の合計額が同項所定の各区分における下限額を下回るに至ったとしても,いったん無効となった利息の約定が有効になることはなく,上記取引に適用される制限利率が変更されることはない。」
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弁護士の安直面談が横行

2010-04-21 19:42:37 | 消費者問題
讀賣新聞記事
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100421-OYO1T00465.htm?from=top

 面談代理の「協力弁護士募集」の手紙や空港面談の話は,評判になっていたので,ご存じの方も多いと思われる。そこまでやりますか,であるが。

cf. 平成22年3月13日付「日弁連『債務整理事件処理に関する指針』」

○ 直接かつ個別の面談の原則
 債務整理事件を受任するに際しては、次に掲げる場合等特段の事情のある場合を除き、当該事件処理を受任する弁護士(以下「受任弁護士」という。)が委任者である債務者(以下「債務者」という。)と直接かつ個別に面談を行い、債務の内容、生活状況等を丹念に聴き取り、債務者の現状を十分に把握した上で事件処理についての見通し、方針等を説明し、事件処理を予定しない弁護士に債務者の依頼意思確認だけのための面談等をさせたり、同時に多数の債務者に対する説明会を行ったりしないものとすること。
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本人に無断で理事就任の登記をした事件

2010-04-21 19:18:58 | 法人制度
毎日新聞記事(4月16日)
http://mainichi.jp/area/saga/news/20100416ddlk41040473000c.html

産経新聞記事(3月24日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100324-00000044-san-soci

 いささか旧聞に属するが,「財団法人黒澤明文化振興財団」が本人らに無断で,ジョージ・ルーカス,スティーブン・スピルバーグ及びマーティン・スコセッシの3氏が理事に就任した旨の登記をしていたそうだ。

 さて,どうなるのか?

 就任承諾がないということであれば,理事の就任の登記は,登記事項無効により抹消すべきということになる。

 同財団法人の定款によれば,理事の員数は,「7人以上12人以内」(第16条第1項)であるが,現任の理事数は3名(上記3名は,当然除かれている。)ということである。これは,定款所定の員数を満たしていない状態である。

 したがって,抹消の登記と同時に,辞任又は任期満了による退任の登記がされた「前理事」の登記の抹消回復をする必要がある。彼らは,定款第19条第2項の規定により「任期が伸長されている」からである。

 よって,5月に開催される理事会には,それまでに評議員会(この財団法人は,評議員会の招集については,理事長の権限で行うことが可能である。)が新理事を選任していないのであれば,「前理事」たちにも招集の手続をとらねばならない。この場合,特例財団法人の「理事会」であり,法定の機関ではないから,招集の手続に関する定款第25条第3項に違反するに過ぎないわけであるが,法的に瑕疵があることになる。

cf. 財団法人黒澤明文化振興財団寄附行為
http://www.kurosawa-foundation.com/dotation_rule.html

 おそらく,任期満了による改選の時期に,総数7名を確保しなければならないにもかかわらず,後任者が見つからなかった(大物映画監督が理事に名前を連ねていると見せかけて,対外的信用の増進を図ろうとする目的もあったものと思われる。)ことからの,苦肉の策であったのだろう。

 こういう事件があると,取締役,理事等の役員の就任の登記の際には,印鑑証明書の添付を義務付ける動きが起きるかもしれない。就任承諾書について,議事録の記載の援用が認められている取扱いも,否定されることになるかもしれない。法律上第三者責任を負うべき役員の就任承諾に関しては,もっと慎重に取り扱うべきであろう。現行法においては,代表権を有する者に限られている「住所」の登記も,役員一般に拡大すべきではないだろうか。
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「知って安心法律知識」

2010-04-21 12:55:31 | 司法書士(改正不動産登記法等)
日本司法書士会連合会編「知って安心法律知識」(大蔵財務協会)
http://www.zaikyo.or.jp/bookshop/products/product/584

 出ました,ということで。
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英会話学校ジオスが破産手続開始の申立て

