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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

モナリザ

2023-01-13 | 映画(ま行)

◼️「モナリザ/Mona Lisa」(1986年・イギリス)

監督=ニール・ジョーダン
主演=ボブ・ホスキンス キャシー・タイソン マイケル・ケイン ロビー・コルトレーン

刑務所を出たジョージは、昔のつながりから黒人娼婦シモーヌのドライバーに雇われた。気が短くて口も悪いし、ファッションのセンスなんてない。別れた妻は娘に会うことも許してくれない。最初は互いを嫌っていたシモーヌとジョージだったが、毎日過ごすうちに不思議な信頼関係が築かれていく。シモーヌは友人を探して欲しいとジョージに頼む。やがて淡い恋心にも似た気持ちを抱き始めたジョージは、彼女のトラブルに自ら巻き込まれていく。

冴えないけれど人間味のある主人公を演じたボブ・ホスキンスが素晴らしい。友人トーマスとの会話の中で、黒人娼婦と呼んでいたのが、いつしか"レディ"だと言うようになる。娘に会わせてもらえないから、学校の前で車から視線を送る優しさ。トーマスとミステリー小説について会話する場面がいい雰囲気。そこでシモーヌとの関わりを小説ネタとして口にする姿は、彼女のことばかり考えてしまう中年男の単純さ、いや一途さの現れだろう。

シモーヌの友人を悪役モートウェルの屋敷から助け出してからは、次々に起こる展開が切ない。シモーヌへのジョージの気持ちは、決して叶えられるものではなかった。主人公にとって救いのないクライマックス。冴えない中年男の男泣き。どれだけ愕然としただろう、と思うともらい泣きしそう。やっぱりダメ男が頑張る映画に僕はついつい共感してしまう。

車を愛でる映画でもある。ジョージの愛車がクリーム色のクラシカルなジャガーというセレクトがいい。また、ニール・ジョーダン監督作は音楽のセレクトも好み。本作では、ナット・キング・コールのMona Lisaが、謎めいた女性をイメージさせるようにメインテーマとして使われている。ジョージが色街でシモーヌの友人を探す場面では、ジェネシスのIn Too Deepが流れる。遂げられない気持ちが歌われる曲だが、中盤で使われたのは伏線だったのかもしれない。フィル・コリンズの風貌をボブ・ホスキンスと重ねた?それは考え過ぎw

友人トーマスを演じたロビー・コルトレーンの代表作の一つは「ハリー・ポッター」のハグリッド役。主人公を黙って支える大男がほんとに似合う人だ。




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白蛇抄

2023-01-11 | 映画(は行)

◼️「白蛇抄」(1983年・日本)

監督=伊藤俊也
主演=小柳ルミ子 杉本哲太 仙道敦子

公開当時、「小柳ルミ子が!?」がと世間が騒いでいたのをなんとなく覚えている。初めて観たのは公開翌年くらいの地上波での放送だった。今思うとよくもまあこんなドロドロした男と女の話を、お茶の間に流したよなあ、と思う。んで、どんな話だったっけ…と思い、大人になって再鑑賞。

他にも女性はいるでしょ?と言いたくなるくらいに、みんなルミ子に言い寄ってくる。山で襲われそうになったのを杉本哲太が助けたら、その哲太に山小屋で押し倒されてしまう。その後哲太と寺でイチャイチャしてるところを和尚に見られてしまうのだが、和尚が怒ってそのまま成仏。世界史でアナーニ事件を習った時に「憤死」(怒って死んでしまうこと)という言葉が出てくるけど、今思うとこの場面はまさに「憤死」だ。大人になるといろんなことが見えてくる好例(どこがだ)。

どうしようもなくなった気持ちを持て余す演技が、みんな凄すぎる。恋しい相手と話している受話器を足の間に挟み込むルミ子にしても、幼さの残る仙道敦子が振り向いて欲しい一心でレオタード姿で迫る場面にしても、そこまでしなくてもと思うのだけれど、夢中になると人の行動って抑えられなくなる。大人になるといろんなことが見えてくる。

そして何よりももう一度見たかったのは、杉本哲太が×××で障子を次々と破る名場面!枠に当たったらどうすんだ!痛いだろっ!気持ちを持て余した先の激しい行動に、初めて観た時はこの場面が衝撃だった。世間は常套句として女優さんに「体当たり演技」という言葉を使うけれど、この映画の哲太こそ「体当たり」です。



