フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

すっぴん

2008-07-13 19:09:46 | Weblog
『白石真澄流すっぴんお仕事術』という本が出版されています。この本の中のすっぴんというのは、自分を飾らず楽天的にあせらず生きる姿勢の事と書かれています。
「すっぴん」は「素顔でも別品」からの派生語とも言われています。
そこで「別品べっぴん」ですが美女、美人の事を言います。語源としては普通の品物とは違う特別に良い品物というところから、品物だけでなく優れた人、最初は男女ともに、更には女性だけに表現される様になりました。
女性だけになると「ぴん」という字に高貴な女性を意味する「ひん」という字があてられる様になりました。「別品・別嬪」は明治の初期から大正時代によく使われ、今でも関西を中心に使われる言葉の1つです。江戸時代には歌舞伎の脚本の中にもこの言葉が出てきたそうです。
別品さんの条件としてお化粧をするわけですが、すっぴんを周囲にさらす事を嫌う人種が殆どの時代でした。今でも脈々と受け継がれているのでしょうが、少し変化がみられます。それはすっぴんをさらすのが嫌で、出掛ける前に念入りに化粧をしたはずですが、今では目的地に着く迄に化粧をすればいいという風潮になってきた事です。つまり電車の中も家庭の自分の部屋なんでしょう。それとも知った人以外はすっぴんでも平気という気持ちなんでしょうか。
電車の中できれいに整えた顔を私達は「別品・別嬪」と呼ぶべきなのでしょうか。