2010-04-21 12:11:38 | 会社法(改正商法等)
 英会話学校ジオスが破産手続開始の申立てを行った。
http://www.geos.co.jp/news/20100421_release.pdf

 事業譲受会社が承継する校舎については,「未消化受講料分の授業等を,従前どおり受けることができます。ただし,受講料等のご返還に応じることができませんので,「返還請求権放棄」書面にご同意いただく必要があります」とあるが,消費者契約としては,いかがなものか。受講者が今後受講した回数に応じて,その都度,受講者が返還請求権を逐次放棄する(返還債務を免除する)という法律構成にすべきであろう。

 なお,株式会社ジオスの発行済株式の総数は,「4159.64株」である。珍しいケース。

 端株を生じた会社から「発行済株式の総数」として小数点以下第2位までの数の記載がある変更登記が申請された場合,これを受理して差し支えない旨の取扱い(昭和57年7月20日付け法務省民四第4455 号民事局長通達)によるものである。
cf. 平成13年9月12日付け法務省民商第2185号民事局長通達
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未公開株や社債の勧誘を巡る消費者トラブル

2010-04-21 07:48:47 | 会社法(改正商法等)
 未公開株や社債の勧誘を巡る消費者トラブルが増加している。

 詐欺的商法の会社は,自社株式や自社債を販売(?)し,金融商品販売法の規制外,特定商取引法の規制外と考えているようである。


cf. 未公開株等投資詐欺被害対策について(提言)平成22年4月9日 bby 消費者委員会
http://www.cao.go.jp/consumer/kouhyou/2010/100409_teigen.pdf

未公開株・社債の勧誘にご注意! by 消費者庁
http://www.caa.go.jp/adjustments/index_3.html

投資商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等 by 金融庁
http://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/advice03.html
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事業仕分け第2弾対象リストが公表

2010-04-20 22:15:33 | 消費者問題
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100420-OYT1T01237.htm?from=main4

 国民生活センターも対象。どういう仕分けの方向であろうか。

cf.対象リスト
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100420-OYT1T01274.htm
 
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国民生活センターの新理事長決まる

2010-04-20 13:56:57 | 消費者問題
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/politics/update/0420/TKY201004200175.html

 空席となっていた国民生活センターの新理事長に,弁護士の野々山宏先生(京都弁護士会)が就任するとのこと。本日の閣議で決定され,発令されたそうだ。

 適任者ですが,びっくり人事ですね。
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消費者委員会食品表示部会

2010-04-19 09:48:55 | 消費者問題
 本日の日経朝刊17面「法務インサイド」に,「『表示』議論開始、消費者視点で」がある。食品の表示に関して,消費者委員会の食品表示部会で審議が始まっており,その概要を示すものである。

cf. 第1回 食品表示部会 (平成22年3月23日)
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/100323/shiryou.html

 加工食品の原料原産地表示についての企業側の意見として,「原産地が分かれば本当に安全が担保できるのか。加工品の原料や原産地をすべて開示することが技術的に可能なのか。多大なコストをかけて調査することが消費者のためになるのか」というものがあるが,難しい問題である。
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国際会計基準と中小企業

2010-04-18 20:51:10 | 会社法(改正商法等)
 本日の日経朝刊3面によれば,経済産業省下の研究会「企業財務委員会」が,2015年にも強制適用される見通しの国際会計基準(IFRS)に関する中間報告書をとりまとめたそうだ。IFRSの導入を上場企業の連結会計に限定し,単体会計や非上場企業への適用除外を求めるもの。

 中間報告書の内容は,概ね次のようなものであろう。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004637/index02.html
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都をどり

2010-04-18 19:23:37 | 私の京都
 昨日,都をどりを鑑賞。27年も京都で暮らしながら,恥ずかしながら初めてでしたが,なかなかよいものでした。

 都をどりは,毎年4月1日~30日にかけて祇園甲部歌舞練場で開催される「祇園甲部」の舞踊公演。

cf. Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E3%82%92%E3%81%A9%E3%82%8A

