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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

6月3日に生まれて

2025年06月05日 | 身辺雑記

6月4日。

昨日は思いのほか普通な一日だった。

もっと列島全体が悲痛に沈んで

重々しいのかと想像したのだが……。

 

前日に巨星が逝った。

人の命に重い軽いは無いのだが、

長嶋茂雄氏のこの国における大きさは

個人的には崇拝していないが

イメージとしてあった。

 

けれども、余りに有名な

「我が巨人軍は永久に不滅です」と

後楽園球場のスポットライトに立った

1974年の引退から半世紀以上。

 

巨人監督(第二次)を終え、

原辰徳にその座を譲ったのが2001年。

ユニフォーム姿の「ミスター」を

知らない世代は多い。

 

定食屋さんではMLB中継が流れ、

引っ越し業者の制服を着た4人が

「5人。ひとり後から」とテーブルへ。

午後の段取りを話しながら

随分遅く入って来たベテランに

「おっせーな」「ちょっと戸惑った」

などタメ口で会話をする。

 

そこに大きな米袋を担いだ米屋さん。

「ありがとう〜。ついでに食べてく?」

「今日はまだ他も回るから、ごめん」

と応じて伝票を渡した。

 

つまりはまるで普段通りの昼下り。

世界に冠たる映画監督や

要職を歴任した政治家が亡くなって、

追悼番組が地上波を席巻する時、

我々は、乗り損ねたら遅刻の電車に

朝小走りで滑り込み、夕刻には

スーパーで3割引き商品を手に取り、

当り前に暮らす。

 

けれども。

「はい、では次の方」

「中嶋茂雄。2025年6月3日生まれ。

志望動機は御社の〜」と、面接で

名乗るような風景が見られるやも。

 

星になる者がいて、

生まれいづる命があって。

 

アメリカ独立記念日に生まれた

ヴェトナム帰還兵の青年の実話を基に

ロン・コーヴィックが発表した小説は

『7月4日に生まれて』だけれど。

あ、勿論トム・クルーズ主演で映画にも。

(製作・監督・脚色オリヴァー・ストーン。

1989年作品)

 

 

1988年4月27日、神宮球場。

バックスクリーンに飛び込む

プロ初本塁打(にして初安打)が

生れた。

放ったのはヤクルトスワローズ

背番号3、長嶋一茂。

 

燕党だけでなくG党も加わり、

スタンド全体的にウェーブが置き、

一周、三周……と繰り返すうちに

そのイニングが終わるまで続く

長いながい祝福だった。

その中に居た。

 

ミスタープロ野球。

巨人の永久欠番「3」の逝った

3日は涙雨だった東京。

翌日は彼に相応しい清々しい晴れ。

 

彼に影響を受けた人々が

彼を想いながら、彼に恥じぬよう

懸命にいつも通り働いた

そんな一日でもあったのだろう。


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