最近では日本学術会議との関係も取り沙汰されている中国の「千人計画」であるが、そもそも「千人計画」とはどのようなものなのだろうか。この件に関して作家で中国ウォッチャーとして活躍する石平氏が解説しているので、その内容を紹介する。
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[中国「千人計画」とは]
(1)2008年、中国共産党中央弁公庁が「海外高レベル人財導入計画」を発表、
「国家的発展目標」に基づいて「高レベル人材千人の導入」に号令をかけた。
(2)中国共産党中央組織部において専門機構が設置され、「千人計画」の実施を担当
中央統一戦線部・科学技術部・中国科学院・公安部・財政部などで協力体制を敷いた。
(3)中国共産党・科学技術部部門・秘密警察の三位一体で「計画」を実施
利益誘導・秘密工作で海外から人材の引き抜き工作を実施。
(4)計画実施から2018年3月までに7604名を引き抜いて導入した
既に「千人」のスケールは超えており、「万人計画」と呼ぶべきものとなっている。
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上記の(2)で喫驚するのは公安部が入っていること。人材を導入するだけなのに不思議である。
なぜ公安部が入ってくるのか?
ここは大きなポイントである。
公安部とはすなわち秘密警察…スパイである。
秘密警察の役割は、海外で彼らが目をつけた科学技術者などの高レベル人材にアプローチしたり
罠にかけたり、各種の利益誘導をするなどの活動だ。
以下は「千人計画」の概要であり、この内容は中国の共産党中央弁公庁が出した通達に記されているものである。
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[「千人計画」が導入する「高レベル人材」]
(1)海外の著名大学・科学技術研究機関で教授とそれに相当するポストの科学技術者・専門家
(2)国際著名企業で「高級職務」を担当する技術者
(3)自らが知的財産権や核心的技術を持っている技術者
(4)「先端頭脳狩り」を通して、世界全体から各分野の先端研究・核心技術を獲得
最小限のコストで最大限の知的財産権を手に入れる
(5)国家的「引き抜き」で世界の先端技術を盗み取る
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このような「千人計画」の発想は実はかなり昔からあったものである。「千人計画」の原型は1960年代の中国共産党政権が進めた「核兵器開発」にその発端がある。
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[中国の核兵器開発と3名の帰国科学者]
(1)1964年6月、中国は新疆地域にて初の原爆実験に成功
(2)1967年6月、中国は初の水爆実験に成功
(3)1966年12月、初の中距離弾道ミサイル(東風3号)の発射実験に成功
(4)こうした核兵器開発の現場で中心的な役割を果たしたのは、アメリカなど海外から導入した3名のトップクラスの科学頭脳である。
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上記の(1)にあるように、核実験は漢民族の居住地域ではなく、ウィグル人の居住地域で行っている。その後も全ての核実験は漢民族地域ではやらず少数民族の居住地域で行っている。
そして、核兵器が出来てもそれを運ぶミサイルの精度が高く無ければ使えないのだが、もちろんこの分野にも科学技術者を充当している。
(4)に記されたように、これらの開発には海外から高レベル技術者が招かれているのだが、特に中心的な存在となった3名の科学技術者が居たので、これを紹介する。
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[1:銭三強]
中国浙江省出身。原子核物理学者、中国第1回原爆実験を指導した。
(1)1937年、公費留学生としてフランスに留学し、ジョリオ・キュリー夫妻の下で核分裂に関する県有・実験に従事した。
(2)1949年帰国。中共政権の下で党員科学者として科学院近代物理研究所長、同原子力研究所長、中国科学院副秘書長などを歴任した。1964年10月に成功した中国第1回原爆実験を指導している。