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女王陛下の007

2023-01-09 | 映画(さ行)

◼️「女王陛下の007/On Her Majesty's Secret Service」(1969年・イギリス)

監督=ピーター・ハント
主演=ジョージ・レーゼンビー ダイアナ・リグ テリー・サバラス

一作だけジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レーゼンビー主演作。歴代唯一の非欧州出身ボンド俳優であり、撮影中の素行が悪くてプロデューサーや共演者を怒らせたこともあって続投にはならなかったと伝えられる。過去5作品の影が随所に色濃く残り、タイトルバックにまで旧作の場面が散りばめられる。引き出しを開けると過去の任務の思い出の品が出てきて、その主題曲が流れる演出なんていかがなものか。決別の意味かもしれないけど、未練がましくも見える。

じゃあ、作品自体が面白くないのかと言われたらさにあらず。任務から外されて独断専行する展開、山の上にある研究施設、スリリングなスキーアクションなど、後に続くボンド映画にも受け継がれる原型がここにある。山の上の研究施設は最近なら「スペクター」にも出てくるし、この映画が大好きなクリストファー・ノーランは「インセプション」でクライマックスの襲撃場面を再現してくれる。

オープニングタイトルに主題歌が添えられたのが、第2作以来となるインストメンタルになっているのも目立つ変化のひとつ。ジョン・バリー作のこの曲が素晴らしい。ボンド楽曲のカバーアルバムであるコンピ盤「Shaken And Stirred」ではデジタルビートを効かせたアレンジでカバー。やたらカッコいい。そして何よりも、ルイ・アームストロングの名曲と共に、真剣に恋するボンド像が描かれること。ダニエル・クレイグが登場するまでこの展開は復活しなかった。そして第25作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」は「女王陛下」を観ておけばグッとくる愛の物語になった。

好きな場面がいっぱい。小学校高学年の初見以来かなりの回数リピートして観ているはずだ。クライマックスのボブスレーの手に汗握るアクション、スケートリンクで再会してからのテレサとのやりとり、そこから始まるカーチェイス。不敵に野望を語るテリー・サバラス、そして衝撃のラストシーン。アレルギー研究施設の女性患者たちとのエッチなやりとりもプレイボーイスパイらしい気障った振る舞いで、お子ちゃまにはかなり刺激的。

マネーペニーに囁く「君なしじゃ生きていけんよ」(吹替版育ちなもので😅)って台詞がいい。これも実生活で何度使ったかww

ノー・タイム・トゥ・ダイ」観たので久々鑑賞。ボンドにヒラリー卿が紋章について説明する場面にこんな台詞が。
「ボンド家の紋章にはこう書かれています。"世界では足りない"」
おお、ここが「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に通じるのかっ!今まで気づかなかった。





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007は二度死ぬ

2023-01-05 | 映画(た行)

◼️「007は二度死ぬ/You Only Live Twice」(1967年・イギリス)

監督=ルイス・ギルバート
主演=ショーン・コネリー 丹波哲郎 浜美枝 ドナルド・プリーゼンス

初めての007映画はテレビで観た「サンダーボール作戦」。2番目に観たのが幸か不幸か(笑)「007は二度死ぬ」だった。

誤った日本観によるとんでもハップンな描写の連続、前作でスケールでかくなったと思ったら、今度は事件が宇宙で起きてしまう大スケール。しかし幸か不幸か、地上波の放送ではツッコミどころの大半はカットされていた。日本に上陸して相撲観戦、日本では女性は男性に仕えるものとする問題描写の数々。タイガー田中(丹波哲郎)と女性数名をはべらせて入浴するシーンなんて、ハーレムかよ。

地上波放送で観た僕はこれらのシーンを知らず、後半登場する無理やりな場面だけに違和感を感じながらも、"ちょっと不思議なシリアス路線"の映画だと思っていた。それだけに後にレンタルビデオがこの世に出現してフルサイズを初めて観た時に衝撃を受けるのだった。そして「クレヨンしんちゃん」劇場版で、丹波哲郎演ずる温泉の神様が「俺はジェームズ・ボンドと風呂に入ったんだ」と語る場面に大爆笑することになるww。

ナンシー・シナトラの大好きな主題歌聴きながらある事に気づいた。
ん?「脚本 ロアルド・ダール」だと?
児童文学「チョコレート工場の秘密」(映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作ね)を書いたあのロアルド・ダールだ。おお!そうか!「007は二度死ぬ」はアダルト向けファンタジー映画なのだ。

