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ウクライナ情勢と稀代の無能外相

2022-02-24 06:55:00 | 国際
ウクライナ情勢が正に瀬戸際である。外交的な解決ができるのか、それとも武力侵攻で無理やり解決するのか…な状況だが、こんな緊迫した状況下で我が国の林外務大臣は信じがたい考えなしな行動をして世界中の冷たい視線を浴びている。今回はこの件について数量経済学者の高橋洋一氏の解説を紹介する。


ウクライナ問題は外交的解決をするならミンスク合意に基づくことになる。2014~2015年くらいにウクライナの東部2州とロシアとウクライナの間で停戦協定を締結しているのだ。

現在、東部の2州で戦闘行為が行われているが、これは2014~15年あたりから続いているものである。そこで停戦合意をしようというのがミンスク合意だ。それはロシアとウクライナと東部2州の間で形の上ではまとまっているものだが、実態は全然実行されていないのだ。

従って、普通の外交決着の場合はこのミンスク合意をベースにして停戦合意を取るのが普通の手順となる。これが可能か否かがポイントになる。ミンスク合意に乗ることが出来るなら、取りあえずの停戦協定は出来るかもしれない。これが外交的解決の唯一の手段である。


この数日の動勢を見ていると、フランスのマクロン大統領が仲介してバイデン大統領とプーチン大統領で話し合いをやろう、としたのだが、その時にアメリカが「ウクライナに侵入しないという条件」の上で話し合おう、と提案したが、これに対してプーチンがキレて逆上した状態で「(ウクライナ)東部2州の独立を承認する」と言ってしまったのである。この発言はミンスク合意を根底から覆すものであり、非常にまずい。

ミンスク合意とは、独立するかしないかではなく「とりあえず停戦しましょう」というものである。だからこれはアメリカ・ロシア共にミンスク合意を完全に崩したことになるのだ。外交的解決の唯一の希望であったミンスク合意が崩れているとしたら、状況は正に危機的である。

なので、この数日の間にミンスク合意をベースにしてもう一回やるのか、それとも破棄して侵攻するのか、を詰める事になろう。ミンスク合意を破棄して何が出来るかと言えば、ロシアから見たら東部の2州は既に独立承認しているので、そこの治安維持活動として、平和維持という名目でロシア軍が入れる
という状況である。ロシア側は侵攻の為の口実を作った、ということである。従ってプーチン大統領の「独立承認」発言は一線を超えている可能性が高いと言えよう。


ここまでの展開が世界の常識としてまずあって、プーチン大統領が一線を超えてしまったかもしれない、という危機的状況下で、少し前に林外務大臣が経済協力ということでロシアの全然関係ない大臣(経済発展相)に会ってしまった。

高橋氏は「あれはないな」と批判する。

普通の外交的な常識からしてみると、現状では経済協力の名目で会うというのはふさわしくないから、だからこのような場合にはリスケ(リスケジュール)…つまり延期するのが普通の判断なのである。リスケして延期という事にすれば何も問題はないのだ。だが、林外相はロシア側と会ってしまった。そこでウクライナ問題について「意見を言った」と言うのだが、ロシア側の閣僚は経済発展相であって、ウクライナ問題は自分の担当ではない。従って、日本の言い分など何も聞いちゃいないのである。全く意味がない。意味がないどころかロシア側から見れば「日本と経済協力の話をした」と言うだけである。この方がきついのだ。日本側は「経済協力の話はしたかもしれないが、ウクライナ問題についてもちゃんと意見を言いました」とアリバイのように言い訳したところで意味がないのだ。阿呆である。

これはそもそも「会ってはいけない」というのがセオリーなのである。・・・それなのに、会ってしまった林外相…。


高橋氏だって役人だった頃には国際会議などに行く時は外交の常識といったものは一通り理解してから行っていた。そうした常識を踏まえるなら「普通は会わない」が正解なのである。現在のような緊迫した時にわざわざ会う必要もないし、会って「経済協力しました」とロシアから言われたら言い返すこともできないのだ。こちらの方が問題である。ロシアの経済発展相に対して「(ウクライナ問題は)自重しよう」と言ったところで、そんなものは当たり前のように消されるだけである。それがミエミエだから会わないのが普通であり常識的判断なのである。

