司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

合同会社の社員の同意等

2011-07-29 13:45:17 | 会社法(改正商法等)
 持分会社において社員の同意が必要な場合に、社員が法人であるときの同意書に記名押印をする者は、代表者 or 職務執行者のいずれであるか?

 たとえば、業務執行社員の選任は、定款の別段の定め(会社法第590条第1項)が必要であり、定款の変更は、原則として総社員の同意が必要である(会社法第637条)。この場合の同意の意思表示は、社員の資格に基づくものであるから、同意書は、社員の代表者が作成(記名押印)しなければならない。
 しかし、代表社員の選定を定款の定めに基づく社員の互選(会社法第599条第3項)によって行う場合、業務執行社員の互選によるのであり、業務執行社員の資格に基づく行為であるから、選定を証する書面には、法人の代表者ではなく、職務執行者が記名押印する必要がある。

 また、解散を総社員の同意(会社法第641条第3号)により決定する場合、同意書は、上記と同様に、法人の代表者が作成(記名押印)しなければならない。
 しかし、清算人の選任を社員の過半数の同意(会社法第647条第1項第3号)によって行う場合、同号かっこ書により、業務を執行する社員の過半数の同意とされていることから、この場合の同意の意思表示は、業務執行社員の資格に基づく行為であり、同意書は、職務執行者が作成(記名押印)しなければならない。

 実務上重要な区別であるから、留意する必要がある。

cf. 平成19年11月1日「合同会社の社員の同意等」

 7月27日(水)に,東京司法書士会港支部研修会で「各種法人登記の概要」の講師を務めたが,終了後,「定款変更を,業務執行社員の同意で行う場合はどうか?」という質問をお受けした。

 定款の変更は,原則として総社員の同意が必要である(会社法第637条)が,定款の別段の定めにより,「業務執行社員の全員の同意」によると定めた場合,この場合の同意の意思表示は,社員の資格に基づくものではなく,業務執行社員の資格に基づくものであるから,同意書は,職務執行者が作成(記名押印)しなければならないということになる。
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4 コメント

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同じ人の場合 (みうら)
2011-07-29 20:21:06
どちらの資格で署名しても差し支えないものと考えますがいかがでしょうか。
御回答 (内藤卓)
2011-07-29 21:06:37
 「資格」は,「権限」の表象ですから,だめですね。
署名者の資格は問題ないらしいが (みうら)
2011-07-30 19:11:02
ある弁護士さんも問題ないといつているし、
清算人と社員が同一人である場合に、登記所は記載した資格を問題にしていない。
取締役社長とかでも通りますよね。
御回答 (内藤卓)
2011-07-31 12:08:58
 誤った資格を記載した書面を,たまたま登記所が海容したからといって,「問題にしていない」ということにはなりません。仮に,通用しているとすれば,おそらく,記事にした区別を看過しているからでしょう。「どちらの資格で署名しても差し支えない」ということにはなりませんよ。

 また,3万人を超える数の弁護士が存在するのに,「ある弁護士さんも問題ないといっている」なんて,何の根拠にもなりません。

 みうらさんらしくないコメントですね。

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