クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ロータスエリーゼの場合

2022-12-07 15:33:58 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
エリーゼの初期型が入庫してきました。

アルミのディスクローターが使われている珍しいタイプです。

オーナーさんは車両を手に入れた後、全塗装に始まりエンジンその他諸々
ほぼ車両代ほど改造費を注ぎ込んだそうです。

締めで購入したダンパーキットは"評判"のもの。

これがサーキットの中ではなんとかなっても乗り心地が残念!

ということでそのダンパー仕様のまま来社されました。

決断が早かった証拠に、ダンパーキットが新品状態。

アライメント定盤に上げてあちこちサスペンション周りの採寸の後、
純正ダンパーに交換してその日はお帰りいただきました。

エリーゼのサスペンション形式は前後ダブルウイッシュボーンで、
レーシングカーのサスペンションそのものです。

公道を走るために必要なロードクリアランスを確保しているところが、
地面を擦りそうなレーシングカーとの違いで、サスペンションの触り方、
セットアップの方法はレーシングカーのそれです。

そのことを知ってかしらずか車高を下げる余地があるからと迷わずローダウンする⋯かなりの確率で。

ローダウンから始めるサスペンションいじりは良い結果に結びつきません。

気に入ったサスペンションキットがなかなか見つからず取っ替え引っ替えした挙句に、
知らないメーカーのダンパーが隣のクルマについているとよく見えてしまう厄介な病いにかかります。

工場出荷時のサスペンションの成り立ちを理解せずに手を入れると、コーナリングの限界特性が神経質になるか醜い乗り心地になるか、又は両方か。

今回がズバリその例。

ということで、バネとダンパーをワンオフ。これに多くのノウハウを詰め込んで無事納車に至りました。

そのうちコメントが聞けると思います。

*写真の1/4スケールモデルはエリーゼのフロントサスペンションを正面から見たもの。
 教科書に載っていない、旋回時の挙動原理が再現できる優れものです。