伊豆高原シニア・ライフ日記

「老い」を受容しながら自然の恵みに感謝しつつ「残躯天所許不楽復如何」の心境で綴る80老の身辺雑記 

酒三題 (「三金会雑記103号」の原稿)

2013年02月19日 | 三金会雑記

    酒三題     

「三金会雑記」前号で坂口が三金会最終総会の後、中洲に流れ、バーで飲んだという「ラム酒」の謎を書いていた。遠いカリブ海に浮かぶアンギラ島特産のラム酒の瓶にどう考えても結びつかない東洋特有の「布袋」印のラベルが貼ってあったというのである。 

過日、坂口との電話の中で、この記事を話題にしたことから、最近の酒事情に話が飛び、近頃私が飲んでいる安い酒のことを話したら、坂口がそれを「三金会雑記」に是非書けという。

電話の中で彼は言う。

「話題といえば、病気の話か女の話か、それに酒の話、せいぜい最近読んだ本の話とか。いや、女の話はもうないな。病気の話は暗いし、三金会雑記に書くには酒が一番だ……」と。

そんなことで、酒に絡む話題を三つほど。いずれも格安酒の話である。

 私が書き続けている『ブログ』からコピーし、それに多少手を加えたものを「三金会雑記」一〇三号の原稿とする。

  カボス焼酎

当地では柑橘類がよく実る。我が家の畑にはスダチとカボスの樹がそれぞれ一本づつ植わっているが、特別の手入れをしなくとも季節がやってくると立派な実を沢山つけてくれる。

スダチもカボスも家庭で使う量などしれているが、人様に差し上げると、とても喜んでくれるので我が畑の産物としてはその価値は高い。

カボスはスダチにくらべて大振りの実である。スダチの方は小振りで見た目には上品、その酢の味もやや穏やかな感じがするから、我が家の料理にはスダチを使うことの方が多く、カボスはこれまであまり利用してはいなかった。

 ところで、私は生来の「酒好き」である。酒ならなんでもよく飲む。この年齢になっても晩酌を欠かしたことはほとんどない。酒が美味しく飲める間は、まあ、健康なんだと勝手に思い込んでいる。 冬は日本酒、夏はビールが定番だが、ワインも飲むし、ウイスキーもたまには飲む。季節や気温、それにその時々の気分、雰囲気などで飲み分けている。

今年は、これに焼酎が加わった。近所の人から「カボス焼酎」なるものを教えてもらい、カボスの絞り汁を焼酎に入れて飲むのがすっかり気に入っている。焼酎は安いし、カボスは無尽蔵とはいわないまでも、ありあまるほどあるからお金はかからない。

カボスは我が郷里「大分」の特産品である。だから焼酎も大分県産の「二階堂」でいくことにした。
オンザロックでよし、水割りでよし、お湯割りでもいい。当地の水道水は天城からのうまさに定評がある湧き水、カボスが黄色に色付くまではこれで楽しめる。

(2009/10/9ブログ「かぼす焼酎を飲む」から)

 ウイスキー「富士山麓」

  「大室高原歩こう会」で富士山麓の紅葉台・三湖台を歩いた後、朝霧高原にあるキリンビールのウイスキー工場に立ち寄った。「歩こう会」ではときどき帰途にビール工場やワイナリーなどに施設見学と称して立ち寄ることがある。

そうした酒の醸造施設では、生産工程など丁寧な解説付きで工場内を案内してもらうが、本当のお目当てはそこの製品を試飲させてもらうことである。試飲といっても飲む量は無制限だし、たまにはオツマミまで付くこともある。

このキリンビールの工場で生産されるウイスキーの銘柄は「富士山麓」という。アルコール度が五〇℃と少し高い。試飲してみたら、程よい味と香りで、ウイスキーを飲むことがあまりない私の好みによく合った。

そこで早速工場構内に設けられてある直売店で二瓶ほど購入した。価格は一本一五〇〇円。直売店だからそこで買うのが一番安かろうと思ったのである。

これを時々飲んでいたら、やがて二本とも空になってしまった。行きつけの酒屋やスーパーなどで買い足そうと出掛けてみたが、あまり知られていない銘柄なのか、店頭には並んでいない。

それならパソコンを使ってオンライン・ショッピングならどうかと思って、ネットショップ「楽天」市場でこの銘柄を探してみた。
すぐ見つかったが、店によって値段はまちまち。しかもどの店も一五〇〇円を下回る値付けである。その中で一番安い店を探したら、なんと価格八一八円(送料別)というのがあった。まとめて三本も買えば送料はいらない。

注文したらすぐ商品が送られてきた。中身は直売店で買ったものとまったく変わらない。それが直売店の値段のほとんど半額に近いとは!