そう思ったら、なんかいろんなことが許せる気持ちになってきた。潜水艦の中にわざわざオフィスを作って出向いてくるMも、日本女性は欧米人の胸毛に憧れるという発言も、刺客の忍者も、日本人になりすましたと思えないボンドも、クライマックスのロケット基地であんだけ銃弾が飛び交っているのにボンドだけが余裕綽々で歩き回っていることも。小型ヘリコプターのリトルネリーなんて、「チャリチョコ」の透明エレベーターみたいなのものなんだ。空飛ぶ自動車「チキチキバンバン」の脚本も手がけたロアルド・ダールだもの。宇宙船を飲み込む宇宙船が出てきても不思議じゃないよ。

とか言いながらも、トヨタ2000GTや日本人ボンドガールも楽しい。当時小学生の僕が観るボンド映画には、実はちょうどよかったのかもしれない。ルイス・ギルバート監督はシリーズ中3作品を手がけるが、どれも大仕掛けな娯楽作。向いてるんでしょうね。

スペクターの首領ブロフェルドがついに姿を現すのも見どころ。ドナルド・プリーゼンスが演じたことで、僕と妹の中で"スキンヘッドの人=ブロフェルド"という図式が出来上がる。スキンヘッドの伯父がやって来る日に、「今日はブロフェルドがうちに来る!」とはしゃいでいた失礼な子供でございました😓

さて。「笑点」の前座布団配り、松崎真さんが出てくる場面はどこでしょうw





  

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007/サンダーボール作戦

2023-01-03 | 映画(た行)

◼️「007/サンダーボール作戦/Thunderball」(1965年・イギリス)

監督=テレンス・ヤング
主演=ショーン・コネリー アドルフォ・チェリ クローディーヌ・オージェ 

僕に映画を仕込んだ親父殿と叔父は、007映画が大好き。大人たちがボンドガールをめぐってこんな会話をしていた。
「兄貴は誰が一番?」
「そりゃタチアナ・ロマノヴァやろ」
「「ロシアより愛をこめて」か。いいね」
その会話に少年は介入した。アメリカ映画以外の渋いやつに詳しい叔父の意見に興味があったのだ。
「おいちゃんは誰が好きなん?」
よくぞ聞いてくれたという顔をした叔父は
「ドミノ」
と答えた。「サンダーボール作戦」である。

「サンダーボール作戦」を観たのはTBS系の「月曜ロードショー」の放送だった。僕が初めて観た007映画である。改めて観て思う。こんなアダルトな雰囲気の映画だったっけ?。親はよく笑って観せてくれたよな(汗)。ガラス越しに絡みあったり、ミンクの毛皮で愛撫したりの保養施設の場面は、僕が観たテレビ放送版ではカットされていた。それを抜きにしても、悪役女性フィオナとのベッドシーンや会話はお子様には刺激強いし、叔父さんが大好きなクローディーヌ・オージェは水着姿が大半を占める。フィオナが身支度をする場面で、背中のジッパーをボンドに頼む場面。
「こいつはいつやってもいいもんだ」
(吹替版育ちなもので😅)
って粋な台詞。実生活でつい使ってしまったことありまーす(恥)。

それにしてもここまでの3作品とはスケールが違う。スパイの活躍は国際レベルの危機を救うものだ、という厳しさと重大さが伝わってくる。北大西洋条約機構(NATO)を脅迫するスペクターの企みもデカいけれど、これだけの水中撮影をやって一本の映画にするにはかなりの期間と工夫が必要だったはず。撮影の規模が違う。クライマックスの水中戦は、巧みな編集でテンポ良くしかも何が起きているのかきちんと伝わる。ゆったりとした動きだし、ダイビングマスクで表情もわかりにくいはずなのに、緊張感も伝わってくる。一方で、次に何が起こるかわからない水中シーンは、ジョン・バリーの劇伴はどこか不安定な二拍三連符のメロディが続き、緊張感を高めてくれる。プロの仕事が積み重なった映画。

ただスパイアクションのスピーディな展開を期待するとじれったく感じる。ボンドが指令を受けるまでが長いし、なかなか事態は進展しない。そしてボンドが真相を報告することができたのはタイムリミットもギリギリ。観ているこっちまで焦らされる。

