麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ラヴィニア開国を叙す【第二幕】

2015年05月25日 | 制作公演関連
ラヴィニア公演
『-不思議の国アリスの-
帽子屋さんのお茶の会』
(作/別役実、演出/高円寺圭子
時/2015年5月20日~24日、
於/ウッディシアター中目黒)

ロビーにはこの公演のチラシ画を
担当した、かじがやごろぉ氏の
作品が展示されていました。



物販も積極的!
Tシャツに、CDに加え、
別役実フェスティバルのパスポート、
更にはオリジナルコーヒーとケーキまで。


休憩終了


4)帽子屋さんのお茶の会

芳賀一之(Kazu)のジャジーなボーカルによる
メインテーマで幕が開く。

全編彼のオリジナル曲で、別役の台詞が
一部「歌」になって客席に届く。

これまでならラヴィニア・コアメンバーが
シークエンスを繋ぐ場面で
(時には小話の中に現れて)
その「くだらなさ」を打ち消す
艶やかなコーラスを歌いあげていた。

今回は客演陣が歌う
ヒロイン(なのか?)アリスを演じた
彦坂有美(Hiko)もともに歌った。

ところが。
眠りねずみ役の橋本千佳子(Chako)
は文字通り眠っている。
たまに目覚めてもビンタするばかり。

サッカーにおいて。
後半40分過ぎにピッチへ送り出され、
わずか5分のうちにゴールネットを揺らす
ヒーローを時折見掛けるが……。

橋本は最後に一人でメインテーマを
歌いあげて、幕は降りた。


5)客演陣の見事な仕事ぶり

劇団という形をとらずに、
公演ごとに役者を集めるのが、
今や主流ともいえる演劇界だが、
ラヴィニアもご多分に洩れず、
また「何もかも解った」常連を
有するのも他のプロデュース公演同様。

『帽子屋さん~』でも、芝居半ば過ぎに
登場する魔法使いの斎木亨子が
後半に向けてギアを変える
難しい役どころをさらりと演じ、
チシャ猫の森岡正次郎は、
全編に一定のリズムを刻む
ベースの仕事で屋台骨を支えた。

市長の田中リュウ、死者の宮島岳史は
得意のポジションで特異な演技を披露。

常連組に迫る複数回出場の巨漢二人。
公爵夫人の渡辺英雄は、
全盛期の白井晃ぶりの女装で、
通訳の岡本高英は嫌味のないぼけで、
舞台にアクセントを与えた。

そんなファミリーの中に今回
初参戦したのが今井智紘、神戸誠治。
奇しくも二人とも別役作品も初体験

チシャ猫とともにお茶の会に来る
お客様をエスコートする三月うさぎの
今井はまるで初めて感なくフィット。

そして話の核の帽子屋の神戸。
関西出身ながら日光江戸村から
役者人生をスタートし欽ちゃんに師事。
が、上京して立った舞台はアングラ!
という不可思議な道程を歩いた
座組最年長からは「貫禄」が滲んだ。


6)そして15周年へ

そんなこんなで。
別役実フェステフィバルに参加したことで、
初めてラヴィニアを見る観客が多かった
『帽子屋さん~』は、また同時に、
ラヴィニア自身が新しい闘いを始めた
記念すべき舞台でもあった。

11月、15周年記念公演はどうなるのか。
コメント
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