京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

ボタニカルガーデン:植物スケッチから工藤哲巳

2019-08-05 22:12:30 | 美術・博物館


京都国立近代美術館の2019年度 第3回コレクション展の撮影可能作品です。


「彼が研究するのはたった一茎の草だ。」
かつて画家のファン・ゴッホが、江戸時代の絵師の植物画に感銘をうけて残した言葉です。
植物は芸術家にとって身近なモチーフであり、さまざまな表現が生み出されました。
日本画家の千種掃雲による色鮮やかな図案集『洋草花譜』からは、当時西洋から流入した珍しい花々を熱心に観察・研究する画家の好奇心を読み取ることができます。
マックス・エルンストは版画集《博物誌》で、葉脈や床の木目、糸、金網などをフロッタージュで写し取り、その抽象的なかたちを自然現象や植物、生物モチーフへと転換させています。
版画家の長谷川潔は、あるとき散歩中に一本の老樹が"ボンジュール!"と語りかけてきたように感じたといい、何気ない風景や草花にそれぞれの「神」の存在を見いだす独自の自然観へと至ります。
 同じ一本の花でも、工藤哲巳のプラスチック製の造花が示すのは、現代社会における植物(自然)と人間のアイロニカルな関係です。
1960年代以降ヨーロッパを拠点に活躍した工藤は、環境汚染を引き起こす人間の高度なテクノロジーや文明社会、そしてその背後にある人間中心主義を一貫して批判し続けました。
ローター・バウムガルテンもまた、自然と人間(人工物)の関わりを民族誌の手法で作品化し、博物館における制度化されたまなざしや「自然」・「文化」といった概念自体が人間の作り出したものであることを指摘しています。
今振り返ると、アーティストたちはいずれ来たる人新世(=人間の活動が地球環境に大きな影響を及ぼすようになった地質時代)の到来を鋭く見抜いていたのかもしれません。 以上京都国立近代美術館HPより

ボタニカルガーデン:植物スケッチから工藤哲巳





ウォーレス・ナッティング 1861 - 1941 ラークスパーの庭 1900 プラチナ・プリント、手彩色





ヴェリナ・ウォーレン 1946 - 丈高く青い夏草の中にむらさきのジキタリスの花が育つ 1981





ヴェリナ・ウォーレン 1946 - 乳色の朝が白みはじめ銀色に風景が輝く 1982





インゲル・パーション 1936 - 花の陶彫 1968頃 陶器





ビルイエル・カイピアイネン 1915 - 1988 陶板 1970頃 陶器、釉薬





長谷川 潔 1891 - 1980 アカシヤの老樹 1954 オー・フォルト





長谷川 潔 1891 - 1980 一樹(ニレの木) 1941 ポアント・セーシュ





長谷川 潔 1891 - 1980 再生したる林檎樹 1956 オー・フォルト





長谷川 潔 1891 - 1980 種子草写生 1935 墨





長谷川 潔 1891 - 1980 根の付きたる種子草 1953 青墨





長谷川 潔 1891 - 1980 灌木の一枝 1956 墨、淡彩




長谷川 潔 1891 - 1980 草花写生 A 1935-36 墨、淡彩





長谷川 潔 1891 - 1980 草花写生 B 1935-36 墨、淡彩





長谷川 潔 1891 - 1980 種子草写生 1935 墨





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:14歳以下のひらめき 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:魅惑的な糸杉 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:菩提樹は従順 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:栗の樹の出発 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:打ち明け話 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:偶像 1926