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(1)に記されたように、よりによってキュリー夫妻の下で核分裂技術研究の中心に居たようである。
核実験の現場で指導していた人物はもうひとりいる。それが次に記す人物だ。
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[2:鄧稼先]
中国安徽省出身。原子核物理学者、中国核兵器開発の第一人者。
(1)1948年から50年、米国パデュー大学(Purdue University)に留学し、物理学博士学位を取得している。
(2)1950年帰国。1956年に共産党に入党。核工業部第九研究院で院長として原子爆弾、水素爆弾の研究開発を任され、原爆理論を完成した上、核実験の爆発模擬実験を主導した。生前には計32回の核実験に参与している。
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この鄧稼先は、彼が居なかったら中国の核開発はうまくいかなかった…というくらいの人物である。
3人目は中国のミサイル開発を進めた人物である。
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[3:銭学森]
中国上海出身。ロケット科学者、中国「ミサイル開発の父」
(1)1935年アメリカ合衆国に留学、マサチューセッツ工科大学(MIT)で修士、カリフォルニア工科大学で博士学位取得、1947~49年両大学の教授を務めた。1949年カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)で所員。
(2)第2次世界大戦後にロケット調査の為にドイツに派遣され、一時アメリカ海軍の顧問を務め、アメリカの軍事技術にも通ずると言われた。
(3)1955年、中共政権は米軍捕虜との交換で銭学森を帰国させ、以来、国防部第五研究所院長などを歴任、中国の軍事ミサイルの開発に尽力。
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銭学森は、(2)で記したようにドイツにも派遣されている。ドイツはロケット開発では進んでいた
ので、戦後アメリカがドイツが開発したロケットの調査をしに行ったのだが、その時に銭も派遣されたのである。その時、彼はアメリカ海軍の顧問を務めて、アメリカの軍事技術に相当通じていると言われていた。
この銭学森は中国からすれば非常に欲しい人材の一人である。彼自身も中国への帰国を希望していたが、アメリカはそれを止めていたのである。高い技術力を持っているので、それほどの人材が中国に帰国してしまったら大変なことになることはアメリカも判っていたのだ。
すったもんだがあったが、最後はアメリカと中国の間で取引が行われることになった。朝鮮戦争の時に捕虜になってしまったアメリカ兵が十数名ほど中国に抑留されていたが、その捕虜との交換という形で中国は銭の帰国を要求したのであった。アメリカは人道主義の国なので、やむを得ず中国の交換条件を飲んだ。それによって銭は中国へ帰国した。
その後、彼は中国のミサイル開発の中心的な役割を担った。アメリカにしてみれば極めて痛恨な事態であり、せっかくアメリカが育ててアメリカの軍事技術にも通じるミサイルの専門家を中国に渡したことでアメリカは困ったことになる。
帰国後の銭は中国人民解放軍でミサイル開発に尽力した。そこで開発されたミサイルの半分以上はアメリカに向けられているのである。
最近の時事通信の記事では『中国、ミサイル実験「世界最多」急速な戦力拡大警告-米報告書』となっているが、こうした現状を作る元になったのが銭学森なのである
現在の中国に於ける軍事技術の充実に貢献したのは上述3人の科学技術者である。海外から招いたり呼び戻したりした技術者に依る開発がうまくいった事で、中国はそれを成功体験として中国人外国人問わず海外から優れた頭脳を呼び入れる動きを強める事になる。そして彼らが持つあらゆる分野の核心的技術を入手するようになるのだ。ここから生まれたのが「千人計画」なのである。
こうした動きを放置しておくと、最終的に中国は非常に恐ろしい国になるであろう。
アメリカも遅まきながら「千人計画」の危険性に気がついて、2018年から「千人計画」に関わった人々の摘発にも乗り出している。