話は変わるが、「月曜ロードショー」での荻昌弘氏の解説が大好きだった。見どころを伝えるだけじゃなく、期待をあおるだけじゃなく、映画の良さや作者の意図を考える手助けをしてくれる解説だった。007映画を放送する回はとてもウキウキしてるように見えた。きっと、映画は自分で感想を噛みしめるのもいいけれど、多くの人と一緒に楽しめるものだと伝えてくれていたような気がするのだ。僕が大学4年の夏。荻昌弘氏が亡くなった。追悼の文言が「月曜ロードショー」の本編終了後に映し出された。「007/サンダーボール作戦」が放送された日だった。






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tak's Movie Awards 2022

2023-01-01 | tak's Movie Awards

 

2022年は映画生活に配信を導入したこと、流行り病の関係で家から出られない状況になったことなど、様々な事情があって、鑑賞本数ならここ10年で最もたくさん観た年になった。それでも観られる本数は限られているから、選球眼と情報収集は大切。Filmarksで様々な感想に出会えるのは日々の楽しみ。お世話になってます。
さて。いち映画ファンとしての年中行事、2022年の年間ベストを発表しまーす。この1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクト。公開年にタイムリーになってません。配信で旧作を観なおす機会も多かったので、ご了承くださいませ。

tak's Movie Awards 2022

■作品賞=「コーダ あいのうた」(2021年・アメリカ)

サンダンス映画祭で受賞後に大手企業が独占配信しようとしたが、その前に配給権を得ていた日本企業。大手の権利買取要求を突っぱねて、劇場公開。シアターで待つ僕らに届けてくれた。映画って誰のもの?独占配信が増える中、そんなことも考えた。この作品を映画館の音響とスクリーンで観られたことに感謝。そしてアカデミー賞獲得の速報に声を上げてしまった。

今年の10本
「アンダーグラウンド」
「コーダ あいのうた」
「婚約者の友人」
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
「すばらしき世界」
「トップガン マーヴェリック」
「パリ13区」
「ベルファスト」
「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
「すずめの戸締り」

■アニメーション映画賞=「すずめの戸締り」(2022年・日本)

「君の名は」「天気の子」を超えないだろうとナメておりました。エンタメといろんなこだわりが詰まった見事な作品。

■監督賞=ケネス・ブラナー「ベルファスト」(2021年・イギリス)

郷愁、ノスタルジー、人生、宗教問題、家族。映画を観ている間にいろんな”あるべき姿”に思いを巡らせ、考えさせられた。名言だらけの脚本。引用される楽曲のセンス。元々シェイクスピア俳優のケネス・ブラナー。イギリス伝統と歴史の継承者としてのいい仕事。ウクライナでの戦火が毎日報道された2022年だけに重なる情景も多く、心に残る映画でもあった。

今年の10人
ヴィットリオ・デ・シーカ「昨日・今日・明日」
エミール・クストリッツア「アンダーグラウンド」
エルンスト・ルビッチ「私の殺した男」
ケネス・ブラナー「ベルファスト」
シルベスター・スタローン「ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「メッセージ」
西川美和「すばらしき世界」
フランソワ・オゾン「Summer of 85」
李相日「流浪の月」
レオス・カラックス「汚れた血」

■主演男優賞=トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」(2020年・アメリカ)

トム・クルーズのアンチを貫いてきたはずの僕ですが、観念します。「マーヴェリック」でのいい歳した男の頑張りとプライドに、しかも大嫌いな「トップガン」の続編に涙まで誘われるとは思わなかった。映画館窓口で「F-14」番席を指定した80年代育ちですが、何か。

今年の10人
役所広司「すばらしき世界」
ジェフリー・ラッシュ「クイルズ」
トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」
ピエール・ニネ「婚約者の友人」
ブラッドリー・クーパー「ナイトメア・アリー」
ポール・ニューマン「熱いトタン屋根の猫」
マイケル・ケイン「デストラップ・死の罠」
森繁久彌「小説吉田学校」
ロバート・デ・ニーロ「ニューヨーク・ニューヨーク」
ロマン・デュリス「キャメラを止めるな!」

■主演女優賞=キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」(2020年・イギリス)

性暴力という重いテーマなのに、エンターテイメントとしての絶妙なバランスがある作品。場面ごとに犯罪映画、恋愛映画、スリラー映画を感じさせる演出でグイグイ引き込んでくる。それを成し得たのはキャリー・マリガンの熱演あってこそ。

