川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

日本と韓国(5)「大らかな韓国人の気質」

2010-09-05 10:38:24 | 日記
 韓国人を前にしてよく冗談を言ったのは、「日本人はよく言えば繊細、悪く言えば細かすぎ。韓国人はよく言えば大らか、悪く言えば大ざっぱ」。
 韓国人は大陸系の人種で、大らかだということを聞いていました。たしかに韓国で過ごしていると韓国社会は全てにおいて大らかでした。

 韓国の町中の歩道では、歩道いっぱいにいろいろな品物を並べて売っています。売っている物は果物であったり、靴や衣類、ナベやヤカンのような日用品であったり、歩道を狭しと並べられています。歩行者は文句も言わずに狭くなった歩道を歩いています。日本であれば、すぐ近所や通行人から通行の邪魔になると苦情があったり、警察が来て道路交通法に違反するとか言われそうです。
 少し郊外でしたが、近くの皮のなめし工場が、近くの歩道の上全面に皮を並べて干してある光景も見ました。数十mに渡って歩行者は歩道を通ることはできない状態でした。また車道の端に車を止め、歩道の方にテントを出してテーブルやいすを並べ、食べ物の店をしている光景も見ました。韓国では日本と違い全てが大らかでした。

 私と同じ会社の同僚が韓国の別の土地で、地質調査のボーリングの管理をしている時の話しです。民地の畑でボーリングをすることになりました。日本であれば当然地権者には了解をとり、また自治会長や地元の人に説明をしたりしてから、作業に入ります。彼の現場ではそのような手続きは一切なく、いきなりボーリング屋はキャタピラで畑の中に入っていき、少々の野菜は踏んでいって、ボーリングを始めたそうです。韓国人がいかに大らかといえども、他人が勝手に自分の畑でボーリングをしているので怒ってきたそうです。それでもボーリング屋は知らん顔して作業を続けていたら、そのうち地権者はあきらめて帰って行ったそうです。日本であれば警察沙汰です。

 このように韓国の人々は大らかなであり、また大変情熱的で勤勉です。
 会社に来ていた金氏は家族を釜山に残しての単身赴任でしたが、1日に5回くらい家族に電話すると聞きました。また韓国のサッカーの人気スターで、一時日本のJリーグでプレイしていた安貞桓(アン・ジョンファン)選手はインタビューで、1日に20回位家に電話するといっていた記憶があります。「便りのないのが無事と思え」という我々とはえらい違いです。

 私たちが接した韓国の人々はみんな親切にして下さいました。しかしこれまでの歴史の中で、今の韓国の人々の心の奥に日本に対してどのような思いがあるかは分かりません。韓国社会にも韓国の人々にも、1本芯のようなものが通っているような気がしました。それは儒教精神からくるものもあり、徴兵制による軍隊で培われたものでもあるかも知れません。
 松阪市は現在、中国無錫市濱湖区と友好都市提携を結んでいますが、韓国の都市との交流も学ぶところが多いのではないかと思います。日本にないものが韓国にあったり、あるいは日本ではすでになくなってしまったものが、韓国にはたくさん残っています。

                   (おわり)
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