松阪市小野町の北斗山向井院で4月19日に大祭が行われました。この神事は三重県修験道会(向井朋範会長)が主催し、松阪市観光協会が後援をして毎年この日に行われるもので、同修験道会の会員15名により、紫燈大護摩や火性三昧(火渡り)が儀式に則り行われました。
この神事は向井会長の話によると、明治の後期(35~40年頃)に始まったもので、明治18年2月18日、小野町の集落の東側にある向山から仏像が出土しました。向井会長の父・向井董峰さんの夢で、この仏像を向山の上に祀るようにお告げがあり、個人が持っていた山を譲り受け、仏像を祀ったということです。この向山は向山古墳のある山の一角で、昔から「不思議の山」と言われており、年配の人の話では子供のころには洞窟があり、よく遊んだということです。 向山の上で、ほら貝が鳴り響く中行われた祭礼の最後に火渡りがあり、見学に来た近くの人たちが煙の立ち込める薪の上を順番に渡り、家内安全、五穀豊穣などを祈りました。 向井朋範会長の息子さんの向井久視さんよりいただいた資料に、護摩供の所以がありましたので紹介します。 護摩 護摩とは焼の義である。 大日法身の智火を以って法界に遍満し、周遍法界の智火を以って、衆生の無明の煩悩を、焼き盡すのである。不道明王觀を為し、諸障浄除して三事をなす。 三事とは、息災、増益、調伏であり、三事三平等、身口意、本尊、炉、行者が三々平等、入我我入し、衆生の願いを叶えるものである。 法弓 神力の加持により、道場に障害を与える賊、即ち悪魔を退散せしめ東西南北、四維上下又、青黄赤白黒の相、自然に現じて、五大神龍王降臨して、悪魔の結界を為し給う。 法斧 斧とは、深山を切り開き、抖そう修行の密具であり、薪を切って身に付いた煩悩の敵を断焼して、有無の二見を焼尽する事火の減するが如し。 法剣 不道明王般若の利剣であり、自分を切る事なく、又、人をも切らず、煩悩も切る事なく、その心無である。然し、一旦邪の心、即ち、善と悪が交差して戦う時、憤然としてその悪を断絶して如来に導かんとするものである。
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