蛍

水辺の草むらに棲む蛍は、夜になると飛び交い、青白い光をポツポツと灯します。成虫の寿命は1～2週間ぐらいで、盛りの時期は梅雨の頃と言われていますから、今年もそろそろピークが過ぎたでしょうか。一般によく知られているゲンジボタルは水のきれいな川で幼虫期を過ごし成虫になると陸に上がるのです。「蛍狩」と「蛍見」という言葉があります。「蛍狩」は蛍の採集を。「蛍見」は鑑賞を主な目的としているのです。
さて、西日本と東日本ではゲンジボタルの発光の間隔が異なっています。西日本では2秒間隔で光り、東日本では4秒間隔で発光します。蛍は東日本の蛍のほうがのんびりしているようですね。蛍の幼虫はカワニナなどを食べて育ちます。しかし農薬などでカワニナの成育が悪くなっています。となると「こっちの水は甘いぞ」とどの水も甘くなるのです。蛍の光は生殖行為の一つですが、それとは知らず深い闇に涼を求めて浴衣姿で団扇を携えて歩くのが風情があるんですねぇ(笑)。