なんだかキリンビールに騙されていたような気色になり、そのためか「富士山麓」の味も今一つという気持ちになった。

やはり、酒の味はその時の気分に左右されるようである。

 (2011/11/16ブログ「西湖湖畔を歩く」より)

韓国焼酎「チャミスル」

韓国ドラマを最初に見たのは「冬のソナタ」だったと思うが、その後、「チャングムの誓い」をTVでみてすっかり主演女優にいかれてしまった。以来、歴史物や現代物の韓国連続ドラマをTVで見続けている。いわゆる「韓国ドラマにはまる」というのは、こういうことをいうのかと、やや自嘲気味だ。

いずれもたいした作品には思えないのだが、総じて一〇〇回を超すような連続ドラマが多く、それが毎回、毎回、次の展開を見たくなるようなところでうまく区切られるので、つい見続けてしまう。 それに登場する女優は日本にくらべて総じて美女が多いようなのも惹かれてしまう理由なのかもしれない。

ところで、こうした韓国ドラマでは、歴史物でも現在物でも、酒を飲む場面が実に多い。ちょっとした集まりはもとより、二人で対話をするときなど、男も女もいつも盃を持っているような趣がある。そしてその酒の中身といえば、どうやら韓国焼酎らしい。

韓国焼酎といえばグリーンの瓶に赤くJINROという字を大きく書いたラベルのものしか知らなかったし、そのJINROも随分前にどこかの韓国料理店で飲んだ記憶がある程度、アルコール度の強い酒という印象で美味しかったという印象はない。

酒好きの私は、好奇心も手伝って国内・国外を問わずいろいろな酒を飲んできたが、お隣の韓国のお酒にはこれまでほとんど縁がなかったようである。

TVでみる韓国ドラマでうまそうに飲んでいる場面を見たことに影響されて、韓国焼酎を飲んでみようと思い立ったのである。とりあえず、スーパーに置いてあった「JINRO」買って飲んでみたが、韓国料理の焼き肉ならあうかもしれないが、家庭で飲むにはおよそ向かない。

だが、TVで見る酒はこんな大瓶ではない。グリーンの瓶で360mlの小瓶である。そこでインターネットでどんな銘柄の韓国焼酎があるか探ってみた。

銘柄は日本酒に比べて、さほど沢山はないように見受けたが、なにより驚いたのは価格である。為替相場で韓国ウオンが下落し日本円の上昇が著しい影響が出ているらしく、無茶苦茶に安い。

なるべくいいものをと探したがどれも大同小異。現在一番人気があるのが「チャミスル」という銘柄のものらしく、「良質の米と麦を主原料に、不純物を取り除く効果に優れた竹炭で三度の濾過を行ったまろやかな味わいの焼酎……シェア五割を誇る韓国ナンバーワン焼酎」という。ソウルでは八〇%の人がこれを飲んでいるといい、アルコール度一九・五度で、JINROの二五度よりも軽く、韓国女性には特に人気があるという。

TVで男女がしばしば飲んでいるのがどうやらこれだと見当をつけた。そこで試しにこれを購入することにした。

比較的重量のある酒類をオンライン.ショッピングする場合、送料が結構かかるので、ある程度纏め買いして送料無料にするのがいい。

届いた「チャスミル」を飲んでみた途端、「これはいかん。私には向かない」と思った。甘味があって女性には向くかもしれないが、私の好みにはおよそ不似合、纏め買いして失敗したと思った。

だが待てよ。ダメでもともとと思い直し、カボス焼酎の例に倣ってカボス汁をたっぷり入れてみたら、なんと、これがなかなかいける酒に変身した。 

酒には、それぞれの人に好みがあるが、このカボス入り韓国焼酎はとても私は気に入った。グラスに氷を入れ、カボス一個分をしっかり絞って入れる。甘さとカボスの酸っぱさが調和して、ちょっとしたお洒落な酒になるのである。

「IKOI農園」にはカボスが沢山成っているので、当分カボスには不自由しない。カボスがいくらでもとれるこの期間、当分この酒で晩酌することにした。

(2012/9/16ブログ「韓国焼酎を飲む」より)

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