フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

忘れ物

2013-10-11 22:40:25 | Weblog
年をとったとどんな時に感じますか?という質問をうけたら、やはり忘れることが多くなると答えますね。極端にいえば立ち上がったとたんに何で立ち上がったかを忘れてしまうことがあります(笑)。その他、やはり人の名前が出てこないです。JRの忘れ物の中にはビックリするようなものがあると聞きますが、おそらく年のせいかと思いますね。
ところで年が若いのに忘れ物をしてそれが証拠になり逮捕された泥棒がアメリカにいたそうですよ。住宅に盗みに入った20歳の男が、トイレで用を足した後、水を流さずに逃走しました。現場のトイレにはその男が使用したトイレットペーパーが残されていて、DNA鑑定されました。これが決め手になって男は逮捕されました。これが本当のウンのつきかもしれませんね(笑)。
忘れることで新しいことが覚えられるとよく言いますが、忘れる量と覚える量の差がだんだん大きくなるのが老化の現象ですね。それと面倒くささが重なって思い出す努力をしなくなりますが、これがさらに老化を早めるそうですよ。忘れたことをきちんと思い出す尻拭いはしないとダメですよ。

秋晴れ

2013-10-10 18:12:14 | Weblog
2回目の東京五輪が決まった今年も10月10日の今日、快晴です。1964年の東京五輪開会式も今日のような快晴でした。当時開会式をいつにするかを決める際にこの10月10日が晴れの特異日ということで決定され、その通りの快晴になりました。天気は気まぐれですが、その中で晴れやすいとか、雨が降りやすいといわれる日があります。これを特異日と呼んでいます。「文化の日」などは特異日として有名です。こうして無事東京五輪がスタートしたのを記念して10月10日を「体育の日」の祝日にしたのですが、いつの間にかハッピーマンデーとなり、体育の日も年ごとに違う日になりました。記念日の意味をはき違えているようです。
さて、その特異日の秋晴れであってもまだまだ夏をひきづっているような暑さがあります。ある程度の規則性によって特異日が生まれるはずなんですが、どうもその辺りはだんだん変化しているようです。季節商品を扱うお店の人には同情申し上げます。しかし長期の予報によると今年の11月は殺人寒波が訪れるとか。秋晴れも一気に冬枯れになるかもしれません。短い秋を大切に味わいましょう。

習い事

2013-10-09 23:24:57 | Weblog
我々の子供の頃、昭和20年代から30年代の習い事といえば、まず、学習塾、次にそろばん塾、それに習字が定番でした。ところが今や習い事のトップはスポーツ、それに学習塾、その後、外国語か楽器です。アジアでは圧倒的に外国語を習うことが多いようです。経済発展の度合いに関わらず教育熱が高いのがアジアのようです。日本のスポーツ人気はやはりメディアに取り上げられる機会が多いことでしょう。また口には出さなくても有名アスリートの収入の高さもあるのだと思います(当人よりも親の気持ちかもしれませんね(笑)。)。
我々のそろばん、習字などは日常の生活の中で、そつなく仕事がこなせるという思いのほうが強かった気がします。また、人々の視線も国内ばかり見ていて外国語は二の次になっていた時代です。外国旅行が決まると一族郎党が揃って空港に見送りに出掛けたくらいの大変な出来事の時代でしたからね。さらにいえば、学校以外に学ばせるだけの費用が捻出するのが苦しいこともありました。私が若くて、今から学べと言われればやはり外国語ですね。

数独

2013-10-08 23:48:16 | Weblog
イギリスにはクロスワードウイドーという言葉があります。クロスワードというパズルが流行していて、ご主人がやりはじめると奥さんを見向きもしないからです。しかしクロスワードはご主人だけでなく奥さんにも人気なので、イギリスで電車に乗って座席に座るや否や、雑誌や新聞を取りだしてクロスワードに取り組む光景がよく見られると聞きました。日本の電車ではクロスワードを楽しむ人は少ないようですが、携帯でのゲームには多くの人が楽しんでいます。
私が好きなのは、数独です。ナンプレとも呼ばれているものですが、超難問にぶつかるとどうしても歯が立たないことがあります。わずか1から9までの数字だけなのに…と思うのですがね。クロスワードがイギリスの新聞に掲載されていて、解答は翌日の新聞に掲載されます。販売の方法の一つですね。日本でも数独が新聞に載りますが、宅配が多いせいか、同じ紙面に解答が載ることが多いですね。
さてこの数独は固くなった脳の働きを取り戻す効果があるとよく言われますが、果たして私の脳はどう受け止めていますかねえ。

食欲の秋

2013-10-07 23:50:27 | Weblog
いろいろな秋。中でも食欲の秋を満喫している人は多いでしょう。昔は食欲の秋のことを秋渇き(あきかわき)と言いました。この渇きは乾燥することではなく、のどが渇いた、おなかがすいたといった時のように、何を食べても美味しいという意味です。渇きという字からも猛烈に食べる様子が伺えますね。しかしこの年代になると物凄く食欲があっても昔ほど量が進まないのも事実です。若い人の猛烈な勢いで食べている様子を見ると、うらやましい限りです。
ところで、核家族化で料理の小売りの状況が変化しています。デパ地下での食料品売り場では、一人前のおかずが所狭しと並んでいます。た、NHKの長寿番組「きょうの料理」で使う食材が4人分から2人分に変わったことにお気付きでしょうか。最近の国勢調査では一世帯の人数は平均2.6人にまで減っています。晩婚や未婚の傾向も強まっていますから当然です。このままいけばやがて料理番組もお一人様の分量になりかねませんね。円卓のテーブルを家族が囲んでおお皿に盛られたおかずを取り合う光景は今は昔ですね

