防衛費をめぐる議論がある。今後、5年間の防衛費の規模として40兆円台が想定されている。ウクライナ戦争がすぐ目の前で展開しているNATO(北大西洋条約機構)は加盟各国にGDP比2%を要望している。転じて、日本の防衛費がこの基準に到達するには現状の2倍程度の増額が必要となる。政府与党内では5年間で1兆円ずつ増額し、総合計でおよそ43兆円とする試算もある。だが、5年後にGDP比2%に達したとしても、科学技術開発費等の他経費も増えることで、純粋な防衛費の増額幅は相当抑制されることは間違いない。
防衛省は今後5年間の必要経費を積み上げたところ、50兆円近くになるということだ。防衛省側は純粋な防衛費だけで40兆円台後半を目指すものの、財務当局は有識者会議で安全保障関連経費を含めて40兆円台前半に抑えるように動いており、最終的に必要な防衛費の確保は難しい模様である。
この防衛費の算定について、「NATO基準」という言葉がよく言われる。防衛費の中に海上保安庁の予算も含めてしまうようなやり方を指してそう呼んでいるのだが、実はこれもおかしいのだ。
どういうことか。
NATO基準というのは、そもそも
「軍隊の傘下にあるものは予算に入れる」
というものである。だが、海上保安庁は防衛省ではなく国土交通省が管轄官庁であり、そもそも「軍隊傘下ではない」のだ。それを防衛予算の中に含めるのはおかしいのである。「NATO基準」を言う人たちはこの言葉を随分と都合よく使って数字の嵩上げを狙っていることが分かるのだ。(*1)
本当にNATO基準を厳格にやるのであれば国土交通省の設置法を修正して、海上保安庁を自衛隊の傘下に置くようにしなければ駄目なのである。しかし、国土交通大臣が親中の公明党所属なので、これは無理であろう。前述の海上保安庁を自衛隊傘下に置く改正を本気でやるならNATO基準で良いのだが、現在言われている内容であれば、それは「NATO基準ではない」のであり、それを「NATO基準です」というのは間違いであり、おかしい。強烈な違和感しかないのである。(*2)
こうした嵩上げ数字で誤魔化そうとするのは政府だが、政府の背後には財務省が居るのであって、彼らが政府を操っているのである。
そして、これはマスコミも同様だ。マスコミも言葉だけ「NATO基準」と言っている割に、NATO基準の厳密な内容を説明していないので報道として失格である。財務省から釘を刺されているのかもしれないが…。マスコミは財務省の言いなりだからだ。
何しろ、防衛費増額問題について現在言われている「NATO基準」は嘘であり誤魔化しなのである。
上で「財務当局は有識者会議で防衛費総額を低く抑えるように動いている」旨を記したが、そもそもこの「有識者会議」のメンバーが大問題である。そのメンバーだが、まず岸田総理大臣、そして鈴木財務大臣、林外務大臣、浜田防衛大臣の4人が出ており、政府の政策に影響がある顔ぶれだ。その他は財務省の息がかかった人間ばかりであり、財務省に沿った見解しか言わない仕組みになっているのだ。
その会議の内容だが・・・
防衛費の増額はある程度はいいとして、その防衛費の財源が問題だ。「財源は増税で」という趣旨の議論ばかりしているのが実情だ。正確に言うと、「増税が必要」とはっきりは言ってない。しかし「恒久財源が必要だ」という言い方をしており、これは要するに「増税」意味しているのである。これが財務省の言い方なのだ。
財務省好みのメンバーを集めて、このような方向でやっているのが有識者会議なのである。最初から決まった結論(増税)に向けて進むだけの会議なのだが。
そうなると、流石に保守系の人は防衛費の議論で「防衛費増税」になったらたまらない…と考えるに至って、この議論を官邸任せにしておいたら駄目だ、という事に気付くのだ。そして、この議論を自民党の中で行う動きになってきているようである。確かにこれはもっともな話で、今の御時世で防衛増税なんて言ったら、東日本大震災の時の(民主党の)「復興財源が大切です」という議論と同じになり、復興増税と一緒になってしまうのは必定である。そうなったらとんでもないことだ。
このような場合の正しい対応は「防衛国債」で良いのである。実際に安倍元総理も「防衛国債でよろしいでしょう」と言っていたのだ。防衛費の便益は日本の将来にまで及ぶものであって、国債でOKなのである。だが、財務省は「防衛増税」にもっていきたくてウズウズしているのが実態だ。復興増税のときと同じシナリオで実現させようと目論んでいるのが財務省なのである。
復興増税の時には最初に「絆」と言って、増税やむなしの空気を作って復興増税に持っていった・・・これが財務省の前科だ。今回もあれと完全に同じ手法で進めているのである。なので、この有識者会議がこの後で出してくる結論は「防衛増税」である。ミエミエであり間違いないところだ。
防衛費を増額させたくない上に、金を出すなら増税だ、と開き直る財務省・・・日本が満足な防衛水準を達成できず、その結果として日本が中国・ロシア・北朝鮮に滅ぼされたら全てが終わってしまうのに、その程度の想像力もないのが財務官僚なのである。財務官僚の連中は、いわばお金に纏わる狂気に洗脳された状態にあるのかもしれない。一種の狂信者である。その意味で、最近よく聞く言葉だが「ザイム真理教」というのはあながち外れではない、と思うところだ。
改めて、狂気の財務省と、財務省の言いなりな岸田政権・政府与党に強い憤りを感じるものである。
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(*1)
海上保安庁の船は建設国債で作るのだが、それなのに自衛隊の船は作ってはいけない、と言うのは意味不明である。
