麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

未必の故意と脱サラ

2015年05月18日 | 鑑賞
きのう紹介した『未必の故意』は、
安部公房の書き下ろし戯曲で、
1971年9月10日、新潮社より刊行され、
同日、俳優座劇場で初演された。

演劇が今より「社会的」だった頃、
そーゆーことは多くあったそうだ。

演出を千田是也、主演井川比佐志で
第22回芸術選奨文部大臣賞を
受賞した舞台なのだが、その7年前
やはり安部のシナリオでテレビドラマ
『目撃者』として放映され、
芸術祭奨励賞を受賞している。

さらに遡った1962年に大分県の
国東半島沖にある実在の島姫島で
発生した殺人事件が題材である。

事件をテレビ映画にするために
監督以下スタッフが島民の協力で
撮影を行なっていく……という筋立。

『未必~』とは題名だけでなく
作りも大きく異なっている。
こちらは、島の消防団長が、
団員や島民たちと計画的に行なった
ヤクザ者の殺害を「未必の故意」に
見せかけようとする物語。
団長を中心に模擬裁判を行う過程で、
事件の状況や島の人間関係が
浮かび上がるのだ。

東京演劇アンサンブルの
スープ劇場Ⅷ『未必の故意』
(上演台本・演出/尾崎太郎)の
出来の良さは昨日書いた。

少しだけ補足すれば・・・
原作の三人の青年団員、
ちんばとめっかちとつんぼを、
尾崎は片足、片目、音無しとした。
これは一端で、彼らしいリリックが
良い意味で舞台の芯にあって好感

    

そーいえば、各駅しか停まらない
西武新宿線の武蔵関に
ちょいちょい出向いているな~。
アンサンブルの芝居を観る以外にも
ブレヒトの芝居小屋で公演を打つ
カンパニーの制作についたりして……。

脱サラした者がおまんまを食べて行く
その手段には、元居た会社から仕事を頂くか
同業他社との連係を深めるか……
あるいはまるで違う仕事に就くかだろう。

今の自分は二番目に近いようだ。
懐の深い「場所」で居心地がいい。
コメント
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