フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

癒し

2016-08-21 23:54:03 | Weblog
相変わらず「癒し」という言葉がいろんな場面で使われています。癒しとは病苦などからの解放という重い意味を持った言葉ですが、それほど拘った意味ではなく良く使われるのはたまったストレスを和らげたい、ちょっと落ち込んだ気持ちをリフレッシュしたいというぐらいの感じで、これもマスコミが作り出したポップな流行語の一つでしょう。
世間には仏もいますが鬼もいる、だから理不尽もあり不条理もあります。それによって心はくたびれ、傷もつきます。そこで癒されたいという願望が生まれます。昔は癒しという言葉を使うこともなく、「これも修行」とか「勉強になった」などと耐えていく姿勢をとったものでした。戦後のストレス緩和装置が働いて癒しになったのでしょう。
ただ心配なのは、癒しという言葉と並行して「キレる」や「ムカつく」などの言葉も台頭して来ました。我慢出来ない世代が増えてしまった証拠の癒しプームなんでしょうか。

鼻濁音

2016-08-20 23:50:38 | Weblog
「午後5時、5号車で語学の先生に会う」これを読んでみて下さい。何のこと?と思うかもしれませんね。それは鼻濁音が上手く発音出来るかのリトマス試験紙になる文章なんです。最近はアナウンサーの中でも鼻濁音を上手く使えない人が多くいます。鼻濁音というのは「が行」の子音を発音する際に音を鼻に抜くことです。もともと中国、四国、九州地方では鼻濁音を使わず、関東でも使わない地域があるようです。だから、鼻濁音を使おうが使うまいがどうでもよいかも知れませんが、日本語の美しさを保つ方策の一つですから、大切にして欲しいと思うので残念な現象です。
歌手の中にも鼻濁音を使えない人が増えています。鼻濁音そのものを知らないのではないかと思うくらいです。かつて山口百恵さんは鼻濁音使いが完璧でした。一度「いい日旅立ち」を聞いてみて下さい。模範的な鼻濁音の発音で歌っていますから。年齢が若い人ほど使う比率が下がっていますから大変ですね。

居ながら

2016-08-19 22:47:59 | Weblog
この世から消えたものに駅などにあった伝言板があります。若いひとの中には伝言板その物を知らない人もいるのでしょうね。確かに携帯電話ほか諸々の普及で、個人同士の連絡は簡単に出来る世の中になりました。そういえば大学生も大学からの連絡は、昔は構内の掲示板から知ったものでした。今はパソコンや携帯電話から電子掲示板にアクセスして知ることが出来ます。突然の休講でさえ、学校に行かずに知ることが出来るのです。
銀行の入金記録も自宅のパソコンから確認出来るんですからね。読書でさえパソコンやスマホで簡単に出来ます。その意味で大変な時間の節約になっているわけです。
ただ、資料を集める為にさらに資料を集めるなどと際限なく連鎖してしまいます。便利さと裏返しの状態ですよね。ですからITを本当に効率化に役立つようにするには、結局は使うものの心構えとセンス次第ということになるのでしょうね。とは言っても私は相変わらずガラケーですが(笑)。

善人か悪人か。

2016-08-18 23:51:05 | Weblog
先日、野球の西鉄ライオンズの全盛期を支えた豊田泰光さんが亡くなりました。私の豊田さんの思い出は大好きな新聞コラムです。ちょっと毒舌気味なんですが、記憶にある意見として悪人と善人があります。
「善人といわれる人たちも悪人になる度胸も責任感もなく仕方なく善人してますというケースが少なくない」という言葉です。犯罪者という意味の悪人ではなく、人に悪く思われるのがいやという善人です。つまり、例えば組織の中で組織を守る為に辛口を連発して組織を引き締める人などは悪人になってしまうのです。そう思われない為になあなあで過ごしてしまうのです。この人は善人だと評価されることが多くあります。こうした過ごし方をしてくると、組織を引っ張る立場になった時には、どうしても耳に心地よい進言だけを聞くことになってしまうのです。人に意見が出来ない善人ばかりになってしまう心配も豊田さんにはあったのでしょう。
ただ、胆にめいじておきたいのは、悪人になるには、責任感が伴うことを忘れないように。

眠り

2016-08-17 20:50:45 | Weblog
寝不足が続いていませんか?リオ五輪の中継をみているうちに深夜になってしまった。この時期の暑さで寝苦しさで眠れないなど、いろんな条件が重なって寝不足になってしまうのです。
さて、体に熱がこもって眠れないときは額と後頭部を室温よりも3度から4度低い程度に冷やすと暑苦しさがやわらぐそうです。ただし冷やし過ぎると体自体が緊張して却って寝つきが悪くなることもあるようですから、気を付けなくてはなりません。また、最近はニュースなどで室内でも熱中症にかかることがあると報道され、水分補給に一生懸命になる人も多くあります。ですから寝る前にも冷たい飲み物をつい飲んでしまいます。
実は眠る前は冷たい飲み物より温かい飲み物を飲んだほうが良いようです。何故ならば、いったん温めた体温が下がっていくときに眠りにつきやすいからです。しかしコーヒーなどのカフェインが入ったものは避け、ラベンダーなどのリラックス出来るハーブティーが良いようです。

