7月8日 (日)
大室高原は国立公園の一隅に属しているので地域の開発条件として建蔽率を30%と極端に制限しているため、いずれの区画も100坪以上はなければならない。
したがって、都会地の住宅と比較してどの家も庭はとても広くとられている。
そんなところだから家屋も庭も洋風にしつらえられているのが普通で、庭には芝生に花壇、花木が植えられいわゆる「ガーデン」gardenといった風のイメージが強い。
そのためか、ここらあたりでは日本家屋に相応しい伝統的な朝顔の花にお目にかかることは滅多にない。
しかし、今年は貰った朝顔の種で家内がテラスの上に鉢を置き育てていた。その鉢から朝顔の花が一輪さいているのに今朝気付いた。
日本的風情を醸しだす朝顔だからこの辺りの雰囲気にはあまり似つかわしくないのだが、梅雨のさなか、どんよりした曇空の下で簡素な朝顔の花をつくずく見ると、そのしっとりとした味わい、昔懐かしい趣きもまたなかなか捨てがたい。
「富士には月見草がよく似合う」と太宰は言ったが、テラスの一隅でひそやかに花開いた一輪の朝顔を眺めていたら「朝顔は曇り空によく似合う」という言葉がふと浮かんだ。
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