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[米国で摘発された「千人計画」の一部ケース(2018年)]
(1)2018年2月、米国海洋大気庁に勤務の中国系科学者王春が実刑判決を受ける。2010年より「千人計画」に参加し中国側報酬を受けたことで起訴された。
(2)2018年5月、ミシガン州立大学中国系教授、ロボット専門家の席寧が知的財産権窃盗の容疑でFBIに逮捕される。
(3)2018年8月、米国ゼネラル・エレクトリック社、主任エンジニアの鄭小清が逮捕される。会社の機密を中国に漏洩した疑い。
(4)2018年12月、スタンフォード大学の中国系物理学者、「千人計画」参加者の張首晟教授(55)が急死、自殺の可能性。
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(4)の例が示すように、彼らは千人計画に参加することで彼ら自身もまた被害者になる可能性もある。しかしアメリカの知的財産を盗んで中国に漏洩するという行為自体、彼ら自身もまた大きな犯罪行為を行っている事は厳然たる事実なのである。
これが中国共産党が進める「千人計画」の闇の部分である。
アメリカで摘発が始まったことで中国の「千人計画」自体が世界的に広く知られるようになった。恐らくはそれが原因で中国共産党中央政府はこの「千人計画」を隠蔽しようとしている。「無かったこと」にしようとしているのである。
実際、今現在、中国のあらゆるメディアから「千人計画」という文字や表現が全て消されている。当初は鳴り物入りで展開したにも関わらず、である。
報道資料を見ようと思って検索サイトの百度(バイドゥ)で「千人計画」に関するニュースを検索しても検索結果はゼロである。もちろん、普通に「千人計画」に関するWEBサイトの検索をしても検索結果はゼロだ。
中国共産党政権が進めてきた「千人計画」は、現在中国のメディアからは完全に消えている。もちろん「千人計画」を表に出さないように命令したのは中国共産党なのだが、これはどういうことなのだろうか。
それは「臭いものに蓋をした」ということである。
中国自身、「千人計画」にやましさを持っているから消したのである。中国共産党自身が「千人計画」をスパイ行為・泥棒行為と認めているからにほかならないだろう。やましくないのなら正々堂々と出しておけばいいのである。しかし表の世界からは存在を消して完全に地下に潜ってしまったのである。
「千人計画」自体は決して終息したわけではない。目に見えない隠蔽された形でこれからも地下に潜った状態で進められていくであろう。アメリカだけではなく、日本や他の諸外国も従来通りターゲットにされるのは間違いないだろう。
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<2021年1月1日:追記>
「千人計画」に少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが新たに判明した。下記の記事を参照されたい。
中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認
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[中国「千人計画」とは]
(1)2008年、中国共産党中央弁公庁が「海外高レベル人財導入計画」を発表、
「国家的発展目標」に基づいて「高レベル人材千人の導入」に号令をかけた。
(2)中国共産党中央組織部において専門機構が設置され、「千人計画」の実施を担当
中央統一戦線部・科学技術部・中国科学院・公安部・財政部などで協力体制を敷いた。
(3)中国共産党・科学技術部部門・秘密警察の三位一体で「計画」を実施
利益誘導・秘密工作で海外から人材の引き抜き工作を実施。
(4)計画実施から2018年3月までに7604名を引き抜いて導入した
既に「千人」のスケールは超えており、「万人計画」と呼ぶべきものとなっている。
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上記の(2)で喫驚するのは公安部が入っていること。人材を導入するだけなのに不思議である。
なぜ公安部が入ってくるのか?
