麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

嵐が丘

2015年05月15日 | 鑑賞
激烈な愛、そして不滅の愛 ―
堀北真希主演で贈る永遠の名作
『嵐が丘』
・・・と宣伝されている舞台を
昨日、日生劇場で拝見しました。

僕にとっての本作は、何たって
ジュリエット・ビノシュの『嵐が丘』だ。

キャサリン・アーンショーと、
その娘キャサリン・リントンの二役を
ビノシュが演じた1992年製作の映画は
ヒースクリフをレイフ・ファインズ。
この二人、『イングリッシュ・ペイシェント』
のコンビでもあるが、それは別の話。

とにかく家政婦ネリー役の戸田恵子が
絶品であった
G大阪のヤットこと遠藤保仁のような
いい意味で肩の力が抜けた、
舞台全体を俯瞰して見ている演技。

カーテンコールの拍手が一際大きかったのは
決してテレビでの露出が多いから、
ではなかったと思う。

「激烈」「不滅」と冒頭書いたが、まぁ
「ひねくれた愛」って方が解り易い。
(それじゃ売り文句にならんが
で。
ぶっちゃけて言えば「昼メロ」感が
強かった・・・が、実は逆で、
渡辺裕之を一躍スターダムに押し上げた
東海テレビ系列の名作の一編『愛の嵐』
(1986年)の原作がエミリー・ブロンテの
『嵐が丘』だったりする。

ちなみに『愛の嵐』といえば谷本重美
(のちの小川範子)の出世作でもある。
閑話休題。

脚本・演出のG2がステージを
より立体的に仕掛けて(美術・伊藤雅子)
エンターテインメントに仕上げている。
またオーケストラではないが
小編成の生演奏がスケールを大きくみせ、
松竹創業120周年の一翼を飾った。

そう。
音楽は和田俊輔。元「劇団・デス電所」。
戸田同様、いい仕事をした一人。

復讐の愛に燃えるヒースクリフに
山本耕史、キャサリンの兄に高橋和也、
ヒースクリフに恋焦がれるイザベラに
ソニン……といった華やかな面々と
演出のG2(MOTHER)、
ケネス医師役の陰山泰
(元「遊◎機械/全自動シアター」)
といった小劇場演劇出身のキャストスタッフが
融合した作品でもあった。
コメント
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