フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

向こう三軒両隣

2008-04-29 16:50:38 | Weblog
今日4月29日は「昭和の日」です。おととしまでは「みどりの日」、その前は、つまり昭和時代は「天皇誕生日」でした。そして昨年から「みどりの日」は5月4日に移り、今日が「昭和の日」になりました。
考えてみると昭和が終わってもう20年が過ぎました。我々の子供の頃の流行語に「明治は遠くになりにけり」というのがありましたが「昭和も遠くになりにけり」ですね。
もっと遠くになったのが、我々が覚えている隣近所が家族だった様な優しい気持ちです。そうそう昭和33年を描いた映画「三丁目の夕陽」ヒットしましたね。続篇も作られました。
あの映画全てに流れていた心温まる人情が懐かしかったのでしょうか。あの時代に生きていなかった若い人達も感激したわけですから、日本人のDNAに困った時はお互いに助け合う気持ちを皆持っているのでしょう。
隣近所は家族でした。夏休みのお昼ご飯はどこで食べるか分からなかったぐらい向こう三軒両隣は仲良く暮らしました。それぞれの家族がお互いを理解してやさしい気持ちで見守りあうという時代だったのです。
そう、人として当り前のことが一杯詰まっている時代でした。
あの映画がヒットしたこと自体がうれしい事でしたが、映画館を出た瞬間から殺伐とした平成に戻ってしまったのでしょうか。相変わらず嫌なニュースが続いています。