フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

下駄

2012-09-09 23:06:48 | Weblog
今年の下駄の音が消えていきました。25万人以上の人達が楽しんだ郡上踊りが昨日で幕を閉じました。郡上の町の人達はほっとすると同時に寂しさを感じていることでしょうね。
郡上踊りに限らず、夏祭は浴衣姿と下駄の音が付き物です。このように下駄は祭のアイテムのように思えますが、私の子供の頃は普段の履物は下駄が中心でした。商店街でも下駄屋さんは大店でしたよ。いまでは考えられませんが、小学校の一年生までは下駄で通ったと記憶しています。それが現在は靴に押されて下駄の音が少なくなってしまいました。
それぞれの地域を表す音のアルバムがありましたが、それには浅草の町の音は下駄の音でした。下駄が身近にあった頃は下駄を使っての遊びもありました。今日のように不安定なお天気の時には下駄を片足で飛ばしてお天気占いをしました。表が出たら晴れ、裏が出たら雨、時には横に立ってしまうことがありましたが、そんな時は曇りにしたものです。当時の気象台の予報よりは当たったかも知れませんね。
ところで下駄の時代は玄関できちんと揃えないと乱雑になりますから、躾にはもってこいです。こんなところでも下駄はよかったですね。