司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

予防司法を考えるシンポジウム顛末記

2004-09-27 01:01:48 | いろいろ
 9月25日(土)13:00~17:10、東京弁護士会館にて開催されたシンポジウム「21世紀の公証人制度を考える」に参加した。参加者は115名(主催関係者を含む。)。日本公証人連合会からもパネラー2名ほか多数参加されており、両方の立場から激論が交わされた。日公連からの「弁明」は、鋭い刃を突きつけられてのかなり無理筋という感じであった。

 9月26日(日)13:00~16:40、京都アバンティホールにて「予防司法を考えるシンポジウム」を開催した。参加者は99名(主催関係者を含む。)。公証人会からの参加はなく、東京に比較すると穏やかなシンポジウムであり、会場からの発言も含め、実のある議論がなされた。

 ドイツ公証人が証書作成法第17条に基づき負う教示義務は、

①本人確認をすること。
②当事者の意思を探求すること。
③事実関係を解明すること。
④法的射程を教示すること。
⑤証書を明瞭に作成すること。

であるが、これらはすべからく法律関係職能が明文の規定はなくても職務内在的に負っている義務というべきであり、司法書士ももちろんそうである。私も日常履践しているつもりではあったが、明確に定義付けできたという意味で、非常に意義深いシンポジウムとなった。

 パネラーの今瞭美弁護士の「法律家は自分が無知であることを知るべきである。そして、依頼者に分かりやすい言葉で話すべきだ。」旨の発言、また、公証人トーマス・ミルデ氏が最後に語られた「法律家は誠実であるべきだ。」との発言は、いずれも実感のこもった重みのある言葉であった。

 基本中の基本である①の本人確認については、実は裁判所及び弁護士がもっとも甘く、両シンポ参加の弁護士ですら、ほとんど履践していないのが実状である。いわんや一般の弁護士をや、である。本人確認は、なりすまし防止の「いろはのい」であるから、ぜひとも実践していただくように切に要望したい。

 最後に、公証人トーマス・ミルデ氏夫妻、小田司日本大学法学部助教授、河野聡弁護士、今瞭美弁護士、小寺敬二司法書士を始め、東京のみならず京都までお付き合いいただいた日弁連消費者問題対策委員会の先生方等、関係者各位に厚く御礼申し上げたい。ありがとうございました。
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