マックス・エルンスト 1891 - 1976 博物誌:葉の習性 1926






1934 川西英手製「竹久夢二木版貼り交ぜ 千代紙」 大正-昭和初期 木版




















千種掃雲 1873 - 1944 「洋草花譜」第拾三輯(ホリホック、カンナ、ダイアンサス) 1929 木版、紙
千種掃雲 1873 - 1944 「洋草花譜」第拾四輯(ペチュニア、カラデューム、スパイダープラント) 1929 木版、紙
千種掃雲 1873 - 1944 「洋草花譜」第拾輯(ソブラリア・ヴィーチー、エピデンドラム) 1929 木版、紙
千種掃雲 1873 - 1944 「洋草花譜」第拾二輯(ウオーターリリー、フォクスグロブ、バスケットフラワー) 1929 木版、紙

























工藤哲巳 1935 - 1990 イヨネスコの肖像 1970-71 椅子、造花、バケツ、木、金属、プラスチック他



















室町時代幻の名花仙翁花、夏水仙、蓮華升麻、金水引、水引、桔梗、女郎花

2019-08-05 16:12:03 | 2019 花


センノウ(仙翁)
鎌倉時代から室町時代にかけて中国から渡来しました。
室町時代京都の禅宗寺院を中心に栄えた文芸・五山文学のなかで、酷暑のなか太陽に向かって燃えるような緋色の花を咲かせる「仙翁花」は、生命力の象徴として漢詩のモチーフに盛んに取り上げられました。
名前の由来は当時嵯峨の山中にあった「仙翁寺」です。
やがて時代が移り、五山文学が廃れ、仙翁寺の所在も一切わからなくなり、この花も姿を消しました。
以来幻の花となったのです。
近年この花が島根県でお盆の仏花として栽培されていたのが再発見され、京都に里帰りしました。
その後、熊本県その他でも相次いで発見されました。
























ナツズイセン(夏水仙)
ヒガンバナ科の花で薄いピンク色ですが、赤ければ秋分の頃田んぼの畦道に咲く彼岸花です。

















レンゲショウマ(蓮華升麻)






















キンミズヒキ(金水引)





ミズヒキ(水引)





オニユリ





桔梗





フシグロセンノウ





女郎花





糸トンボ









京の七夕 鴨川納涼

2019-08-05 05:27:52 | 京都めぐり


旧暦の七夕前後に京都のあちこちで「京の七夕」が開催されます。
鴨川(8/3,4)、堀川(8/10-12)、二条城(8/1-15)、梅小路(8/2-12)、北野紙屋川(8/10-12,16-18)などでライトアップや、各種のイベントが行われます。
京都はこの数日38度超えのうだるような暑さが続いています。
夜も暑いのですが鴨川河川敷は少しはましだろうと思い、夕涼みがてらでかけました。
時間は18時半から19時半の約1時間、鴨川をそぞろ歩きしました。

夕刻の鴨川
河川敷では鴨川納涼が開催中で、特設ステージでのイベントや全国物産即売コーナーなどのブースもあります。





お店の納涼床も盛況のようです。





河川敷はすでに客さんでいっぱいです。
鴨川から風は吹いていますが、生暖かい風です。










鴨川では友禅流しが行われています。
以前はよく市内の川で友禅の染色流しが行われていたのです。
今は禁止されています。
















各県人会による出店が出て、故郷の名物料理が提供されています。
広島お好み焼き、串焼き、ホタテ焼き、ビールが飛ぶように売れています。
海外の観光客も非常に多かったです。










こちらは静岡県富士宮ヤキソバです。





夕食時間帯ということもあり、ビールに各県の名物を皆さん召し上がっています。





先斗町歌舞練場
ここでは有料で「舞妓茶屋」が開催されています。
ビールやソフトドリンクを飲みながら、舞妓さんの踊りを見れます。
























安全管理本部





西陣のマスコット『ニシジンくん』





ますます歩きにくくなってきました。
祇園祭の宵山のようです。





ふれあい空間で披露する素人芸や歌





日が落ち暗くなってきました。





四条大橋















東華菜館(登録有形文化財)





南座







四条大橋より南でも七夕やイルミネーションが飾られています。















菊水





南座










納涼イベントはこれから盛り上がりますが、一足早く帰宅します。