公式ウェブサイト
http://www.miyako-odori.jp/

 最近流行の小説の1つに,伊集院静「志賀越みち」(光文社)があり,ストーリー自体は他愛もないものであるが,祇園ガイドブックとしてはなかなかお薦め。この本を読んだので,都をどりを観てみようと思った次第。

 ちなみに,志賀越みちとは,京都の七口の1つである「荒神口(こうじんぐち)」を起点にして北東方向に,現在の京都大学の敷地内を抜け,比叡山の南麓を超えて,琵琶湖方面(滋賀県大津市)に通ずる旧街道であり,私にとっては,非常に思い入れのあるエリアです。
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法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム

2010-04-18 11:19:04 | いろいろ
法曹養成制度に関する検討ワーキングチームが設置されている。
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03400004.html

 司法書士にも影響が及ぶ可能性は大であるから,行方を注視すべきである。
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一人会社における取締役の対会社責任の免除

2010-04-17 08:58:40 | 会社法(改正商法等)
 ビジネス法務2010年5月号に,「重要判例にみる最新解釈会社法第10回」があり,「一人会社における取締役の対会社責任の免除が問われた豊島園事件」(東京地裁平成20年7月18日判決)が紹介されている。

 いわゆる一人会社において,株主=取締役である場合に,取締役の会社に対する責任が問題となった事案で,当該取締役が「一人株主である代表取締役と会社との間には利害対立関係がないから善管注意義務違反の問題は生じない」と主張したのに対し,東京地裁は,株主と取締役は,別個の法人格を有するものであり,総株主の同意がある場合でなければ当該責任を免除することができず,また免除については明示の意思表示を要する,と判断したものである。ただし,控訴されているようだ。

 上記判決は,下記の法律事務所ブログでも紹介されている。

cf. あすか法律情報
http://www.aska-law.jp/blog/index.php?UID=1262230017

Clair Law firm ニュースレター
http://fa-magazine.at.webry.info/200906/article_5.html


 合法的に責任免除が成立していたら・・・逆に,法人格の否認の法理を用いて,取締役の責任を認める手法を採るのであろうか。
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「組織再編契約に関する実務の動向と諸問題」

2010-04-17 01:34:27 | 会社法(改正商法等)
 旬刊商事法務2010年3月15日号に,弁護士小松岳志「組織再編契約に関する実務の動向と諸問題」が掲載されており,

 ① 組織再編対価の割当ての対象となる株主の特定の方法
 ② 資本金及び準備金の計上に関する事項

について,分析が加えられている。登記実務上も参考になるところであり,一読の要あり。

 小松弁護士は,前法務省民事局付であり,現行の会社計算規則に精通。
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株主に無償で割り当てられた上場新株予約権の行使により交付される端数金等の税務上の取扱いについて

2010-04-16 18:21:48 | 会社法(改正商法等)
株主に無償で割り当てられた上場新株予約権の行使により交付される端数金等の税務上の取扱いについて by 国税庁
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/shotoku/100331/index.htm

 平成21年12月30日以降,新株予約権1個の目的である株式が上場株式1株未満である新株予約権の上場が可能となったため,新株予約権の行使の個数によっては,取得する上場株式の株数に1株に満たない端数(以下「端数株式」という。)が生じることとなり,会社法第235条《新株予約権の内容》第1項第9号の規定によりこの端数株式を切り捨てることを新株予約権の内容としない場合には,この端数株式について,当該新株予約権の目的である上場株式の発行会社は,会社法第283条《一に満たない端数の処理》の規定により,当該新株予約権の行使の日における当該上場株式の市場における最終の価格に端数を乗じて得た金銭(以下「端数金」という。)を新株予約権を行使した者に交付しなければならないとされたことから生ずる税務上の取扱いに関する文書回答事例である。
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