川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

現代の麦踏み

2018-02-28 08:10:49 | 日記
                    (機械による麦踏み―西野町付近で)

 極寒の真冬からやっと春を感じられる季節になってきました。田んぼでは寒さの中で耐えてきた麦が、暖かくなるこれからの季節の中で生長していこうとしています。その田の中で機械による「麦踏み」が行われています。

 「麦踏み」。
 若い皆さんは「麦踏み」という言葉を知っていますか。冬の間に霜柱等で浮き上がった麦の根を足で踏むつけて、地面にしっかり根付かせることです。「踏まれれば踏まれるほど強く育つ」という人生のたとえによく使われますが、今や「麦踏み」という言葉は死語となりつつある気がします。しかし同じ効果のある作業が今は機械で行われていました。トラクターの後ろに取り付けられたローラーで麦を踏んでいくのです。

 私の若いとき、大河内地内に大河内青年学級という青年のグループがありました。私は隣の松尾地区ですが、松尾から私を含めて数人がこの大河内青年学級に入れてもらっていました。ここでは毎月ガリ版刷りの文集「若木」を発行していました。この中に私が“若気の至り”作って投稿した「麦ふみ」という詩がありました。20代の前半の作品です。その頃は素朴な青年でした。(今もそうですが)

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麦ふみ                   川口 保

かあちゃん。寒いね。
おやそうかい。マー坊もすすきになんかもたれていないで麦ふみをしてごらんあたたかくなるよ。

うん。

かあちゃん。どうして麦ふみするの。
麦ふみはね、霜柱でもちあげられた根をもとにもどすんだよ、だからね麦は踏まれる程強く育つんだよ。

ふーん。

かあちゃん。ぼく暖かくなってきたよ。ポッケから手を出しても平気だよ、ほら、みて。

かあちゃん。なかなか進まないね、ぼくもっと早く進んじゃう。
いいよ、いいよ、ゆっくりでいいからマー坊の列の麦はマー坊が一本ものこさず踏むんだよ。

うん。
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