Altered Notes

Something New.

「アメリカで成功する」とは

2017-03-25 19:04:10 | 人物
日本のお笑いコンビのメンバーがアメリカへ行って成功する、と意気込んでいるようだが、これはそうなまやさしいものではない。

ジャズトランペッターの日野皓正氏は1974年にアメリカのグリーンカード(アメリカ永住権)を取得して意気揚々とアメリカへ渡った。
当時日野氏は既に日本でも屈指のジャズトランペット奏者として活躍しており、アメリカに到着したその日からニューヨークのジャズクラブでギル・エヴァンス・オーケストラに呼ばれて仕事(演奏)していたほどの腕前と知名度を持っていた。
そんな日野皓正氏ですら、アメリカで成功することの難しさを次のように説く。

「アメリカでトップレベルになりたければ、まず日本一になってから来るべきだ」

つまりアメリカのエンターテイメント業界の層は非常に厚く、日本の上位レベル程度の人は掃いて捨てるほど居る、ということだ。

芸のレベル以前に我々非英語圏の人間には言葉の問題がある。
言葉による普通のコミュニケーションは「出来て当たり前」と向こうは考えている。
逆に会話が満足にできない状態で向こうのエンタメの世界に飛び込むと
「何しに来たの?」
と言われてお終い、である。

現在、アメリカへ行って成功する、と息巻いている芸人さんは、私から見ても決して面白いとは思えない程度の力量であり、これでアメリカへ行くのはかなりの疑問符が付く、というのが正直な感想である。
また、米国人から見た日本人は概して幼く見えて頼りなさげなイメージを持たれる事が多い。当該芸人さんもまたアメリカにおいては相当若造に見られることは必定と思われる。

しかしながら、彼が本気で「やりたい」と言うのなら「頑張れ」と言いたい。
人間、何があるかわからない。
どんなことが成功に繋がるかはわからない。
だから人生は面白いのである。


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