川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

震災ガレキ処理を考えるシンポジューム開催される

2012-05-27 22:41:03 | 日記
 東日本大震災で発生したガレキを、松阪市で受け入れて処理すべきどうかを市民で考える、『「東日本大震災のガレキ処理」のあり方を考えるシンポジューム』が5月27日、松阪市桂瀬町の松阪市多目的研修集会施設で開催されました。この日会場には第二清掃工場周辺の住民など107名(報道関係除く)が来場しました。
 始めに主催者側の中川副市長があいさつの中で、このシンポジュームは、ガレキを受け入れるということを前提に行われるものでなく、市民の皆さんのご意見をお聞かせ願うために開催しましたと、述べました。

 この日パネラーとして出席されたのは、
  環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課 課長補佐 阪口芳輝 氏
  三重県環境生活部廃棄物対策局RDF・広域処理推進監 小川正彦 氏
  陸前高田市民生部市民環境課 課長 堺 伸也 氏
  久慈市市民生活部生活環境課 課長 夏井正悟 氏
  名古屋大学大学院工学研究科エネルギー理工学専攻 准教授 森泉 純氏
の各氏で、それぞれの専門分野から、約10分の持ち時間で話しをしました。

 説明後参加者から意見や質問がありました。主なものは次のようです。
○意見
 今の松阪市のごみ処理施設は老朽化しており、だましだまし使っていている状態で、ガレキを受け入れる余裕はないのではないか。また放射能も多少はあるのではないか、他の方法で支援をしたい。
○答
 現在80%の能力で使っており、1日10t位の余力はある。
○意見
 岩手県や宮城県の新設のごみ処理施設は専用のフィルターが付いると聞いている、地方の処理施設にはフィルターが無いので心配である。焼却灰の処理はどうするのか、また輸送に金がかかるので現地で処理した方が良いのではないか。
○答
 現地の処理施設に特別のフィルターが付いていると言うわけではない、地方の施設と同じである。焼却灰は国有地への処理を含めて考えており、松阪市の最終処分場に埋め立てる考えはない。
1日100tの処理施設を1基造るのに約100億円かかる。そのため現地で処理するにはtあたり2~7万円かかり、広域処理の3~7万円と変わらない。
○意見
 胃の照射やレントゲンにも放射能を被爆している、受け入れる余裕があれば受け入れてもいいのではないか。
○意見
ガレキ処理のあり方を考えて、どの辺にゴールをおいているのか。
○答
 7つの課題をもって、どういう形で積み上げていくのか、工程表は持っていない。今日の一部のシンポジュームで地元の人の意見聞き、2部で市民の意見を聞いて、次のステップに進みたい。
○意見
 処分場の建て替えの時の説明で、よそのごみは受け入れないと言われたが。
○答
 松阪市以外の自治体のごみは受け入れないと言うことで、災害ごみは別であると協定書にも記載してある。

 環境省からは国が国有地に燃焼灰の処分場を造ることは考えていない。処分場を造るとなると、地元同意や設計、建設工事など5年~10年かかるため間に合わないためと言われた。陸前高田市からは松阪市からの支援に対するお礼があり、100名の職員を津波で亡くしており、全国から職員の支援の受けている現状の報告がありました。久慈市からは死者・不明者が4人と被災地の中では少なかった。湾口4㎞の防波堤があったためで、なぜ少なかったか見に来てほしいと言われた。

 今回のシンポジュームは地元の人を対象としたものであったが、なぜか市外からの参加者もあったようです。もう少しヤジや怒号が飛び交うような会であると予想していましたが、参加された皆様は冷静に真摯に意見や質問を述べられていました。反対の立場で意見を言われた人が多かったが、中立や賛成の立場の意見もありました。午後6時からは松阪市産業振興センターで、市民を対象としたシンポジュームがありました。

                     
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スポーツ施設の命名権事業所... | トップ | 広域農道「ビーフロード」開... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (松阪っ子)
2012-06-08 22:26:36
私もシンポジウムに参加しました。
産業新興センターの方だけですが。

市長はずっとマイクを手放さずにいかに安全かを話しておられましたが、全く根拠が乏しいと思いました。
初めてじっくりと市長の話を聞いたのですが、失礼と言うか上から目線というか…。
とても私たち市民のことを第一に考えてくださっているようには見えませんでした。
実は前回の選挙で投票したのですが、かなり後悔しております。

印象に残ったのは、最後まで被害発生時の責任の取り方や補償について答えなかったことです。
これは市民にとって切実な問題で、起こり得ないから考えないという返答は不誠実です。

また、旧ソ連の資料を元にチェルノブイリでもさして健康被害はなかったと見解を述べられたのには驚きました。
放射性物質の健康被害は因果関係の立証が困難ですが、だからと言って影響がないと断定するのは極論ですよ。
実際には多くの症例があり、未解明な部分も多く疫学的にも研究段階だからこそ危険だというのが一般認識でしょう。
外部被ばくの説明ばかりでしたが、むしろ危険なのは内部被ばくであり、専門家の間でも問題にされています。
初めからどんな被害も認める気がない、どうせ立証困難だから安全で押し通すと言われたようなものです。

健康被害や経済的な被害は一般市民が被ることになるのです。
ささやかな生活が瓦解してしまいます。
もし瓦礫受け入れで健康被害や経済的被害、土壌汚染などが引き起こされたら、決定した方々に対して行政訴訟しなければと思いました。

どうぞ瓦礫は受け入れないでください。
市民をお守りください。

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事