子供

2013-10-06 21:41:49 | Weblog
子供を叱っていますか?この問いかけは決して虐待とか暴力のことではありません。きちんと叱っているかということで、きちんと叱れるのは親だけだからです。思うに今の親は「自分の子供をお客様のように扱っている」ような気がしてなりません。昔のことをいい出すと席を立つ若者が多いそうですが、あえて言うならば、昔は子供は家族の一員として、今日の日曜日などは手伝いなどやることが多くありました。その過程で自立する力を身に付けてきました。ところが最近の親はすべてやってしまいます。従って子供もやってないだけに表面的な付き合いしか出来なくなっています。
家庭内は格好つける場所ではなく一生懸命に生きてることを子供に見せる場所だと親が思うことです。そしてそうした行為の中から子供の資質を見出だすのです。「うちの子は」と諦めていませんか。すべての子供は資源を持っています。ですから親が子供の可能性を諦めてしまっては絶対にいけません。
休みの日には子供と頻繁に付き合って良いところを見いだして下さい。

別れの仕草

2013-10-05 22:03:58 | Weblog
この日が来ると思い出すのが山口百恵さんの日本武道館に於けるラストコンサート、それも最後に真っ白なマイクを置くシーンが印象的でした。今から33年前の今日でした。別れのシーンが強烈ですと、いつまでも心に残りますね。
この時期はプロ野球の選手の引退も相次ぎます。今日はドラゴンズの山崎選手の引退試合でした。引退といえば我々の世代は巨人の長嶋選手の引退シーンも忘れることが出来ません。「巨人軍は永遠に不滅です。」その後、この言葉以上の別れの言葉は出て来ませんね。百恵さん、長嶋選手、果たして今後、それを上回るシーンや言葉が生まれるでしょうか。
もちろんこうした状況を生み出すのはシーンを構成する場所が必要なのは言うまでもありません。今年の国民栄誉賞を受賞した長嶋、松井両氏の場合も東京ドームという場所があって印象的になったのでしょう。しかし、実はこうした場所も報道もほとんどなく、野球の世界から身を引く選手がほとんどなんですね。なんとなく秋ですね。

漢字

2013-10-04 13:11:23 | Weblog
魚偏の漢字は旁(つくり)の部分でその魚の性質をよく表しています。今日、10月4日は語呂合わせでいわしの日です。いわしは漢字で鰯と書きます。鰯は水から出るとすぐに死ぬほど弱いところから鰯という漢字が作られました。このように漢字はわかりやすく性質を表現しています。青魚の代表のサバは魚偏に青ですね。魚偏に堅いで鰹、魚偏に喜ぶで鱚(きす)などは面白いですね。漢字のでき方はこのように意味があります。
動物の鳴き声から出来た漢字には、猫、鳩、鴉があります。木偏には季節を教えてくれる漢字があります。早春に五弁の花を咲かせるのが椿、初夏に淡黄色の花を開くのが榎、木偏に秋は楸(ひさぎ)という高木、ただ秋に実を結ぶのですが、これが柊というのはちょっとわかりませんがね(笑)。
ともあれ漫然と漢字を眺めるのではなく、その背景にある先人達の思いを想像してみるのも面白いですよ。秋の下に心で愁い、春の下に心で蠢くと同じなんですね。この辺りも面白いですよ。漢和辞典を眺める楽しみにして下さい。

内宮遷御

2013-10-03 17:34:53 | Weblog
62回目の伊勢神宮で内宮遷御が昨晩行われました。歴史絵巻が神宮神域の闇に浮かびました。日本の伝統文化のクライマックスと言っていいですね。
さてこれまでの日本の成長を牽引したのは車や電気製品などのものづくりの産業でしたね。日本の未来を考えると日本が進むべき原動力を何に求めるかが問題になって来ます。そこでこの弐年遷宮の一連の流れを見るにつけ、その原動力を日本の生活文化に期待したらどうかと思うのです。かつてアメリカは戦争に勝利したあとアメリカの映画を世界中に配信しました。その映画を通して、アメリカの生活様式を世界中に広めたのです。その分野は衣食住に始まって娯楽までとてつもなく幅広い分野に及んでいます。ミッキーという小さなネズミさえ日本の各家庭に入り込んでいます。この例にならって日本の脈々とつながる生活様式を世界に伝えて行くことが必要になって来ます。
それにはまず日本人の欠点を解消すること。その欠点とは、日本人が自分たちの国の文化に疎いことです。幸いにもメディアの数も増えて、こうしたコンテンツが多く放送されています。これを利用して日本の歴史、文化をこの際徹底的に勉強してみましょう。秋の夜長ですから。

安政

2013-10-02 18:10:34 | Weblog
江戸時代の安政年間は日本に於ける激動の時代と言っていいでしょう。政治的にも自然界に於いても激しく動いたのです。ペリーが黒船に乗って日本の浦和にやって開国を迫ったのが安政に於ける激動の始まりでした。そしてこの安政年間には日本各地で13回もの大地震に見舞われました。特に安政2年の今日の地震が安政の大地震と呼ばれる地震でした。まさに幕末の多難な状況下で討幕運動に呼応するかのように大地震が連発したのです。
勝海舟を描いた小説にも安政の大地震のシーンが出ていました。10月2日の夜、八丈島付近を震源として起きましたが、揺れよりも火事で亡くなった人が多かったようです。この地震で有名な藤田東湖も圧死したと言われています。1855年のことですから158年前のことです。その前後、何度も大きな地震に襲われた日本列島、気象庁もない時代ですから、国民の不安はものすごいものがあったでしょう。明治維新の動きに何らかの影響を与えたのではないでしょうか。
考えようによってはまだ185年しか経っていないわけですから、やはり謙虚に自然に向き合わなければいけませんね。