川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

津波の恐ろしさの認識を

2010-03-01 19:37:56 | 日記
 2月27日に南米チリで発生した大地震により日本列島を津波が襲いました。浸水の被害があったり、漁網や養殖筏が被害にあいましたが、人的な被害がなかったということが不幸中の幸いでした。テレビでは海岸近くで津波の様子を見る人が映し出されていましたが、松阪市内の海岸近くでも海の様子を見る人がいて、市の方では避難を呼びかけるのに大変だったそうです。

 私は平成18年6月議会で松阪市が津波のハザードマップを作製したのにあわせて、津波からの避難について一般質問をしました。この時津波の波の恐ろしさを実感しました。
 このハザードマップは紀伊半島沖から四国沖を震源地とする東海地震・東南海地震・南海地震が同時に発生した場合を想定して作製されたものです。これらの地震は約200年周期で起きていますが、前回の発生から200年が経過して、いつ起きても不思議でないというところまできています。これらの地震が発生しますと大津波が太平洋沿岸に押し寄せます。松阪の沿岸に大津波が到達するのは、東黒部の中ノ川の河口付近で地震発生から約2時間20分後(50㎝の波は55分後)、三渡川の河口付近で約3時間後です。

 波の高さは低い所で約3m、高い所では5mを越えることが予想されます。この時松阪沿岸の堤防が持ちこたえてくれればいいのですが、津波の波の破壊力はものすごいものがあります。海岸に打ち寄せる普通の波は30㎝でもどうってことはないのですが、津波の30㎝の波は大人でも立っていられないといわれています。1mの波で倒壊する建物がでてきます。津波で亡くなる人の多くは水死ではなく、波で強く打ち付けられて全身打撲で亡くなるそうです。

 もし、松阪沿岸の堤防が津波で破壊されたとき、水は内陸に向かって押し寄せます。台風や集中豪雨で川の堤防が決壊したり、海の堤防が決壊して水が押し寄せる、この水も大変恐い水ですが、津波の水の怖さはこの比ではありません。
 だから東海地震などの大地震が起きたら一刻も早く避難場所に逃げなくてはなりません。私は紀伊長島町で津波の避難場所の設定の仕事に携わったことがありますが、あの付近では震源地に近いこともあって地震発生から15分後に津波がやってきます。はたして15分間で裏山の避難場所に逃げられるのか心配でした。

 幸い松阪では2時間余りの時間があります。しかし決して長い時間ではありません。これらの地震の発生に伴い倒壊する建物もでてきて、道路がふさがれることも考えられます。また道路が寸断されたり、橋が落ちたり、電柱が倒れたりして車は使えないことが十分考えられ、徒歩での避難を想定しなければなりません。停電などで真っ暗な夜間かもしれません。雨や雪の中を、また炎天下の中を避難する場合もあります。だから日頃より学校などの避難場所の確認や、避難経路の確認をしておかなければなりません。お年寄りや障がい者の人たちをどう避難させるかなどのシミュレーションや、避難訓練なども必要です。

 今回津波警報による各地での避難勧告にかかわらず、家に残った人が結構あったということですが、行政の指示に従っていただきたい。また物見優山で海岸付近に近づくことなどもってのほかです。市民の皆さん今一度、津波の波の恐ろしさを認識して下さい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