(*2)
本来は防衛費とは呼べないような項目も何でもかんでも防衛費に突っ込んで、純粋な防衛費、つまり真水部分を少なくして誤魔化す気満々なのである。
◇
防衛省は今後5年間の必要経費を積み上げたところ、50兆円近くになるということだ。防衛省側は純粋な防衛費だけで40兆円台後半を目指すものの、財務当局は有識者会議で安全保障関連経費を含めて40兆円台前半に抑えるように動いており、最終的に必要な防衛費の確保は難しい模様である。
この防衛費の算定について、「NATO基準」という言葉がよく言われる。防衛費の中に海上保安庁の予算も含めてしまうようなやり方を指してそう呼んでいるのだが、実はこれもおかしいのだ。
どういうことか。
NATO基準というのは、そもそも
「軍隊の傘下にあるものは予算に入れる」
というものである。だが、海上保安庁は防衛省ではなく国土交通省が管轄官庁であり、そもそも「軍隊傘下ではない」のだ。それを防衛予算の中に含めるのはおかしいのである。「NATO基準」を言う人たちはこの言葉を随分と都合よく使って数字の嵩上げを狙っていることが分かるのだ。(*1)
本当にNATO基準を厳格にやるのであれば国土交通省の設置法を修正して、海上保安庁を自衛隊の傘下に置くようにしなければ駄目なのである。しかし、国土交通大臣が親中の公明党所属なので、これは無理であろう。前述の海上保安庁を自衛隊傘下に置く改正を本気でやるならNATO基準で良いのだが、現在言われている内容であれば、それは「NATO基準ではない」のであり、それを「NATO基準です」というのは間違いであり、おかしい。強烈な違和感しかないのである。(*2)
こうした嵩上げ数字で誤魔化そうとするのは政府だが、政府の背後には財務省が居るのであって、彼らが政府を操っているのである。
そして、これはマスコミも同様だ。マスコミも言葉だけ「NATO基準」と言っている割に、NATO基準の厳密な内容を説明していないので報道として失格である。財務省から釘を刺されているのかもしれないが…。マスコミは財務省の言いなりだからだ。
何しろ、防衛費増額問題について現在言われている「NATO基準」は嘘であり誤魔化しなのである。
上で「財務当局は有識者会議で防衛費総額を低く抑えるように動いている」旨を記したが、そもそもこの「有識者会議」のメンバーが大問題である。そのメンバーだが、まず岸田総理大臣、そして鈴木財務大臣、林外務大臣、浜田防衛大臣の4人が出ており、政府の政策に影響がある顔ぶれだ。その他は財務省の息がかかった人間ばかりであり、財務省に沿った見解しか言わない仕組みになっているのだ。
その会議の内容だが・・・
防衛費の増額はある程度はいいとして、その防衛費の財源が問題だ。「財源は増税で」という趣旨の議論ばかりしているのが実情だ。正確に言うと、「増税が必要」とはっきりは言ってない。しかし「恒久財源が必要だ」という言い方をしており、これは要するに「増税」意味しているのである。これが財務省の言い方なのだ。
財務省好みのメンバーを集めて、このような方向でやっているのが有識者会議なのである。最初から決まった結論(増税)に向けて進むだけの会議なのだが。
そうなると、流石に保守系の人は防衛費の議論で「防衛費増税」になったらたまらない…と考えるに至って、この議論を官邸任せにしておいたら駄目だ、という事に気付くのだ。そして、この議論を自民党の中で行う動きになってきているようである。確かにこれはもっともな話で、今の御時世で防衛増税なんて言ったら、東日本大震災の時の(民主党の)「復興財源が大切です」という議論と同じになり、復興増税と一緒になってしまうのは必定である。そうなったらとんでもないことだ。
このような場合の正しい対応は「防衛国債」で良いのである。実際に安倍元総理も「防衛国債でよろしいでしょう」と言っていたのだ。防衛費の便益は日本の将来にまで及ぶものであって、国債でOKなのである。だが、財務省は「防衛増税」にもっていきたくてウズウズしているのが実態だ。復興増税のときと同じシナリオで実現させようと目論んでいるのが財務省なのである。
復興増税の時には最初に「絆」と言って、増税やむなしの空気を作って復興増税に持っていった・・・これが財務省の前科だ。今回もあれと完全に同じ手法で進めているのである。なので、この有識者会議がこの後で出してくる結論は「防衛増税」である。ミエミエであり間違いないところだ。
防衛費を増額させたくない上に、金を出すなら増税だ、と開き直る財務省・・・日本が満足な防衛水準を達成できず、その結果として日本が中国・ロシア・北朝鮮に滅ぼされたら全てが終わってしまうのに、その程度の想像力もないのが財務官僚なのである。財務官僚の連中は、いわばお金に纏わる狂気に洗脳された状態にあるのかもしれない。一種の狂信者である。その意味で、最近よく聞く言葉だが「ザイム真理教」というのはあながち外れではない、と思うところだ。
改めて、狂気の財務省と、財務省の言いなりな岸田政権・政府与党に強い憤りを感じるものである。
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(*1)
海上保安庁の船は建設国債で作るのだが、それなのに自衛隊の船は作ってはいけない、と言うのは意味不明である。
(*2)
本来は防衛費とは呼べないような項目も何でもかんでも防衛費に突っ込んで、純粋な防衛費、つまり真水部分を少なくして誤魔化す気満々なのである。
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