ここは大きなポイントである。
公安部とはすなわち秘密警察…スパイである。
秘密警察の役割は、海外で彼らが目をつけた科学技術者などの高レベル人材にアプローチしたり
罠にかけたり、各種の利益誘導をするなどの活動だ。
以下は「千人計画」の概要であり、この内容は中国の共産党中央弁公庁が出した通達に記されているものである。
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[「千人計画」が導入する「高レベル人材」]
(1)海外の著名大学・科学技術研究機関で教授とそれに相当するポストの科学技術者・専門家
(2)国際著名企業で「高級職務」を担当する技術者
(3)自らが知的財産権や核心的技術を持っている技術者
(4)「先端頭脳狩り」を通して、世界全体から各分野の先端研究・核心技術を獲得
最小限のコストで最大限の知的財産権を手に入れる
(5)国家的「引き抜き」で世界の先端技術を盗み取る
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このような「千人計画」の発想は実はかなり昔からあったものである。「千人計画」の原型は1960年代の中国共産党政権が進めた「核兵器開発」にその発端がある。
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[中国の核兵器開発と3名の帰国科学者]
(1)1964年6月、中国は新疆地域にて初の原爆実験に成功
(2)1967年6月、中国は初の水爆実験に成功
(3)1966年12月、初の中距離弾道ミサイル(東風3号)の発射実験に成功
(4)こうした核兵器開発の現場で中心的な役割を果たしたのは、アメリカなど海外から導入した3名のトップクラスの科学頭脳である。
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上記の(1)にあるように、核実験は漢民族の居住地域ではなく、ウィグル人の居住地域で行っている。その後も全ての核実験は漢民族地域ではやらず少数民族の居住地域で行っている。
そして、核兵器が出来てもそれを運ぶミサイルの精度が高く無ければ使えないのだが、もちろんこの分野にも科学技術者を充当している。
(4)に記されたように、これらの開発には海外から高レベル技術者が招かれているのだが、特に中心的な存在となった3名の科学技術者が居たので、これを紹介する。
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[1:銭三強]
中国浙江省出身。原子核物理学者、中国第1回原爆実験を指導した。
(1)1937年、公費留学生としてフランスに留学し、ジョリオ・キュリー夫妻の下で核分裂に関する県有・実験に従事した。
(2)1949年帰国。中共政権の下で党員科学者として科学院近代物理研究所長、同原子力研究所長、中国科学院副秘書長などを歴任した。1964年10月に成功した中国第1回原爆実験を指導している。
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(1)に記されたように、よりによってキュリー夫妻の下で核分裂技術研究の中心に居たようである。
核実験の現場で指導していた人物はもうひとりいる。それが次に記す人物だ。
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[2:鄧稼先]
中国安徽省出身。原子核物理学者、中国核兵器開発の第一人者。
(1)1948年から50年、米国パデュー大学(Purdue University)に留学し、物理学博士学位を取得している。
(2)1950年帰国。1956年に共産党に入党。核工業部第九研究院で院長として原子爆弾、水素爆弾の研究開発を任され、原爆理論を完成した上、核実験の爆発模擬実験を主導した。生前には計32回の核実験に参与している。
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この鄧稼先は、彼が居なかったら中国の核開発はうまくいかなかった…というくらいの人物である。
3人目は中国のミサイル開発を進めた人物である。
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[3:銭学森]
中国上海出身。ロケット科学者、中国「ミサイル開発の父」
(1)1935年アメリカ合衆国に留学、マサチューセッツ工科大学(MIT)で修士、カリフォルニア工科大学で博士学位取得、1947~49年両大学の教授を務めた。1949年カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)で所員。
(2)第2次世界大戦後にロケット調査の為にドイツに派遣され、一時アメリカ海軍の顧問を務め、アメリカの軍事技術にも通ずると言われた。
(3)1955年、中共政権は米軍捕虜との交換で銭学森を帰国させ、以来、国防部第五研究所院長などを歴任、中国の軍事ミサイルの開発に尽力。
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銭学森は、(2)で記したようにドイツにも派遣されている。ドイツはロケット開発では進んでいた
