田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

クロミャクチャタテの集団

2008-10-25 | 田中川
クロミャクチャタテ
チャタテムシ目Psocoptera チャタテ科Psocidae 
クロミャクチャタテ Sigmatoneura kolbei (Enderlein, 1906)
翅が透明な左の3個体が雄、右端が雌。

庭のモッコクが枯れてしまったので、枯れ枝を丁寧に鋸で切リ落としていたところ、何かの幼虫が幹を右往左往していることに気がついた。さらに、枝先には成虫たちの群れが居た。散らばっていた幼虫たちはやがて複数の小集団を作り出した。そして1時間後には50匹以上の全ての幼虫が一ヶ所に集合していた。
二日間雨が続き、枝の裏側に止まる彼らの姿を目撃した。
三日後に覘いてみたら、幼虫も成虫も1匹残らず姿を消していた。
どうやらあの幼虫たちは一斉に羽化して、ほどなくして離れ離れとなり、単独生活に入っていったと思われる。

日本動物大百科(1996)によると、チャタテムシ類の特徴は「頭部が良く発達していることや長い触角をそなえること、胸部背面が大きく盛り上がることなど」で、また「チャタテ科Psocidaeは8属20種がある。樹幹にすみ、地衣類を食べる、いくつかの属では、幼虫の集合性が見られる。」という。
「Checklist of Japanese Psocoptera 」(吉澤 2004)によると、チャタテ科は12属46種あり、クロミャクチャタテの分布は北海道、本州、九州、台湾となっている。
種の同定にあたっては北大の吉澤先生にご教授いただいた。
2008.10.22

クロミャクチャタテ
クロミャクチャタテ 左♂ 右♀
サイズは♂で翅端まで約7ミリ、♀で約9ミリ

クロミャクチャタテ
クロミャクチャタテ雌

クロミャクチャタテ幼虫
クロミャクチャタテ幼虫

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