Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

トップガン マーヴェリック

2022-05-29 | 映画(た行)

◼️「トップガン マーヴェリック/Topgun Marverick」(2020年・アメリカ)

監督=ジョセフ・コシンスキー
主演=トム・クルーズ ジェニファー・コネリー マイルズ・テラー ジョン・ハム

もぉー、おじさん世代直撃弾。

Topgun Anthemの電子ドラムが映画館に流れ始め、前作と同じトップガンの説明書きからタイトル。空母の滑走路で働く人々が映され、テイクオフと共にケニー・ロギンスのDanger Zone。1986年の前作のまんまだ。われらがトム君はカワサキのバイクにまたがり、基地へと突っ走る。さっきチケット売り場で僕の前にいたTomcatのワッペン付きTシャツ着てたおじさん感激してるんじゃね?。とか言ってる僕も「トップガン」ゆかりの座席番号F-14に座ってるんだが😝。

ところが時代は変わっている。無人機の開発が進み、主人公のような無鉄砲で命令に黙って従わないパイロットは不要になっているのだ。DXとか慣れない言葉や技術に日々追いたてられるスクリーンのこっち側のおじさんたちは思う。あぁ、マーヴェリックもこんな扱いされる時代なのか。ある任務のために集められたパイロットに指導をするよう命令が下される。「教えるか、もう飛ばないかだ」。年齢重ねるといろんな理由から現場を外される。おじさん世代はもう共感しかない。

集められた若手たちは、ウン十年前のマーヴェリックと同様に自信に満ちた生意気な連中ばかりだ。その中にかつての相棒グースの息子がいた。面と向かうとまともに話もできない。過去の辛い記憶が彼を苦しめる。いざ空の上ではそんな若手を翻弄するマーヴェリックがやたらカッコいい。いいぞ、おじさんをナメたらあかんぞ。経験値ってやつが違うんだからな。スクリーンのこっち側のおじさんたちもさぞかし痛快に思っているはずだ。

だが、マーヴェリックの作戦や指導や態度はは上官たちとことごとく対立し、彼は苦境に立つ。中間管理職として日々奮闘しているスクリーンのこっち側のおじさんたちは、上官に立ち向かうマーヴェリックの言動にヒヤヒヤしながらも、立ち向かう姿を誇らしく思う。しかし彼らが挑む作戦は、「スターウォーズEP4」のクライマックスを思い出さずにはいられない困難なもの。どうすんだマーヴェリック。いくら君でもフォースは使えまい。果たして作戦は成功できるのか?

酒場で流れてるデビッド・ボウイやパワーステーションもツボなんだけど(細かい?)、何よりもマーヴェリックの理解者、唯一の弱いところを見せられる相手であるペニーの存在が大きい。僕らも分からない奴らとの日常に疲れる日々。分かってくれる誰かって大切だよなぁ🥲。ペニーを演ずるジェニファー・コネリー、年齢重ねてますます美しい。家までバイクで送ってもらって、ドアを閉めずに黙って家に入るOKサイン。それを見てニタニタしてしまったのは、トムだけじゃないはず。おっと💦

おじさん世代が若いもんに実力を見せつけ、お互いを理解し合っていく様子が素晴らしい。これまで若い役者に負けないぞと身体を張って頑張ってきたトム君が、歳相応のカッコよさを発揮した映画だとも言える。だからCG全盛のこの時代に、トム君がスクリーンで本物を観客に見せようと頑張り続ける姿が、これまで以上に響く。こういう映画スターって、もうハリウッドじゃ絶滅危惧種じゃないだろか。大昔なら活動屋精神と呼ぶようなトム君の映画への向き合い方。時にクレイジーだから真似る必要はないけれど、その真摯な気持ちから学ぶことはきっと多々あるはずだ。そしてその心意気は、スクリーンのこっち側のおじさん世代も確実に勇気づけてくれている。明日からも頑張ろう。大嫌いな「トップガン」の続編を観てこんな気持ちになるなんて。歳とったのかな💧。






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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まかろん)
2022-05-30 07:42:54
今日は。
アピールチャンスで拝見してお邪魔しました。

