フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

思い出話

2010-09-05 23:17:26 | Weblog
今日は桑名の多度町公民館に敬老会の司会兼ゲストで参加しました。敬老といっても最近は皆さん、若いですね。
さて、年をとっての一番の悩みは何でしょうか。思い出話を聞いてくれる人がだんだん少なくなることだそうです。かつて女優の沢村貞子さんのエッセイに『子供の頃、近所のお年寄りが同じ話を繰り返すので「あの話、もう百ぺんぐらいきいたね」とボヤくと、母親は「何べんだっていいじゃないか。年寄りはね、どんな面白い話をきくよりも、自分の思い出話をきいて貰うほうが、ずっとうれしいんだよ。功徳だよ、きいて上げることが」』とあります。この話を知って自分を振り返るときに、おふくろの思い出話が出た途端に逃げ腰になったことが思い出されました。つい、目を合わせ一対一の世界から逃げだしてしまうのです。
応答上手という言葉があります。人と向き合う時に決して手抜きをしない。これが応答上手です。お年寄りが思い出話を始めたら応答上手という言葉を頭に浮かべて下さい。ましてや、核家族化でお年寄りが一人で生活しているケースも多くなっています。電話でもいいから思い出話を聞いてあげてください。
そんなことを思った敬老会でした。