鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第614回】 モノ余りの今

2012年09月05日 | 住宅コンサルタントとして
今の住宅業界を考えた場合、おさえなくてはならないポイントは2点あると思っています。

1つは、お客様が今お住まいのアパートマンション(もしくは戸建て)の
空間としてのクオリティーです。

土地活用の提案がこの10年来、ずっと地域の建設会社、不動産会社、
更には全国大手のD社、R社、T社によって地主さんに対してされてきた結果、
新しいアパート・マンションが建ちまくりました。

結果、劣悪な住環境の古いアパートに住んでいる日本人はかなり少なくなったと思います。
更に、今の賃貸アパートマンションの空間は、そんなに悪くないですよね。

今、生活している住空間のレベルがそこそこなのですから、
今のお客様は普通の新築住宅を見ても「ワオッ!」とはなりません。
空間として、ある一定以上のレベルの空間で無ければ、お客様は家を建てたいとは思わないのです。

ここを理解出来て、自社の住宅のレベルを高め続けてきた会社は、
今、いろんなお客様から問い合わせをいただいたり、モデルハウスにご来場いただけたりしているのです。
逆にこの部分を分かっていない会社さんは、新規のお客様のご来場に苦戦しているのです。

そしてもう1点は、これから家を建てようとされている若い方のセンスの変化です。

今の若い方が、服や小物、バッグなどを購入する際、
何を基準に購入されているかを研究したりすると、
これからの売り手サイドはどんなことに取り組まなくてはならないか、
ということが見えてくるはずです。

今、住まいにしても、モノにしても、日本は消費そのものは増えていないのに、
売り手側が増殖しているので、モノ余り現象がひどく進んでいます。

こういう時に重要なのは、消費者がワクワクドキドキするモノを開発することですし、
思わずそれを見たときに「ワオッ!」と声を上げるような商品やサービスを提供することなのです。

商売のポイントは、消費者が今、何を求めているのかを察知し、
それに適応する商品・サービス・接客を提供し、
更には「そういうこと出来るお店です!」と情報を発信していくことなのです。

「ごもっとも!」と感じていただいた方は多いのではないでしょうか?

でも、「自社(自店)が、果たしてこれらのことが出来ていますか?」という問いに対して、
皆様はどうお感じになりましたか?

「ウチは出来ている!」

と胸を張って言える方、さすがです!

「ウチはまだまだです・・・」

と思った方。
今すぐ、何かに取組みましょう!

「どうやったら売れるか?」ということを日々考えるよりも、
「お客様は一体何をもとめていらっしゃるのだろう?」ということを考えることが、
自分のマーケティングセンスを高めてくれるのです。
コメント
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