待ち構えていた犬を連れての夜の散歩に出た。空全体に星が散らばっている。遠くの山の上に、点滅する光が見えた。星と間違えるほどの小ささな飛行機の目印だ。機嫌のよい犬と一緒に、空も見ながらいつもより長く歩いた。
家に帰り犬小屋の近くまで来た時、ドーンという大きく重い雷かと思う音響に驚く。まさかと見上げればやはり満天の星だ。
隠居から母屋の上空を大きい機体が、何色もの光を点滅させ移動している。飛行の音は低く聞こえるだけ。
この上だと旅客機ではなく、軍用機なのだろうか。夜あの大きさで判断のできない機体を見ると不安を感じる。
子供の頃のある年代まで見た飛行機といえば、敗戦国日本への進駐軍アメリカの我がもの顔に飛ぶ軍用機だけだった。戦争の悲惨さや空襲への不安を、痛切に感じる人が身近にいた。子供心に興味と怖れを感じる敵機襲来気分も少しはあったのだ。いまでも飛行機の音は好きではない。
家に帰り犬小屋の近くまで来た時、ドーンという大きく重い雷かと思う音響に驚く。まさかと見上げればやはり満天の星だ。
隠居から母屋の上空を大きい機体が、何色もの光を点滅させ移動している。飛行の音は低く聞こえるだけ。
この上だと旅客機ではなく、軍用機なのだろうか。夜あの大きさで判断のできない機体を見ると不安を感じる。
子供の頃のある年代まで見た飛行機といえば、敗戦国日本への進駐軍アメリカの我がもの顔に飛ぶ軍用機だけだった。戦争の悲惨さや空襲への不安を、痛切に感じる人が身近にいた。子供心に興味と怖れを感じる敵機襲来気分も少しはあったのだ。いまでも飛行機の音は好きではない。