今年の10人
エマニュエル・ベアール「Mの物語」
エミリア・ジョーンズ「コーダ あいのうた」
キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」
クリステン・スチュワート「スペンサー ダイアナの決意」
シアーシャ・ローナン「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
ジュリエット・ビノシュ「汚れた血」
ソフィア・ローレン「昨日・今日・明日」
永野芽郁「マイ・ブロークン・マリコ」
ノエミ・メルラン「パリ13区」
パウラ・ベーア「婚約者の友人」

■助演男優賞=トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」(2021年・アメリカ)

娘の喉に手をあてて歌声を感じようとする場面に泣かされた。生き様も感情も家族に示す愛情もすべてが生々しい。でもそれが生きてるということ。この人がこの役でほんとうによかった。エウヘニオ・デルベスが演じた音楽の先生も愛すべきキャラクター。

今年の10人
ウィレム・デフォー「ナイトメア・アリー」
エウヘニオ・デルベス「コーダ あいのうた」
エルンスト・ストッツナー「婚約者の友人」
キアラン・ハインズ「ベルファスト」
窪田正孝「マイ・ブロークン・マリコ」
ジャック・ブラック「ハイ・フィデリティ」
ショーン・コネリー「ザ・ロック」
ティモシー・スポール「スペンサー ダイアナの決意」
トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」
バール・アイブス「熱いトタン屋根の猫」

■助演女優賞=シガニー・ウィーバー「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」(2020年・カナダ=アイルランド)

ヒロインの上司を演じたのは、元80年代の強いヒロイン代表、シガニー・ウィーバー。「ワーキング・ガール」のように部下のアイディア盗んだり横恋慕もしないけれど、意見は戦わせつつもヒロインとサリンジャーを見守る視線は温かい。

今年の10人
アリアナ・デボーズ「ウエストサイド・ストーリー」
ケイト・ブランシェット「ナイトメア・アリー」
ジェニファー・コネリー「トップガン マーヴェリック」
シガニー・ウィーバー「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
ジュディ・デンチ「ベルファスト」
ダイアン・クルーガー「355」
フローレンス・ビュー「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
マーリー・マトリン「コーダ あいのうた」
リタ・モレノ「ウエストサイド・ストーリー」
レティシア・カスタ「ゲンスブールと女たち」

■音楽賞=マイケル・ゴア「フェーム」(1980年・アメリカ)

アイリーン・キャラの訃報が届いた2022年。彼女の歌声と共に、この映画の躍動感を思い出して欲しい。好きなことのために歩みつづけるそれぞれの青春群像劇。そこに流れた名曲の数々。Hot Lunchの場面は何度観ても感動する。

今年の10人
宇崎竜童「社葬」
セルジュ・ゲンスブール「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」
デイブ・グルーシン「トッツィー」
バート・バカラック「紳士泥棒 大ゴールデン作戦」
フランシス・レイ「あの愛をふたたび」
ヘンリー・マンシーニ「アラベスク」
マイケル・ゴア「フェーム」
ヨハン・ヨハンソン「メッセージ」
ライ・クーダー「クロスロード」
ラルフ・バーンズほか「ニューヨーク・ニューヨーク」

■主題歌賞=Ubugoe (森口博子)「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(2022年・日本)

ファーストガンダム伝説の第15話がまさかの劇場映画に。”戦争の匂い”を消したいのはスクリーンのこっち側も同じだよ。これまで以上にモビルスーツが恐怖をもたらす兵器に見えた。新たな一歩となるラストを今も伸びやかな歌声が彩ってくれる。グッジョブ!

今年の10曲
Both Sides Now (Emilia Jones)「コーダ あいのうた」
Fame (Irene Cara)「フェーム」
Inbetween Days (The Cure)「Summer of 85」
Never Enough (Lorren Allred)「グレイテスト・ショーマン」
Nothing's Gonna Stop Us Now (Starship)「マネキン」
Super Freak (Mick Jones)「リトル・ミス・サンシャイン」
This Is Me (Keala Settle & The The Greatest Showman Ensemble)「グレイテスト・ショーマン」
Ubugoe (森口博子)「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」
生きのばし(Theピーズ)「マイ・ブロークン・マリコ」
空の青さを知る人よ(あいみょん)「空の青さを知る人よ」

2023年もよき映画とめぐりあえますように。
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