この映画、そういう見どころの映画なのですね。
私も時間をつくって観にいこうと思ってますが、
現役おじさんからの見方を知ることができ、
一層楽しみになりました。

とても役立ったと思ったので、コメントをいたしました。

他の記事も読ませていただきますね。
役立つ感想記事を有難うございました。😊
返信する
Unknown (tak)
2022-05-30 12:30:57
まかろんさん、コメントありがとうございます😊
80年代育ちにグッとくるシーンや仕掛けがいっぱいです。だけど僕が好印象になったのは、ええカッコしいじゃないトム君だったからかもです。前作も落ち込んで立ち直って…って話ですけど、人生経験値積んできた今の年齢のトム君だから演じられた役柄なんだと。
映画楽しんでくださいね。お役に立てたらいいのですが😝
返信する
Unknown (まかろん)
2022-06-09 07:16:51
takさん、今日は!
昨日、「トップガン マーヴェリック」観に行きました!

仰る通り、ええカッコしいじゃないトムの演技が良いと思いました!!

随所で実力はあるんだぜ!!というのを見せつけて、
でも戦闘機を降りたら、俺は!というのがないんですよね。

意見の合わない高圧的な上官にも、
まだ未熟なガキどもにも、昔の思い人にも。

うまく言えないんですけど…。

きちんと言うことは言う、けど怒りじゃないんですよね。

あれだけのドラマで、一回もマーヴェリックは
怒らないんですよね。

そこが若さじゃない、リアルさを感じました。

で、一般の我々だったら、ただ薄笑いで誤魔化すだけなんですけど、

マーヴェリックは黙って実力で、主張し突破する。
さあやろうぜ!と騒いで鼓舞もしない。

なんか、年齢の重みを感じました。
そしてそれを演じたトムにも、良い意味での年齢の重みを感じました。

あのDanger Zoneも、最初の一回だけなんですね、
今回は。

そこがまた、新生トップガン、って感じました。

あの1回流すことで、前回とのつながりを示して
(まあそれに、あれ聴いたらやっぱり盛り上がりますし)

でも今回はもう、若さと無謀さのイケイケを示す映画じゃない、っていう抑制ぶりが良かったと思いました。

あ、ちょっとスターウォーズに似てるかな、
師からの伝承とか。使命や国を守る気持ち、とか。

ごめんなさい、長くなってしまいました。


この映画、興味はあったんですが、
ハリウッドの元気映画でしょ?という気持ちもあって、
時間作って観に行くか、実は迷ってました。

でもtakさんの記事を読んで、
おじさん世代も納得の映画ってことなら、
絶対観に行こう!と思いました。

そして観に行って、ほんとに良かったです!!

それを伝えたかったんです。

takさんの映画の見方、好きです。
またの記事を楽しみにしてますね。
良い1日をお過ごしください😊🌸
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Unknown (tak)
2022-06-09 22:07:28
まかろんさん、コメントありがとうございます😊
前作はトム君のええカッコしいにとにかくイライラして、ラストの任務にしても取ってつけたような感じがして、好きじゃありませんでした。

後で気づくのですが、僕はどうやら最初からデキる奴が主人公の映画には、成長物語を感じられなくて嫌いなんです、多分。ダメ男が頑張る「酔拳」は好きだけど、最初から優れたダイバーである「海猿」は嫌い。「トップガン」前作では、グースの死でマーヴェリックは落ち込んで立ち直るけれど、それは青春映画によくある成長物語じゃない。「トップガン」もその一つなんでしょう。

いつも身体張ってるトム君に、まさか年齢相応のカッコよさを感じるなんて、思いもしませんでした。「マイ・インターン」で、デ・ニーロが演じた再雇用されるシニア役が、年齢を重ねたからこそ出せるカッコよさだった感動とある意味似てるかも。80年代育ちの僕ら世代だけに、トム君やジェニファーが今回示したカッコよさは、「くっそー、オレも頑張ろう」って気持ちにしてくれました。

お褒めのお言葉、恐縮です。また読んでくださいませ。
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