ので、戦後アメリカがドイツが開発したロケットの調査をしに行ったのだが、その時に銭も派遣されたのである。その時、彼はアメリカ海軍の顧問を務めて、アメリカの軍事技術に相当通じていると言われていた。
この銭学森は中国からすれば非常に欲しい人材の一人である。彼自身も中国への帰国を希望していたが、アメリカはそれを止めていたのである。高い技術力を持っているので、それほどの人材が中国に帰国してしまったら大変なことになることはアメリカも判っていたのだ。
すったもんだがあったが、最後はアメリカと中国の間で取引が行われることになった。朝鮮戦争の時に捕虜になってしまったアメリカ兵が十数名ほど中国に抑留されていたが、その捕虜との交換という形で中国は銭の帰国を要求したのであった。アメリカは人道主義の国なので、やむを得ず中国の交換条件を飲んだ。それによって銭は中国へ帰国した。
その後、彼は中国のミサイル開発の中心的な役割を担った。アメリカにしてみれば極めて痛恨な事態であり、せっかくアメリカが育ててアメリカの軍事技術にも通じるミサイルの専門家を中国に渡したことでアメリカは困ったことになる。
帰国後の銭は中国人民解放軍でミサイル開発に尽力した。そこで開発されたミサイルの半分以上はアメリカに向けられているのである。
最近の時事通信の記事では『中国、ミサイル実験「世界最多」急速な戦力拡大警告-米報告書』となっているが、こうした現状を作る元になったのが銭学森なのである
現在の中国に於ける軍事技術の充実に貢献したのは上述3人の科学技術者である。海外から招いたり呼び戻したりした技術者に依る開発がうまくいった事で、中国はそれを成功体験として中国人外国人問わず海外から優れた頭脳を呼び入れる動きを強める事になる。そして彼らが持つあらゆる分野の核心的技術を入手するようになるのだ。ここから生まれたのが「千人計画」なのである。
こうした動きを放置しておくと、最終的に中国は非常に恐ろしい国になるであろう。
アメリカも遅まきながら「千人計画」の危険性に気がついて、2018年から「千人計画」に関わった人々の摘発にも乗り出している。
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[米国で摘発された「千人計画」の一部ケース(2018年)]
(1)2018年2月、米国海洋大気庁に勤務の中国系科学者王春が実刑判決を受ける。2010年より「千人計画」に参加し中国側報酬を受けたことで起訴された。
(2)2018年5月、ミシガン州立大学中国系教授、ロボット専門家の席寧が知的財産権窃盗の容疑でFBIに逮捕される。
(3)2018年8月、米国ゼネラル・エレクトリック社、主任エンジニアの鄭小清が逮捕される。会社の機密を中国に漏洩した疑い。
(4)2018年12月、スタンフォード大学の中国系物理学者、「千人計画」参加者の張首晟教授(55)が急死、自殺の可能性。
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(4)の例が示すように、彼らは千人計画に参加することで彼ら自身もまた被害者になる可能性もある。しかしアメリカの知的財産を盗んで中国に漏洩するという行為自体、彼ら自身もまた大きな犯罪行為を行っている事は厳然たる事実なのである。
これが中国共産党が進める「千人計画」の闇の部分である。
アメリカで摘発が始まったことで中国の「千人計画」自体が世界的に広く知られるようになった。恐らくはそれが原因で中国共産党中央政府はこの「千人計画」を隠蔽しようとしている。「無かったこと」にしようとしているのである。
実際、今現在、中国のあらゆるメディアから「千人計画」という文字や表現が全て消されている。当初は鳴り物入りで展開したにも関わらず、である。
報道資料を見ようと思って検索サイトの百度(バイドゥ)で「千人計画」に関するニュースを検索しても検索結果はゼロである。もちろん、普通に「千人計画」に関するWEBサイトの検索をしても検索結果はゼロだ。
中国共産党政権が進めてきた「千人計画」は、現在中国のメディアからは完全に消えている。もちろん「千人計画」を表に出さないように命令したのは中国共産党なのだが、これはどういうことなのだろうか。
それは「臭いものに蓋をした」ということである。
中国自身、「千人計画」にやましさを持っているから消したのである。中国共産党自身が「千人計画」をスパイ行為・泥棒行為と認めているからにほかならないだろう。やましくないのなら正々堂々と出しておけばいいのである。しかし表の世界からは存在を消して完全に地下に潜ってしまったのである。
「千人計画」自体は決して終息したわけではない。目に見えない隠蔽された形でこれからも地下に潜った状態で進められていくであろう。アメリカだけではなく、日本や他の諸外国も従来通りターゲットにされるのは間違いないだろう。
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<2021年1月1日:追記>
「千人計画」に少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが新たに判明した。下記の記事を参照されたい。
中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認