川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

政党名に思う

2018-05-09 05:19:32 | 日記
 5月7日、希望の党と民進党が合流した新党「国民民主党」の設立大会があった。当初、立憲民主党を抜いて野党第1党の規模と予想されていたが、参加した衆参両院議員は62人と、立民を下回った。

 小池百合子東京都知事が「希望の党」と書かれた新党名を発表して希望の党が結成されたのが、昨年の9月25日。その時はまさに希望にあふれ、期待を膨らませていく政党であったかに思えた。希望へ希望へと草木もなびく。来る衆議院選挙の当選を目指して多くの衆議院議員が入党し、新たに立候補を目指す新人達も推薦を求めた。この希望の党が1年もしないうちに空中分解しようとはこのとき、どれだけの人が予想しただろうか。小池知事の「排除します」の一言で人気は一気に冷め、衆議院選では大敗した。

 カリスマ性のある一人の指導者に率いられる組織は、急速に発展する可能性をもっている。しかしその反面、危うさも合わせ持っている。指導者の言動に何かの問題が発生すれば「親亀こけたら 皆こけた!」となりかねない。まさに希望の党がそうであった。かつてのみんなの党がそうであったように。

 先の衆院選で希望の党から出て何とか当選した議員も、今や色あせた希望の党を名乗るのもはばかられたのではないか。それが今回の希望の党と民進党が合併して新党「国民民主党」となったのではないか。ただ、新しい党に対して期待が感じられない。それが入党者の少なかった要因ではないか。それでも色あせた希望の党よりはましだろう。民主党から民進党、そして希望の党から国民民主党へと、こんなに頻繁に党名が変わっていくと、政党としての評価は当然軽い。そしてなにより党名を覚える暇がない。

 中道の政党の名前が次々と変わって中で、党名が長く続いている自民党、公明党、共産党は強い。日本民主党と自由党が合流して「自由民主党」ができたのが、戦後間もない昭和30年(1955)。途中何度か大量の離党者もあり、野に下ったことや、社会党との連立政権もあったが、結党以来60余年同じ党名できたことになる。また公明党は昭和39年(1964)に結成され、平成6年(1994)の新進党の結党に加わったが、平成10年(1998)に再結成され今日に至っている。日本共産党にいたっては結成されたのが大正11年(1922)、約100年の歴史がある。党の中ではいろいろあるが、同じ党名が続けられていると重みが違う。

 今回の野党の合流に立憲民主党が加わらなかったのはよかった。「排除」されたとはいえ、しっかりした理念を持って結成された党で、やや硬い名ではあるが、このまま党名を変えずに、5年、10年、30年、50年と続けてほしい。