フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

癒し

2016-08-21 23:54:03 | Weblog
相変わらず「癒し」という言葉がいろんな場面で使われています。癒しとは病苦などからの解放という重い意味を持った言葉ですが、それほど拘った意味ではなく良く使われるのはたまったストレスを和らげたい、ちょっと落ち込んだ気持ちをリフレッシュしたいというぐらいの感じで、これもマスコミが作り出したポップな流行語の一つでしょう。
世間には仏もいますが鬼もいる、だから理不尽もあり不条理もあります。それによって心はくたびれ、傷もつきます。そこで癒されたいという願望が生まれます。昔は癒しという言葉を使うこともなく、「これも修行」とか「勉強になった」などと耐えていく姿勢をとったものでした。戦後のストレス緩和装置が働いて癒しになったのでしょう。
ただ心配なのは、癒しという言葉と並行して「キレる」や「ムカつく」などの言葉も台頭して来ました。我慢出来ない世代が増えてしまった証拠の癒しプームなんでしょうか。