フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

柔よく

2018-03-18 22:50:45 | Weblog
大相撲春場所も中日、ますます佳境に入っていきます。
ところで、ひとりとひとりがぶつかりあう格闘技に於いては「柔よく剛をせいす」とよく言いますが、体格の違う対戦でこの格言が当てはまることがあります。豪速球を投げる投手の球をちょこんと当てて、レフト前へのタイムリーとなることなどがそうでしょう。特にオリンピックなどの世界大会で世界一となるのは、日本人の持つしなやかさ、柔らかさが物を言うことが多いです。
この柔らかさの特徴は、文化面でも表現されます。西洋の文化は石や金属で固めた「剛 」の文化です。一方東洋の文化は「竹の文化」と評されるように、「柔」の伝統が続いています。そして竹は柔らかいだけでなく、復元力もあります。力を受け、曲がったり形を変えたりしながら、折れずに立ち直ります。竹のしなやかさの特徴です。人間にとっては、このしなやかさがいちばん大切です。何故なら人生は全て順風満帆ではないからです。