だが、林外相は会ってしまった。

これはもう、最後は大臣の資質の問題である。この状況下で、それでも会って「経済協力する」と言ってしまう林外相。外務省では事務方から「こういう予定がありますがどうしますか?」と事前に聞かれた筈である。そして実際に会ってしまったのだから、これは林外相が「会おう」と言ったものと推測される。本人が「会おう」と言わない限りは会談の予定は設定されないからである。事務方役人としては一応予定が入っているので大臣にお伺いを立てるのだが、大臣は「やろう」と言った筈だ。まさかこの状況で会うとは思っていなかった事務方は「え?」と目が点になった筈である。だが、大臣が「やる」と言ったら仕方がないので会談をセットすることになるのだ。


林外相側を擁護する人は高橋氏に対して「外務大臣のプレスリリースは見たんですか?」と言ってつっかかってくるそうだ。高橋氏はもちろんプレスリリースは見ている。だが、そんなものに意味は無いのだ。それは外務省が書いた話であり、ロシア側は全く違う説明をするに決まっているからである。これくらいはすぐに判る事だ。

ロシアに対する経済制裁を話し合っている最中に経済協力でロシアとつるもうとする日本は世界各国から見た場合に「日本は制裁抜けするかもしれない」と疑われるだろう。この状況で経済協力の話なんかしているのだから、そう思われても仕方がないのである。

林外相のあまりの”考えなし”さ加減には喫驚しかない。

平時に経済協力の話をするのは構わないが、今のような緊迫した情勢下でしてはいけないだろうことは何も政治家でなくても誰でも判る筈なのだが・・・林芳正氏には判らなかったようである。こんな常識以前の問題が林氏には判らなかったのだ。


せっかく安倍政権の時代に日本は世界のリーダークラスにまでその地位を上げることが出来たのに、岸田政権になってから外交音痴の岸田総理や林外相のせいで日本は国際社会からの信頼を全て失ってしまったのである。

こんな阿呆なことをやっていると、仮に中国が尖閣に侵攻してきた時に欧米をはじめ世界各国は助けてくれないだろう。


ウクライナの東部2州に対してプーチン大統領が国家承認してしまったが、これに続くロシア側の次の手筈は既に決まっている。今度は「治安維持・平和維持という名目でロシア軍がウクライナ国内に入る」つまり「侵攻する」ことになる。こうした情勢は少し前から既に見えていたのである。

ミンスク合意の話はギリギリの状況下で、これがないと外交的な解決は不可能であろう。それを破ったのがここ2~3日の話である。そのようなギリギリの情勢になっていた一方で経済協力の話をしているというのは信じがたい愚行なのだ。

上述したように、そういうスケジュール(ロシア経済発展相との会談)があったとしても、この状況下では絶対に延期するのが普通なのである。それをしなかった事で岸田総理は西側諸国の中でもG7などの機会に各国側から「え?この人、何を考えてんの?」と驚きの目で見られていたことだろう。

実際に岸田政権は世界各国から信頼されず相手にもされず、最も近い筈のアメリカからも敬遠されている。トランプ・安倍時代には双方は頻繁に連絡し合っていたようだが、現在のバイデン大統領は岸田総理に連絡はしていないようだ。

今の日本は世界各国からいわゆるコウモリ外交、つまり二股外交をやっていると見られているのであり、これはかなりまずい話である。相当まずい。ウクライナ問題だけでなく、今後の東アジア情勢や台湾の有事になった場合にどうなるのか非常に憂慮される事態になっているのだ。


林外相と岸田総理・・・彼らは日本の国益を毀損し続けて止むことがない。それは悪夢の民主党鳩山政権を想起させるほど酷いのだ。稀代の無能であり政治の素人と言えよう。彼らには志が何も無い。正に「丙丁つけがたい人たち」であり、一日も早く降板してもらいたい人たちである。





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