日本を伝える

2016-08-16 23:59:48 | Weblog
リオ五輪は日本選手が好調で、応援も楽しいですね。この調子なら東京五輪も楽しみに待てそうです。
さて、リオ五輪の中継やニュースを見ていると流石に五輪だけあって、世界からの観光客や応援団が数多く訪れている様子がうかがえます。四年後の東京五輪では、このところ日本を訪れる観光客が増えているのに合わせて相当数の外国からの観光客が増えると予想されます。その中で少し考えなくてはなりません。それは訪れる外国人、日本人、特に若い人のコミュニケーションの取り方はどう学んでいるのでしょうか。せっかくの機会ですから、訪れる人達に日本の文化、生活、あるいは日本人の考え方といったものを伝えるチャンスにして貰いたいですね。その重要性を若者に教えるとともに、こういったことをするために英語の勉強が必要なのです。
学生に強調して欲しいです。人としての評価は自分の国の歴史や文化を語ることが出来る人が高いのですから、この四年間にしっかり勉強して欲しいものです。

朝鍛夕練

2016-08-15 23:43:38 | Weblog
この「朝鍛夕練」という言葉は剣豪の宮本武蔵の言葉です。リオ五輪のメダリスト達のインタビューを聞いているとこの「朝鍛夕練」言葉に当たる発言が多く聞かれます。
かつてプロ野球で九連覇を果たした巨人軍の川上監督は選手時代は「打撃の神様」と言われた凄い打者でした。川上さんはその選手時代の練習方法は鍛練に鍛練を重ね、限界までバッティング練習を繰り返したそうです。これがプロの仕事なんだということですが、鍛練を続けることで、最後には「投手が投げるボールが止まって見えた」そうですから、もの凄い練習方法だったのですね。その神様が率いる巨人軍の選手も、長島、王という選手がいたとしても、その指導法も限界を求めるものだったでしょう。これ以上出来ないところまで練習をしておけば、平常心を得られるものです。
ではサラリーマンはどういう対応をしたら良いのでしょう。それはある時期徹底的に仕事に打ち込むことだと教えてくれます。その後の取り組みが自然に変わって来ますよ。

エイジング

2016-08-14 22:11:07 | Weblog
昨日はおじいちゃんの話を書きましたが、今日はアンチエイジングの話。「エイジング」は「加齢」とか「老い」と訳されるわけですが「熟成」という訳語もありますから、エイジングを暗いイメージを持つ必要はありません。どうも老いを表す言葉は暗さがつきまといます。これを当たり前のように社会が決めてしまっているのが、残念です。社会の価値観が「若さ」「現役」に重きをおく商品が主流になっていますからね。
若さの世代と年寄りの世代の丁度狭間では、「隠居」すべきか、それとも「生涯現役」かで気持ちが揺れる微妙な問題でもあります。寿命が伸びれば延びるほど老後の生き方を真剣に考えなくてはならない時代に生きているのです。ですから、老年になったからと言って精神が怠惰になることがあってはいけません。ただ、老いを拒絶する社会はいただけません。
さて「敬老の日」は日本以外の諸外国にはありません。このことは少し日本を誇りに思えませんか。

おじいちゃん

2016-08-13 22:57:47 | Weblog
自分が年をとると、あれほど「おじいちゃん」とか「じいじ」なんて呼ばれたくないと思っていたのに、今では自分からじいじなどと平気で口にしているのですからおかしなもんです。ましてやラジオでは、SKEの番組で「SKEとおじいちゃん」のコーナーをやっているのですから、何をかいわんやです。また、おじいちゃんという字もよく目に入ってくるんですね。氷川きよしさんの新曲は「おじいちゃんちへ行こう」です。明日の「松原敬生の日曜も歌謡曲」の1曲目で放送しますから聞いて下さい。
それにしてもオヤジ全盛の時期には、おしゃべりすれば「オヤジギャグ」としてよく寒い寒いと言われましたね(笑)。そしておじいちゃんになれば、世間ではレジェンドという言葉があるにもかかわらずおじいちゃんですから、どこまでも横文字が似合わないのでしょうね。そのうち「おじいちゃんアナウンサー」というのが私の代名詞になるのでしょう。仕方ないか。

思いっきり

2016-08-12 23:58:23 | Weblog
リオ五輪で日本の好成績に沸く陰で、我がドラゴンズは全く不甲斐ない結果が続いています。熱狂的なファンでさえもうすっかり諦めが走っています。そこでドラゴンズに対する私見を述べることにします。
それは、ゲームを見ていて選手達が悪い結果を怖れて思いっきりの少なさを感じます。特にチャンスに打席に立つ選手です。初球の甘い球をあっさり見送ります。そしてすぐカウントを追い込まれ、打てそうにない悪球に手を出して空振りの三振。こんなシーンをどれだけ見たことでしょうか。三振が悪いと言っているわけではありません。初球からガンガン振っての三振ならば納得がいくのです。三振を怖れて結局三振なんです。中途半端に当てにいって凡退というのは、三振覚悟の空振りが少ないからでしょう。勝負強さとはへっぴり腰からは生まれないんだという認識を選手一人一人が持てば土壇場での勝負弱さは陰を潜めるのではないでしょうか。
誰が新監督になるかわかりませんが、その当たりをしっかり指導して欲しいですね。